介入するアメリカ―理念国家の世界観

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介入するアメリカ―理念国家の世界観

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326351657
  • NDC分類 319.53
  • Cコード C3031

内容説明

さまざまな地域に文字通り「介入する国家」、アメリカ。しかもアメリカは、人びとの意識のなかにも浸透しようとした国家であった。「自らの姿に似せて他国を作り変えようとする衝動」に基づく介入だ。本書では、おもに冷戦後の外交を分析し、「衝動」の輪郭を浮かび上がらせる。

目次

二一世紀もアメリカの世紀か
第1部 介入と孤立のはざまで(アメリカの理念外交とコソヴォ戦争―人道的介入をめぐるアメリカの言説;リベラル・ホークとは何か―人道的な武力介入論;アメリカにおける国連不信と保守派の言説)
第2部 ブッシュ外交の波紋(アメリカの覇権的正義と米欧対立―「力」への依存の衝撃;イラク戦争の脱争点化とブッシュ政権の言説戦略―増派作戦の言説効果の検証;リベラルな帝国是認論―イグナティエフと対イラク武力行使をめぐる論争;中国を見るアメリカの視線―九・一一テロ攻撃後の対中イメージ)
第3部 オバマ外交の射程(「アメリカ後の世界」におけるアメリカ外交―オバマ外交の世界認識;「台頭する中国」をアメリカはどのように対象化しているか―「衰退する大国」の対中イメージ;変わる世界とアメリカの東アジア外交―オバマ政権の対北朝鮮政策への影響;「アメリカの衰退」と日米関係―同盟を漂流させないために)

著者等紹介

中山俊宏[ナカヤマトシヒロ]
1967年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部を卒業。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科博士課程修了、博士(国際政治学)を取得。日本政府国連代表部専門調査員、日本国際問題研究所主任研究員、ブルッキングス研究所招聘客員研究員、津田塾大学学芸学部准教授などを経て、青山学院大学国際政治経済学部教授、日本国際問題研究所客員研究員。専門はアメリカ政治外交、日米関係、国際政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あんころもち

11
最近の国際ニュースを考える上で極めて有用な著である。外交政策の理念の分析が主である。(残念ながら著者の言う通り現実的対応が主の東アジア外交はあまりこの本の良さが活きていないが)コソヴォ以降のアメリカ現代史の知識を前提とするが、時に歴史を遡りながら理念のバックボーンを示してくれるので勉強になる。特に民主党タカ派(リベラルホーク)についての記述が多いが、参考となる本がなかなか見つからないので現代アメリカを考察するのに非常に役に立つ。また、細かく文献がついているので、ここからどんどん掘り進められる。 2015/10/03

coolflat

2
ここ20年のアメリカの外交を分析している。冷戦以後、介入する国家アメリカがいかに変容していくかを示している。クリントン政権時のコソボ紛争では純粋で人道的な介入が動機だった。だが次のブッシュ政権時のイラク戦争では「大中東圏」の民主化という途方もない構想が動機だった。単独的で傲慢な姿勢が国連の支持を得られず、アメリカは孤立した。そこで単独介入主義からケースバイケースでの多国間による連携、つまり同盟プラスという発想への変容がなされる。同時に衰退するアメリカが勃興する中国に対して国益を最大化させる方策でもあった。2013/12/08

Dヨッシー

1
アメリカの介入をめぐる動きなどの論文集。後半は内向きになるアメリカを示唆するような論文だが、面白いのは前半のコソボやリベラルホークの部分。イグナティエフやオルブライトのように道徳心を基に介入政策を進めていったものの、実際にアメリカは介入後までの責務を果たせずに今にまで至っている。そのことを考察している部分がこの本の醍醐味なのではないかと思う。今後、アメリカが良きサマリア人を基に再び国際社会に関与していくのかにも注目。2017/12/19

Tetsuya Noguchi

1
2013年に出版された本であるが、現在のアメリカを考える上で、今でも非常に大きな価値がある。 ブッシュの外交、オバマの外交を中心に著者が発表してきたレポートを集めたもの。 アメリカの保守の歴史についてや、国際関係を見るときのリベラリズム VS リアリズム、民主党 VS 共和党の党派間対立、台頭する中国に向きあう当時のアメリカ人の認識などなど、非常に示唆的であった。 このような文脈の中から、今日のトランプ的なものが誕生する萌芽がどうやって生まれたのか、それを考えながら読む醍醐味がある書。2020/11/20

1
1990年代以降のアメリカ外交がどのように語られてきたかを通じて、アメリカ外交の変遷を位置付けようとしている。個別の章は中山先生が他の媒体で書かれたものを加筆修正して掲載したもの。 こう見てみると2016年以降の外交はかなりの程度オバマまでで作られていたのかもしれないという気がしてくる。2020/07/20

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