出版社内容情報
トランプ前アメリカ大統領を僅差で破り、2021年1月に就任したバイデン大統領。就任2年目を迎え、バイデン政権は内政・外交ともになにを目指すのか? 超大国アメリカの実像を気鋭の研究者が読み解く、アメリカ研究の最前線。
内容説明
アメリカはなにを目指すのか。世界に大きな影響を与え続ける超大国を気鋭の研究者が分析する。
目次
1 バイデン政権の世界観(バイデン政権の世界観と外交;バイデンの非・世界観外交;内政と連動する外交―「中間層外交」を中心に;民主主義重視が意味することとは?;ミドルクラスのための経済安全保障 ほか)
2 バイデン外交の実像と世界の対応(アジアと世界はどう変わっていくのか;大戦略の漂流―冷戦後アメリカの大戦略と対中政策;冷戦終結後の米軍の兵力計画の変遷―中露との戦争を想定した計画への移行と今後の展望;日米関係の第三の転機―中国と国際秩序をめぐって;バイデン政権下の米韓関係 ほか)
著者等紹介
佐橋亮[サハシリョウ]
東京大学東洋文化研究所准教授。専門は東アジアの国際関係・米中関係・国際政治学
鈴木一人[スズキカズト]
東京大学公共政策大学院教授。専門は国際政治経済学・科学技術と安全保障・宇宙政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紙狸
19
2022年4月刊。急逝したアメリカ専門家、中山俊宏さんの論考「バイデンの非・世界観外交」を収める。バイデンは外交通とされるが、直感(gut instinct)に基づいて判断する傾向が強いとも指摘される。長いキャリアを通じた一貫性は、「民主党の主流派の対外政策に関する感覚を察知し、それに基づいて『外交通』としての影響力を発揮してきた」ことだ。この本は多くの専門家の論考からなるが、ロシアのウクライナ侵攻はあとがきで触れているだけのようだ。国際政治の分野でタイムリーかつ学術的な出版をするのは大変だ。2022/05/28
PETE
2
バイデンの外交が、ミドルクラスという、現代アメリカにおいて実体が乏しい層をターゲットとして、貿易における自国産業保護、世界の警察的役割からの撤退など、欧州との関係修復以外あまりトランプ外交から大差ないコースになるだろうという分析が多い。刊行と前後して、ロシアのウクライナ侵攻という予想外の出来事が出来し、冷戦を知るバイデンの底力が発揮されているのだから、時事的な論文集の難しさが感じられる。2022/08/12
papahaba
0
バイデン就任後1年時点のアメリカ外交を、過去外交経緯・戦略等から対中国戦略を中心に複眼的に分析。2023/04/28
dama
0
アメリカファーストを掲げるトランプ外交からの相違と引き継ぐ点、ミドルクラスのための外交。アジア重視・中国シフトの潮流の中で、ロシアによるウクライナ侵攻が起こった。日本、欧州は同盟国としての役割を再検討しなければいけない時代に。2022/10/10