内容説明
定年を迎え、滋賀から上京した妙子。目的は10年前に消えた亭主の行方。“谷根千”にある近江寮で、うまいものを提供しながら、食べること、生きること、進むこと、を考える。大丈夫、私たちには、ごはんがある。小説宝石新人賞受賞作家が、おばちゃんの自分探しを切々と描く、初の書下ろし長編!
著者等紹介
渡辺淳子[ワタナベジュンコ]
滋賀県生まれ。看護師として病院等に勤務。若い男女の結婚観を描いた「父と私と結婚と」で、2009年第3回小説宝石新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
133
★★★☆☆18025 食に関するネタを散りばめつつ人と人との繋がりを描いた作品かな。近江エリアの方なら更に楽しめると思います。当方、滋賀県と聞くと彦根城やひこにゃん,近江牛などが思い浮かびますが、その前にドーナツを連想してしまうのです。(県の真ん中に琵琶湖があってドーナツみたいでしょ。って、子供か!滋賀県、日本一の琵琶湖があって羨ましい〜!当方は関東在住で西の地域に馴染みが薄いからか発想が貧困。。)いやぁ〜、食べる事って幸せの基本だと思うんですよ。満腹だと気持ちも豊かになりますし、これ、世界共通でしょ。2018/03/30
モルク
126
10年前に突然いなくなった夫を探しに滋賀から上京した妙子。いろんな偶然の出会いから、滋賀県民が格安に泊まれる近江寮で食事を提供するようになる。食の大切さ、食による人との繋がりに共感する。あまり馴染みのない近江料理ではあるが、素朴な感じの「日野菜の漬物」がとても気になる。探し求めた旦那さんが最後まで登場しなかったのは残念。2018/08/13
ぶんこ
92
定年を迎え、夫は行方不明の友達のいない妙子。 こう書いていると切なくなる老後が目に浮かびますが、しみじみいいお話でした。 定年前の有休消化で、夫を探しに上京した日、お財布を無くすアクシデントから知り合った滋賀県人御用達宿舎の管理人安江さんと友達になり、思いもかけない人生が始まる。 美味しい料理が作れる事が、キッカケでした。 食べる事は生きる事。 大事にしなくては。 近江料理、食べたいです。 しかし妙子さんは、よく10年待てたものと驚きです。2016/03/04
ゆみねこ
90
アラ還の妙子は定年を機に滋賀県から上京。目的は10年前に失踪した夫の行方を探すため。財布を無くした事をきっかけに辿り着いた「近江寮」、そこで料理を作ることになり個性豊かな人たちと出会い、妙子の頑なな心も解れてゆく。滋賀の郷土料理が美味しそうで、ほっこりした読み心地。続編に出会えたら読んでみたい。2023/05/26
けんとまん1007
88
食べることの意味。人は食べないと生きていけない。それは、単に栄養ということだけではない。食べることができるうちは、大丈夫だという思いがある。それを裏付けてくれる。こんな寮があったら、行ってみたいなあ~。装丁の絵も、とても美味しそうだし、元気になりそうだ。作る人の思いもあるし、それが、如実に現れるのだとも思う。自分のため、隣のひとのため、もっと広くにもつながる。そんなことを、いろいろ考えた。やっぱり、基本は、おにぎりだよなあ~。2015/11/04




