内容説明
19世紀西欧のウェストファリア体制すなわち主権国家本位の世界統治形態は、今日のグローバル化の中、大量破壊兵器、環境問題、民族紛争等、変わらぬ国家エゴの下いたる所齟齬をきたしている。この現状刷新を求めて本書は、国連等諸国際機関とその活動を批判的に考察するとともに、特に国境を越えて正義の実現をめざす市民の活動に着目し、国家間の法としての「国際法」から新たな地球市民の法「地球法」への出発点として分析・評価する。
目次
第1部 新たな世界の枠組み(グロチウスの時―果たされていない約束なのか、無害な夢なのか、好機を逸したということなのか?;世界秩序―国家間法と人道法の均衡を求めて)
第2部 現実の関心事(国連、法の支配、人道的介入;人道的介入の複雑性―新しい世界秩序への取り組み;グローバル化の時代における環境保護;海洋の平和な未来とは?;核兵器、国際法、そして世界法廷―歴史的な出会い;核兵器に関する勧告的意見と地球市民社会の新しい法体系)
第3部 人道に適った統治へ向かって(来るべき地球文明―新自由主義か人道主義か;グローバル化の時代における人道的統治の探究)
著者等紹介
フォーク,リチャード[フォーク,リチャード][Falk,Richard]
プリンストン大学名誉教授。カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校客員教授。国際法・国際政治学専攻。S.H.メンドロヴィッツと共に「世界秩序モデル・プロジェクト(womp)」の創設に携わり、公正な世界秩序のあり方を探求している。ペンシルバニア大学卒業後、イェール大学およびハーバード大学ロースクールにて学ぶ
川崎孝子[カワサキタカコ]
東京国際大学名誉教授。ケンブリッジ大学国際研究センターVisiting Fellow(1993‐94年)。国際法専攻。一橋大学法学部卒業(1963年)。同大学大学院法学研究科修士課程修了(1965年)。同大学大学院法学研究科博士課程単位修得退学(1968年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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