新潮文庫
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784101001340
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハイク

170
谷崎潤一郎賞を受賞した作品。「ハードボイルド・ワンダーランド」の私と「世界の終り」の僕との二人の主人公を中心にした物語だ。計算士、記号士、頭骨、一角獣、やみくろ等の良くわからない言葉。周囲が高い壁に囲まれた街に入り、門番により自分の影を引き離される事や、夢読み等の言葉等、何が何だかさっぱり分からない世界を描く。私と僕の先行きはどうなるのだろう、二人の接点はあるのだろうか。SF的ファンタジー及びサスペンスの不思議な世界に読者を迷い込ませる。下巻はどう展開するのか興味深々。著者のとてつもない空想力に驚く。2015/10/19

ehirano1

137
気を抜けば直ぐに「チン〇」の話になるなぁ・・・。読んだ本は何回見直しても「どうやらオレたち、いずれ死ぬっーじゃないですか(みうらじゅん、リリー・フランキー)」ではなく村上春樹なんだけどなぁ・・・。2022/01/03

とら

123
この本には色々と思い入れがあるのだけど、読んだことは無かった。最近読む機会があったので、これを機に自分も読んで、自分にとっても思い入れのある本にしようと思った。最初エレベーターの話から始まる、という事だけは知っていて、それは昔に友人から聞いた事でそれがとても長く、さらには結局話の意味が分からないみたいなことを言っていた覚えがある。そういう所が村上春樹の小説にある事はもちろん知っていたので心構えは十分。でも読んでみればとても面白かった。村上春樹のファンタジー、いいじゃん!どんどん先が読みたい。下巻も楽しみ。2013/11/14

tokko

75
何度も再読。「ハードボイルド」な現実と「世界の終わり」が交互に繰り返されていく中で次第にリンクし合う世界。交わったのかと思ったらねじれの位置にあるかのような二つの物語。わかったようでわからない。それを色彩豊かな登場人物でぐいぐい引き込む村上さんの筆力は、この小説あたりから力強くなったように思う。2011/07/18

esop

72
世界とは凝縮された可能性で作りあげられたコーヒー・テーブルなのだ/トラブルの大部分は曖昧なものの言い方に起因していると私は思う/期待をするから失望が生じるのだ/私の判断力にはかなりのミスが目立っていた。一度ガソリン・スタンドにいってボンネットをあけて見てもらったほうがいいかもしれない2024/04/01

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