出版社内容情報
大志よりも日常を選んだ男。
書き下ろし時代小説。
たったひとりの母親が待っている。親ぐらいむごいものが、この世にあるだろうか。
「新しい国」を夢見て若者たちが浮き立つ幕末、故郷の村で己の生き方を見定めようとする男を描く。
内容説明
時は幕末。北但馬の農村で暮らす清吉は、病身の母と借金を抱えながらつましい暮らしを送っていた。ある日、私塾仲間の民三郎が刃傷沙汰を引き起こしてしまう。友を救おうと立ち上がる清吉。だがこの一件の波紋は思わぬ形で広がってゆき―。若者たちが「新しい国」という夢に浮かされた時代、変わりばえのしない日々のなかに己の生きる道を見出そうとした男の姿を描く、傑作時代小説。
著者等紹介
志水辰夫[シミズタツオ]
1936年高知県生まれ。出版社勤務を経て、1981年『飢えて狼』でデビュー。86年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞を、2001年『きのうの空』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takeapple
9
親っていったいなんだろう。自分も親になり、親の気持ちはわかる。しかし主人公の親への思いはわからない。親だけではなく、故郷の様々なものが気になり、京へ行かなかったということならばわかる。2009/05/30
山田太郎
9
なんか地味な話だと思いつつも最後までいっき読みでした。女性がみんな魅力的。2011/03/06
アルラ
5
初めて時代小説に挑戦した「青に候」に続く二作目。幕末の混乱の中、山深い農村で、郷士とは名ばかりの身分の主人公清吉を中心に話が描かれている。 冒頭部分はその状況説明で、ちょっと進みづらかったのだが、親友の事件を機に、大きな時代変革の波に翻弄されていく。病の母親を背負い、身の丈の暮らしを守ることを信じつつ、成り行き上、事の始末を引き受けざるをえない清吉。どんな状況にもひるまず、最後まで人の道を貫く彼の姿は心を打つ。派手な展開の物語ではないが、随所に泣かせるシミタツ節があり、じんわり感動が味わえた。続く 2011/01/25
sai
4
幕末動乱の中、友たちが激動の渦に巻き込まれて変わっていく中、病弱な母親を第一に考えて暮らすことを優先させた郷士の清吉。モノクロの邦画を観ているような雰囲気を感じた作品だった。2016/12/14
すの
4
シミタツの辿り着いた先が時代小説であったというのは嵌まりすぎていて、少しさみしい。激動の幕末の時代に、ささやかに身の丈にあった人生を送る青年の姿。あの時代に老成したような生き方で生きた主人公は本当に幸せだったのだろうか・・と唸らずにはおれない終わり方。こと老いた母が、息子の隠していたある女性への気持をまったく理解していなかったあたりに現実の不条理を覚えた。皆が語る、最後の言葉は色んな意味で胸を去来する。2009/11/07
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