水の音楽―オンディーヌとメリザンド

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水の音楽―オンディーヌとメリザンド

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622042679
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C1073

出版社内容情報

ラヴェルの『夜のガスパール』から第一曲「オンディーヌ」を弾き終わったとたんに、先生から「もっと濃艶に歌って弾くように」と注意された。でも、この曲を高踏的に、人に媚びず、自身の美しさで聴くひとを惹きつけずにはおかないように弾いてみたい。あたかもドビュッシーの『ペレアスとメリザンド』のヒロインのように。

「この世にことさら男を誘う女と誘わない女の二種類がいるとすれば、明らかにオンディーヌは前者であり、メリザンドは後者である。(…)水の精とはどういうものなのか、オンディーヌはその中でどの部類に属するのか、音楽は彼女たちとどうかかわっているのか、ドラマ『ペレアスとメリザンド』は水の精の物語とどのようなつながりがあるのか。」(プロローグより)

この主題をめぐる逍遥はギリシャから中世をへて19世紀末にいたる。水のイメージと「ファム・ファタル(宿命の女)」の観念が結びついたとき、絵画、文学、音楽で続々とあらわれるヒロインたち。それを語る著者の筆致は颯爽として才気あふれる。

◇なお同タイトルのCD(キングレコード)が同時リリース、また記念リサイタルが11月に行われ,
ピアニストにして本を出版、そしてリサイタルという立体的な企画が多くのメディアの興味をひいている。
新聞文化欄への執筆、ラジオ番組への出演等々、精力的な活動によって、多くの人びとを惹きつけている。

書評情報:
坂下裕明さん/週刊朝日 2001.11.2号
川村二郎さん/読売新聞 2001.10.21
清水徹さん/毎日新聞 2001.10.21
東京新聞 2001.10


青柳いづみこ(あおやぎ・いづみこ)
ピアニスト、ドビュッシー研究家。現在、大阪音楽大学教授。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業。東京芸術大学大学院博士課程終了。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。1980年東京デビュー。東京にて14回のリサイタル、全7回の《ドビュッシー・シリーズ》開催。CD『ドビュッシー・リサイタル』『雅なる宴』『ドビュッシー・リサイタルII』は、いずれも「レコード芸術」誌特選盤。著書『ドビュッシー=想念のエクトプラズム』(東京書籍)『翼のはえた指 評伝安川加壽子』(白水社、第9回吉田秀和賞)『青柳瑞穂の生涯――真贋のあわいに』(新潮社、日本エッセイスト・クラブ賞)『ショパンに飽きたら、ミステリー』(創元ライブラリ)ほか。

内容説明

誘う女と誘わない女?古来からの水の精のイメージ、文学・美術にわたるファム・ファタル像、ショパン、ドビュッシー、ラヴェルらをつらぬく驚きの文化論。

目次

第1章 水の精のイメージ
第2章 善い水の精と悪い水の精
第3章 創作された水の精
第4章 魔界と人間界
第5章 音楽になった水の精
第6章 『ペレアスとメリザンド』とおとぎばなし
第7章 『ペレアスとメリザンド』のドラマ構造
第8章 「宿命と女」と「つれなき美女」
第9章 メリザンドと水
第10章 水の音楽

著者等紹介

青柳いづみこ[アオヤギイズミコ]
ピアニスト、ドビュッシー研究家。現在、大阪音楽大学教授。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業。東京芸術大学大学院博士課程修了。安川加寿子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。1980年東京デビュー。東京にて14回のリサイタル、全7回の「ドビュッシ-・シリーズ」開催。平成元年度文化庁芸術祭賞。CD『ドビュッシー・リサイタル』『雅なる宴』『ドビュッシー・リサイタル2』は、いずれも「レコード芸術」誌特選盤
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

白黒豆黄昏ぞんび

16
好きなんですよねえ、オンディーヌ。ウォーターハウスも。これは無意識に水に惹かれていたのかもしれない。音楽への興味の幅が広がりました。どの章も楽しめたのですが、音楽の技術についての最終章は、音楽の用語に詳しくないわたしを、ピアノを習っている息子に助けて貰いながら読み進めました。ラヴェルに興味を持ってくれたのでいつか弾いてくれないかと密かに期待しています。2017/01/09

やま

8
青柳いずみこと高橋悠治のトークショーがあり、つい、最新のCDと共に買った本。いきなりラベルのオンディーヌを色っぽく弾けと留学中に言われ、色々調べたらしい。とにかく、水の精に纏わる話が続く。そして、ピアノの演奏技法についての話になる。指先で感じるピアニストの本にもあったが、ドビュッシーとラベルのタッチの違いと響の違いの解説は見事だ。最後に水城さんの短編が付いていて、その中に出てくるコンサートなら聴きに行きたいと思った。どこかでやってくれないかな。2019/03/17

6
水のミュージックコンクレート作品の構想練ってて、そもそも先人はどゆ想いを込めて水を表現した音楽を創ったんだ?と疑問が湧き本書を手に取った。水の精に関する神話・民族伝承が、キリスト教思想が入り徐々に変異していく様を文献引用しまくって説明していくのは圧巻。脚色されてどんどん複雑に。そこを基軸に筆者が執心?しているメリザンドの考察。そう、この結論に達するから困るんだよなぁと苦笑。人を介して自然を自然のままにするのは難儀だ。デカダン派に関する記述や(まさかの)クセナキス紹介等色々と楽しめた。この人引出し多いなぁ。2013/07/24

saba

3
水の属性を持つ伝説や神話をありったけ詰めこんでいるので散漫な印象もあるが、引用や描画も豊富で面白かった。メリザンドのあたりはまあ、この本じたいが結論ありきで書かれているので。著者はピアニストの方だそうで、他の著作も読んでみたい。2016/05/30

rinakko

3
主題が好みのど真ん中…という感じで、興味深い内容がみっちりな一冊。この本を読む時ばかりはいそいそと音楽をかけ、心ゆくまで堪能した。創作された水の精の、キリスト教化されていく流れ(目的としての永遠の魂)。水の精の誘惑の方法について、その比較から、宿命の女をめぐる考察へ。宿命の女が水の精である場合のねじれ現象には、思わず唸った。そして、メリザンドの正体を追ってたどり着いた答えに、ただただ溜め息がこぼれる(真に恐ろしいのは…)。ショパンの『バラード』やラファエロ前派、『さかしま』『未来のイヴ』の件もあって大満足2013/02/12

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