出版社内容情報
欧米メディアが「日本最大の右翼組織」と報じる日本会議。この右派政治団体と安倍政権が改憲へと傾倒する動機が、かつて日本を戦争に導いた国家神道を拠り所とする戦前回帰への道筋だと指摘する。
山崎 雅弘[ヤマザキマサヒロ]
内容説明
欧米メディアが「日本最大の右翼組織」と報じる日本会議。安倍政権の閣僚の半数以上が日本会議と直接的に繋がる議員団体に属するなか、日本の大手新聞・テレビは両者の関連性をほぼ報じてこなかった。本書では日本会議の“肉体”(人脈・組織)と“精神”(戦前戦中を手本とする価値観)、教育や靖国をめぐるその“運動”を詳説し、日本会議と安倍政権が改憲へと傾倒する動機が、かつて日本を戦争に導いた国家神道を拠り所とする戦前回帰への道筋にあることを指摘。気鋭の歴史研究家が日本会議を近視眼的な“点”ではなく、史実をふまえた“線”としての文脈から読み解く、同組織の核心に触れるための必読書である。
目次
第1章 安倍政権と日本会議のつながり―占領された内閣(第二次安倍政権の発足と日本会議の役割;重なり合う「日本会議」と「神道政治連盟」の議員たち;慰安婦問題・南京大虐殺問題への日本会議の関わり;中国の軍事的脅威をアピールする安倍政権と日本会議;光を当てる地方紙・週刊紙・ネット言論と、光を当てない大手メディア)
第2章 日本会議の「肉体」―人脈と組織の系譜(「神道・宗教勢力」と「保守・右派勢力」の融合;神社本庁と日本会議の深い関係;日本会議とその前身/関連組織が行なってきた主な政治運動)
第3章 日本会議の「精神」―戦前・戦中を手本とする価値観(安倍首相と日本会議と天皇―「日本の国柄」の核心をなす存在;「日本を取り戻す」―具体的には、何を「取り戻す」のか;日本会議の思想の原点を物語る書物『国体の本義』と『臣民の道』;戦前・戦中の思想と価値判断を継承した日本会議の活動方針)
第4章 安倍政権が目指す方向性―教育・家族・歴史認識・靖国神社(安倍首相と日本会議と教育改革―「愛国」「道徳」という名の政治教育;安倍首相と日本会議と家族観―国民の内面に踏み込む ;安倍首相と日本会議と歴史認識―大東亜戦争の肯定;安倍首相と日本会議と靖国神社―「国に殉じた英霊」の理想化)
第5章 日本会議はなぜ「日本国憲法」を憎むのか―改憲への情念(安倍首相と日本会議が日本国憲法に示す「敵意と憎悪」の背景;日本国憲法を「神道指令の恒久化」と見なす日本会議;安倍政権と自民党の憲法改正案;日本会議の改憲運動と「産経新聞」の憲法改正案;憲法改正運動の最前線に躍り出た日本会議)
著者等紹介
山崎雅弘[ヤマザキマサヒロ]
1967年、大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。雑誌『歴史群像』『歴史人』等に戦史の分析研究記事の寄稿多数。2015年9月に刊行された著書『戦前回帰「大日本病」の再発』が各界より高い評価を受ける。膨大な資料をもとに、俯瞰的な視点から現代日本を鋭く分析する論客である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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