出版社内容情報
戦前、戦中を通じて紙芝居屋をしている田中天声の元にGHQから東京裁判への出廷要請が来た。歌と笑いとともに繰り広げられるドラマの中から東京裁判に隠されているとてつもなく大きなカラクリが浮かび上がる。
前作「紙屋町さくらホテル」(小社刊)で天皇の戦争責任をテーマに取り上げた井上ひさし氏は、今回敗戦後すぐに行われた「極東国際軍事裁判」、いわゆる「東京裁判」とは何だったのだろうか、という大きな主題に挑みました。 日本人ひとりひとりに「東京裁判」はどう絡み合い、その裁判に、連合国側のどういったカラクリが隠されているのか、笑いと音楽をふんだんに盛り込み、庶民の視線から歴史の裂け目を探った傑作戯曲です。 戦前、戦中を通じて紙芝居屋をしていた男・田中天声に連合国総司令部(GHQ)から東京裁判の検察側証人として出廷するよう要請があった……。この紙芝居屋を中心に、その妹の元芸者、復員兵、検事局の女通訳などが、歌と笑いとともに繰り広げるドラマの中から東京裁判の謎が明らかにされてゆく。
内容説明
紙芝居屋が解き明かす「東京裁判」の謎とカラクリ。最新傑作戯曲。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
30
たしか朝日新聞の朝刊で存在を知った作品です。図書館で借りてきました。 舞台は戦後直後の日本で紙芝居と戦犯の処刑がテーマの作品でした。前回読んだ藪原検校のラストと処刑される戦犯さんが重なるような…、そんな感じでした。いつの世も真の黒幕は逃げおおせるものなのですね。 井上流言葉遊びも絶好調でした。天皇陛下の朕と犬のチンチンをかける言葉遊びは思わず吹き出しました。 それにしても作中の芋飴食べたい。よだれが…。2018/07/06
てら
6
はじめに上演時の写真が掲載されていたことから、角野卓造さんはじめどのように台詞を話しているのか想像しながら楽しく読むことができました。ただの紙芝居だと思っていたら政治に関わっているではありませんか。内容が内容だけに遠い昔の作品かと思いきゃ上演されたのは2001年。日本語の名手、井上ひさしが書く紙芝居屋の口上も良かった。本物は見たことがないが、昭和の紙芝居屋の雰囲気が伝わってきた。2023/12/27
purintabetainoo
6
"戦後の東京裁判の真相"を軸にして、井上ひさし流の面白く寂しく暖かい物語だった。 日常生活の幸せを歌う挿入歌(?)が特に素敵でした。 この物語では丸く収まっていたけれど、ミドリさんの取った女心の健気さが滲み出る行動に共感(学歴や立派なところは全く違いますが)するとともに、とかく損をしがちなその一途さに心配してしまった。でも、それが女の儚さを醸し出してかわいく見えるのかなと、もどかしい気持ちにもなりました。 2019/01/18
Makoto
1
聴きたい、、、井上戯曲を読むといつもこれだ。脚本家であり、作家であり、詩人である偉大作家。歌だけは本からは聞こえない。ただ、庶民的な、人情に憂えて、やや足下の先を見据えるように歌っているのであろうと染みわたるように歌詞を聞こえたように読む。昭和よ、待っちょれ。2016/06/28
きのやん
1
東條英機は昭和天皇を守ろうとした、か。どっちでもいいや。そんなことより、無能な国家指導者のせいで百万単位の国民が死に、国も滅びたんだ。裕仁一人守るとか守らないとか、そんなことを論じること自体ナンセンスだわ。井上ひさしってあんまり頭よくなかったんだな。2015/03/23




