仮放免の子どもたち―「日本人ファースト」の標的

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仮放免の子どもたち―「日本人ファースト」の標的

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  • サイズ 46判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065425237
  • NDC分類 334.41
  • Cコード C0036

出版社内容情報

――「この国に生まれたことが、罪ですか?」

【「仮放免」の子どもたち、とは?】
日本で生まれ育ちながら、在留資格を持たず「仮放免」として暮らす子どもたちがいる。
仮放免とは、収容は一時的に免れるものの在留資格がない状態のことだ。国民健康保険にも入れず、進学や就労の道も閉ざされ、県をまたいだ移動すら原則できない。日本語しか話せず、日本の学校で育っても、いつ強制送還になるかわからない不安の中で日々を過ごしている。

【本書の特徴】
街では「日本人ファースト」を叫ぶデモが行われる。その光景を、彼・彼女たちはどんな思いで見ているのか。
本書では、当事者の子どもたちの生活や声を物語として丁寧に拾い上げながら、巷で語られる「移民」や「不法滞在者」への偏見を、データと事実に基づいて一つひとつ検証していく。

【子どもたちを取り巻く環境と見えてきた事実とは】
日本政府は現在、2030年末までに不法滞在者を半減させるという「ゼロプラン」を掲げている。その対象として、クルド人が強く意識されている現実もある。だが、入管庁が「不法滞在者」と分類する人々の中には、本来保護されるべき「難民」が含まれている。日本の難民認定人数が先進国の中で突出して低い事実、そして難民申請者や仮放免者への対応が極めて冷酷である実態は、ほとんど知られていない。そしてその冷酷さは、仮放免者に限らず、何らかの在留資格を持つ外国人にも及んでいる。

取材を進めるほどに明らかになっていったのは――
“問題の本質は外国人の側にあるのではなく、日本の制度と構造にこそ根深く横たわっている”
という事実だった。



【目次】

内容説明

「この国に生まれたことが、罪ですか?」日本語しか知らずに育ったのに、移動・就労の自由もなく、国民健康保険にも入れず、ヘイト・強制送還に怯える日常…。

目次

プロローグ 生きる権利のない子どもたち
第1章 子どもたちが直面する「もう一つの日本」
第2章 命の危機
第3章 学ぶ権利を奪われて
第4章 働けないわたしたち
第5章 恋愛と結婚への壁
第6章 壊される家族
第7章 「無限連鎖」する困難な人生
第8章 人権回復への闘い
エピローグ

著者等紹介

池尾伸一[イケオシンイチ]
ジャーナリスト、東京新聞編集委員。1989年、早稲田大学政治経済学部を卒業し中日新聞社(東京新聞)入社。1990年代は経済部で金融危機を取材。米コロンビア大学プロフェッショナルフェロー、ニューヨーク特派員、経済部長などを経て、2021年から編集委員として、入管行政や外国人との共生問題をテーマに現場取材を続ける。声を上げられない人々の声をつたえ、隠された問題を「見える化」することをライフワークとする。在留資格のない子どもたちの状況を掘り下げた新聞連載「この国で生まれ育って」で、2023年の貧困ジャーナリズム賞を受賞。家事労働者に労災が認められない問題の報道で、’22年の同賞を受賞。著書に『魂の発電所―負けねど福島 オレたちの再エネ十年物語』(徳間書店、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞)など。名古屋市出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

116
「仮放免」という言葉も知らなかった。超過滞在の外国人に入管施設外での生活を認める仕組みだと言う。労働も、県境を跨ぐ移動も、国保も生活保護も認めない非人道的な扱いに苦しむ子供たちの姿に胸が締め付けられる。「不法滞在者ゼロプラン」に邁進する入管の冷酷さにやるせない思いが募るが、一方、法治としての一理があることも認めざるをえない。悲しいのは、日本人ファーストと叫び「外国人に厳しい政策は有権者にウケるんだよ」と嘯く政治家たち。だから、学校から放逐された子に、こっそりプリントを届け続けた女性教師の物語が救いである。2026/07/03

skunk_c

93
懇意にしているライブバーのマスターから拝借。「仮放免」とは諸般の事情で難民申請をしても日本で認められずに極めて不安定な身分と制約された条件で非正規に在住している人達のことだ。いつ本国送還されるか分からない不安と、長期収容への恐怖の中で暮らしているが、最も悲惨なのは、日本では平然と子どもと切り離して強制送還してしまうことだ。日本も批准する「子どもの権利条約」に親子の切り離しが禁じられているのに、例外条件を付けて批准して、実際に行っている。その他多くの問題が本書には記され、日本の入管行政には背筋が寒くなった。2026/07/08

燃えつきた棒

39
先日、ドス・パソス『U.S.A. 第二部 一九一九年』の感想に、《「奇妙な果実」は吊るされるというのがアメリカ社会なのだ。》と書いたが、その言葉がたちまち僕自身に返ってきた。 そうだとすれば、ひるがえって現代の日本社会はどうだろうか? 本書を読んで、僕はどうしてもこう言わざるを得ない。 欧米諸国と比較して異常に認定率の低い難民認定のあり方や、非正規滞在外国人には人権を認めようとしない現在の日本もまた、「奇妙な果実」は吊るされる社会なのだと。/ 2026/02/06

おかむら

37
中島京子の「やさしい猫」で知った「仮放免」という言葉。親が不本意な様々な事情で不法滞在者となってしまった外国籍(無戸籍含む)の子どもの置かれた現状をルポ。思ってた以上に過酷、そして将来に夢を持てない絶望感。この国のあまりにも冷酷すぎる対応に言葉もないわ。不法移民への不安を煽るSNSばっか見て参政党に1票入れちゃった人にこそ読んでほしいが、ショート動画と300頁の書籍とでは、影響力では全く敵わないのが悔しい。なにか知らしめるいい方法はないのか…2026/03/30

ばんだねいっぺい

25
行政の意思決定と難民認定が難しいのは、あるが、それにしたって、まぁ、可哀想である。シンプルにそれに尽きる。なんとかならないか。GHQの反共が権限強化のひとつの流れとはああ、そうかと納得。顔写真がないことが、本当に差別が強くなっているのだし、それの刃は日本人同士へも向くだろう。2026/03/07

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