岩波文庫
星界の報告 他一編

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  • サイズ 文庫判/ページ数 173p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003390658
  • NDC分類 440
  • Cコード C0101

出版社内容情報

一六一○年冬,ガリレオは三○倍に拡大された星界に初めて対面する.まず月面に,そしてこれまで未知であった木星の周囲を回転する四つの惑星の運動の観測へと筒眼鏡は向けられる.精緻な観察が卓抜な想像力と結びつき,世界をゆるがせた推論は仮借なく押しすすめられる.他に「太陽黒点にかんする第二書簡」を収録.

内容説明

1610年冬、ガリレオ(1564‐1642)はみずからの手で完成した望遠鏡を通して、30倍に拡大された星界に初めて対面する。まず月面・銀河・星雲、そしてそれまで未知であった木星の周囲を回転する4つの衛星。精緻な観察が卓抜な想像力と結びつき、世界をゆるがせた推論は仮借なく押し進められる。「太陽黒点にかんする第二書簡」を併収。

目次

星界の報告
太陽黒点にかんする第二書簡

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

135
《慈悲深い神が与えた啓示に導かれて筒眼鏡を考案した》ガリレオは、《法外な喜びにあふれ》星々を観測したそうだ。月に凸凹があること、銀河が無数の星であること、木星を巡る衛星のこと…など細かく報告している。月面を「孔雀の尾」「氷硝子」に喩える所や、月が地球を照らすなら地球も月を照らすだろうと考える所を読むと、今では当たり前のことが、まっさらな未知の事象として目の前に現れてくるかのようで、いつのまにか、自分も筒眼鏡を覗いている気になってくる。太陽黒点を観察した38葉の図面など、見ているだけでワクワクしてしまった。2019/12/25

syaori

54
自作の望遠鏡による天体観測とそれから導かれた考察を記した表題作と『太陽の黒点に関する第二書簡』を収録。凸凹の月の表面や木星の周囲を巡る四つの衛星、「無数の星の集合」である天の河など、これまで「ありえないもの」とされていたことを、観察による「感覚的経験」から論拠を示して明らかにしていく様子に胸が躍りました。科学的な証明はどこまで理解できたか怪しいですが、作者の、新しい経験から世界が広がる高揚が伝わってくるようで、図や文章をたどるだけでこちらの心にも未知の世界を知る喜びや前へ進む探究心が満ちてくるようでした。2020/02/05

陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙

26
2016年は星空撮影もっと上達して撮りたい。天体望遠鏡も購入する前に先ずはガリレオの星への想いを追体験しようと入手。タイトルも素敵。トスカナ大公に宛てた伝え方の美しさと言ったら。岩波青文庫のフォントも相乗効果抜群。望遠鏡の発明とガリレオの出会いに感謝。月の写生図と説明文にかぐやで観た映像を想起してうっとり。月の輝き、オリオン座やプレイアデスの星図、そして木星の衛星の発見の件りに心躍る。中学の頃に初読なら、私の人生がきっと変わってた。またイタリアに訪れて、ガリレオの観た月を同じ場所から眺めてみよう。2016/01/04

S.Mori

16
ガリレオが自作の望遠鏡で月や木星、太陽の黒点を観測した時の記録です。素晴らしい本でした。この本はお勧めです。私は理科が苦手なのですが、これは夢中になって読みました。未知の世界に触れた感動と喜びが科学的な記述の中から伝わってきます。最初の月の観察の記録は本当に美しいです。太陽の光を浴びて、月の表面の山や谷が浮かび上がってくる様子が鮮やかに描かれています。後半の黒点の章では、精緻な観察によって黒点が太陽の表面にあることを明らかにしようとします。ずっと手元に置いて繰り返し読みたいと思いました。2019/11/01

kochi

15
望遠鏡を自ら製作し、月や天の川、木星の衛星などについて観測した結果と考察を記す表題書と、太陽黒点についての観測と理論を記載した「太陽黒点に関する第二書簡」の二つを収録。『星界の…』に関する新書を先に読んでいるので、どちらかと言うと太陽黒点に関する論証の方が印象的。観察した事実と推論に基づき、太陽黒点が太陽表面上(もしくは非常に近いところ)を移動する現象であって、太陽をめぐる軌道上の現象でも、地球大気中の事象でもないこと等を丁寧に論証しており、近代科学の発展がこの時代、特にガリレオに起源を有することを実感。2023/12/12

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