出版社内容情報
現象学を駆使する奇妙な日本人・矢吹駆が事件の謎を追う、著者の代表的シリーズにして本格ミステリーの最高峰!
内容説明
“ヴァンピール”事件はまだ終わっていない。今度はルーマニアから亡命した元女子体操選手が全身から血を抜かれ殺された。ルーマニア将校射殺事件と“ヴァンピール”事件には、やはり関係があるのか!?そして神経を病んだ女子大生ナディアに救いは訪れるのか!?矢吹駆の現象学的推理が、血に魅入られた犯人の正体と意図を導き出すとき、驚愕の真相が浮かびあがる!
著者等紹介
笠井潔[カサイキヨシ]
1948年東京生まれ。’79年『バイバイ、エンジェル』で第6回角川小説賞を受賞。2003年には『オイディプス症候群』と『探偵小説論序説』で第3回本格ミステリ大賞小説部門と評論・研究部門を同時受賞。’12年には『探偵小説と叙述トリック』で第12回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヱロ本Gメン
9
今ひとつ。このシリーズが面白いのはナディア・モガールが成長していく姿を謎解きや哲学議論を通じて感じるとかができるから。そういう意味で一作目、二作目は出色の出来だった。本書はナディアのそうした姿をあまり見ることができず残念。終章には満足したが。謎解きはタチアナの多重人格症についてに無理を感じた。カケルの追求にもキレが無かったかな。オイディプス症候群をちょっと読み直そうかな。2017/01/03
花嵐
5
★★★★☆ 矢吹駆シリーズ第六弾。今作も読書カロリーがとんでもなく高かった!なまじオイディプス・コンプレックスなどの用語を知っていただけに、それから更に展開されていく精神分析学の話は理解はできても咀嚼するのが大変だった。正直、最後のナディアの問題が解決される所まではミステリとしてもめちゃくちゃ面白かったのだが、そのシーンだけは「うーん…」ってなっちゃった。このシリーズをここまで読んできて感じた事としては、現象学というか矢吹駆の駆使する現象学的推理は後期クイーン的問題にも絡んでいるような気がしてならない。2024/05/24
しい太
4
オイディプス症候群から15年くらい寝かせてしまって流石に色々忘れていたが、作中時間では2か月弱しか経っていないナディアが適宜回想してくれるのであまり困らなかった。矢吹駆が出なけりゃ出ないで寂しいが、出てきて語り始める各論は眩暈がするほど難解で辟易する、このアンビバレンスも懐かしい。今回は事件の構造が偶然性込みで複雑化していて、カケルの直観が従来より機能してない(ので結果的により普通のミステリ的な推理に見える)ところが興味深かった。読み終わってみれば本当にタイトル通りの物語。2025/09/24
ネムル
4
現象学的推理と精神分析の噛み合わせが悪すぎて、いかんともしがたい。2023/09/01
沙織
3
上下読了。もう頭がいっぱいに。初読みの作家様、初読みシリーズだったけど、前作のネタバレがなかったので充分楽しめた。精神分析に興味があったので手に取ったけど、現象学にも興味がわいた。しかし、聖書の話は読むのがかなり苦しかった。一貫性のない事件にきちんと説明がついた時、なるほどそういうことか、とすっきり。語り手のナディアに好感を持った。このシリーズを図書館で大量に借りた。はまれば購入予定。2024/11/21




