内容説明
グローバル化の進展とともに、比較教育学はいま新たな時代を迎えつつある。情報の多様化・精密化に基づく他国教育研究の一層の発展にとどまらず、異文化理解、国際教育交流等、教育の国際化の場においてもその重要性は高まるばかりだ。英米およびアジア諸国における初中等教育を中心とした教育改革の現状に関する正確な知見・分析に、留学生問題等教育交流の研究を加え、全17章にわたり展開した本書は、まさにそうした比較教育学の現在を反映した好著である。
目次
21世紀におけるグローバリゼーションと教育
イギリス労働党ブレア政権の教育改革―競争から協働へ
現代におけるイギリスと日本の学校評価の比較―幼児教育と初等教育における教育課程の接続という視点から
現在のイギリスの労働党政権における資格制度改革の動向
イギリスの教育における公と私のパートナーシップ
アメリカにおける民主主義理念と教育改革
アメリカのスタンダード教育改革の浸透と模索する歴史教育―暗記型か思考型授業か
統計から見る韓国の幼児教育の軌跡―1962~2008年
中国における改革開放以後の教師教育改革について―ここ30年の変革と今後
フィリピンにおける価値の明確化理論の可能性―米国発教育理論の変容
戦後フィリピンの教育改革と国民の受容の特徴について―大土地氏所有制度という社会構造を持つ社会の観点から
タイにおけるシティズンシップ教育
タイにおける1999年国家教育法による教育改革
バングラデシュ学校教育制度の量的拡大とその諸相
他民族社会における教育の国際化への展望―民族教育・民族学校を基軸とした国際化に向けて
中国と日本の留学交流の将来に関する考察
教育の国際化と学生の国際感覚について
著者等紹介
望田研吾[モチダケンゴ]
1947年生まれ。1974年九州大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。1976年ロンドン大学教育インスティチュート大学院修士課程修了。島根大学教育学部専任講師、九州大学教育学部助教授、同教授、九州大学大学院人間環境学研究院教授を経て、九州大学名誉教授。現在、九州産業大学国際文化学部特任教授。前日本比較教育学会会長。アジア比較教育学会会長。博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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