内容説明
太刀川要は、深夜、山のなかをドライブ中に黒い大きな犬をはねてしまう。あわてて犬のもとにかけよると、車との接触でできたとは思えない大きな切り傷からの出血で、半死半生の状態だった。動物病院での治療の甲斐あって黒犬は助かったのだが、ペットたちが激しく怯えて困っている、と獣医から連絡が入る―。こいつはいったい何者なんだ?あんな時間にあんな場所で、いったい何をしていたのか?奇妙な共同生活を始めた要と黒犬を待ち受ける現実とは―。
著者等紹介
垣根涼介[カキネリョウスケ]
1966年長崎県生まれ。筑波大学卒。2000年、『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞しデビュー。’04年、『ワイルド・ソウル』で大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞と、史上初の3冠受賞。’05年、『君たちに明日はない』で山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫綺
116
神社に鎮座する獅子と狛犬。この狛犬が実体化するという不思議なお話。スッキリ感に欠ける結末ではあったが、途中までは面白かったし、読みやすかった。太刀川要、不器用な男だが嫌いではない(笑)。2014/03/09
再び読書
102
本当に狛犬だったのか?と深い様な浅い様な不思議な感覚。大藪春彦賞の作風から、違う領域に踏み出した感が、三作前から見え出し、寂しいのと期待の、入り混じる読後感です。話はさておき、マンネリを打破する為に、色々なスタイルに移っていく人がいますが、前のスタイルが好きな人からは肩透かしやがっかりする事がある。柴田恭兵の様にマンネリと呼ばれてもスタイルを変えない勇気も必要と時々感じる。垣根氏はこんな作品も書けるの?と驚きと共に嬉しい誤算を期待する作家です。ただこの作品もその過渡期なのかも知れない。歴史物に期待!2016/12/19
KAZOO
101
この作者は初めてです。ここのお気に入りさんの感想を見て読みたくなり、図書館で借りてきました。また表紙も気に入りました。物語は結構私には面白く、神社の狛犬には2種類あるとは思いませんでした。その狛犬から見た人間世界の感想が時折はさまれていて楽しめました。垣根さんは、初めてですが3冠を受賞している「ワイルド・ソウル」というのも読みたくなりました。2015/06/01
まこみん
92
この物語を読んでから、鶴岡八幡宮へ行ったので、いつもより念入りに両狛犬を観賞してきた。こんな犬像が突然命を持って動いたらそれは迫力だろう。設計士としてある程度自由に生きる太刀川要。優しいけど結婚には消極的な歳上の彼女麻子。狛犬ジョンを助ける獣医師、そして要に絡んでくるお弁当屋の娘… どんなに充実した人生を送っているようにみえる人も、自分の存在感を疑う時があり、そんな虚無の影は絶えず忍び寄っている。だが自分という存在は何者で有ってもその事実を引き摺って生きていくしかない。ジョンはこんな哲学を語って何処へ。2016/06/20
ゆみねこ
75
面白かった~!夜中のドライブ途中で飛び出してきた大きな黒犬をハネてしまった太刀川要。瀕死の重傷の犬を助けたものの、それは今まで見たこともない不思議な犬。ファンタジーなのですが、全く違和感なく世界に入り込めます。ジョンのこれからはどうなるのでしょう?続編があったら読んでみたいですね。2015/09/21




