内容説明
認知症を心配する人が増えています。実際、厚生労働省によれば、日本の認知症高齢者は今後大幅に増加していくと予測されています。一方で、人は誰でも年をとると、物忘れなどが増えてくるのも事実です。では、心配いらない物忘れと、認知症の記憶障害とはどう違うのでしょうか。認知症とは、いったいどんな病気で、どのように対処したらよいのでしょう。一九九六年以来、物忘れ外来で多くの患者を診察している医師が、治療や介護についてやさしく解説します。
目次
序章 ある認知症患者さんの物語
第1章 認知症とはどういう状態か?
第2章 認知症における中核症状と周辺症状(行動障害・精神症状)
第3章 アルツハイマー病を理解する
第4章 脳血管性認知症を理解する
第5章 治療可能な認知症を見逃さない
第6章 上手な介護、適切な対応は認知症の進行を遅らせる
第7章 薬物療法について
第8章 事例から考える認知症の介護
第9章 しばしば質問される認知症に関する疑問
終章 よりよい介護をめざして
著者等紹介
川畑信也[カワバタノブヤ]
1983年昭和大学大学院(生理系生化学専攻)修了。医学博士・日本神経学会専門医・日本脳卒中学会専門医(専門分野/認知症疾患、脳血管障害、老年期精神疾患)。愛知県成田記念病院神経内科部長。1996年より物忘れ外来で認知症患者の診察を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユウユウ
18
新書の形式で、軽めの概説書ではありますが、本当に基礎を抑えたわかりやすい記述で、良い復習になりました。著者が臨床医であり、実例も紹介されているため、様々な症状をイメージしやすいと思います。少し出版年が前であることを差し引いても、良書だと思いました。2015/03/22
めぐみ
9
うへー、アルツハイマー病と認知症との関係すら分かってなかった。これからの社会では認知症についての基本的知識になるんだろうなあ。ちょっと医学用語多くて目が痛いところもあるけど、分かりやすかった。2015/03/17
フジコ
3
勉強になった。ベストの介護よりベターな介護を目指すこと。2012/08/19
honey
3
わかっているようでわからないことも多い認知症について、物忘れ外来の医師の立場から解説した本です。認知症とただの加齢による物忘れとの違い、アルツハイマーと脳血管疾患による認知症との違い、家族が認知症と診断された場合の対処法など、福祉の分野にも言及し、入門書として非常にわかりやすい良書だと思います。事例も多いので、認知症の人に接したことがない方にもイメージしやすいのではないかと思います。 2011/09/09
のんき
3
「物忘れ外来」で診察してきた経験から、患者の家族に対して知っておいて欲しいことをまとめた本、という感じでしょうか。紹介されている事例を読むと、日頃の家族関係がこういう面で如実に表れるものだとつくづく思いました。2010/10/27