内容説明
万人に平等な機会を提供することは、近代教育の重要な目的の一つだった。しかし、「ゆとり教育」で公教育の質が低下する一方、受験競争は低年齢化し、子ども一人ひとりにかかる教育費負担の増大から、家庭の経済状況による教育の格差は拡大しつつある。教育格差がさらに社会格差を再生産する状況を打破するため、教育と社会のつながりを見すえた改革が必要である。本書は格差の再生産を生み出す教育制度の問題点を指摘するとともに、それに代わる再チャレンジ可能な仕組みを追求する。
目次
1章 高齢化・所得格差・教育問題
2章 選別主義と格差
3章 ゆとり教育政策による格差拡大効果と企業による雇用可能性
4章 豊田自動織機の技術者教育
5章 学校における職業教育の経済効果
6章 学歴社会の再構築と人材の流動化―再チャレンジ可能な知識社会への見取り図
7章 格差を拡げる人試制度はどのように始まったのか?―日本におけるオープンアドミッション・システムの淵源
8章 大学入学者選抜における公平性・公正性の再考―受験当事者の心理的側面から
9章 大学における初年次教育の展開―アメリカと日本
著者等紹介
西村和雄[ニシムラカズオ]
京都大学名誉教授、京都大学経済研究所特任教授
大森不二雄[オオモリフジオ]
熊本大学大学教育機能開発総合研究センター教授
木村拓也[キムラタクヤ]
長崎大学アドミッションセンター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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