内容説明
江戸時代中期、徳川吉宗の時代になって、日本に新しい紀行文学が現れた。あたかも歩調をそろえるように、何人もの書き手たちがそれぞれの好奇心で旅に出て、北海道蝦夷地から九州薩摩までを巡り、それまで意識されることのなかった「日本」を発見した、と言ってもいい。その背景にあったものは、一体何だったのだろうか。文学的な価値は低いと見なされていたその時期の紀行文に記録された、各地の歴史地理、人々の衣食住とこころ―外国人日本文化研究者がそこに新しい光を当てる。
目次
第1章 貝原益軒の情報欲
第2章 本居宣長の考古学
第3章 天明の大飢饉をめぐって―高山彦九郎と菅江真澄
第4章 古川古松軒の批判的精神
第5章 日本民俗学の父と言われる男、菅江真澄
第6章 新しいビジョンを提示した、橘南谿と司馬江漢
第7章 参勤交代という名の博覧紀行―松浦静山
第8章 富本繁太夫―十九世紀初頭に生きた旅芸人の日々
第9章 新しい美的ビジョン―渡辺崋山
第10章 松浦武四郎の蝦夷探検
終章 江戸時代の旅と啓蒙思想
著者等紹介
プルチョウ,ヘルベルト[プルチョウ,ヘルベルト][Plutschow,Herbert]
1943年スイス生まれ。城西国際大学客員教授。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)名誉教授。62年パリ大学東洋語学校卒業。73年コロンビア大学博士課程で日本中世旅文学の論文により博士号取得。UCLAで日本文学、日本文化史を教えるかたわら、日本学の様々な分野を研究し、論文、著書多数
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