【紀伊國屋書店出版部】7月新刊『クレイジー・ライク・アメリカ――心の病はいかに輸出されたか』

心のグローバル化に警鐘を鳴らす!

クレイジ-・ライク・アメリカ 心の病はいかに輸出されたか
イ-サン・ウォッタ-ズ、阿部宏美
紀伊國屋書店 (2013/07 出版)
ISBN:9784314011037
価格:¥2,160(本体¥2,000)

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科学的知識の普及か? 善意の支援か? 
  治療のための研究か? それとも金儲けか?
      ――精神疾患の行きすぎたアメリカ化に警鐘を鳴らす!

 ジャーナリストである著者は、19世紀のヒステリーなど、歴史は変わりつづける心因性の症状の宝庫であり、その分類・名づけは科学的プロセスであると同時に、その時々の医学界の意見によって「つくられる」きわめて社会的かつ文化的試みであると書きます。

 たとえば、「うつ病」は日本で1990年代、ほとんど知られていない病気でしたが、それが「心の風邪」のコピーとともに一般に広まった裏には、米大手製薬会社のメガマーケティング活動がありました。また、スリランカにおけるスマトラ沖地震のあと、「心理的応急処置」として多数の欧米の研究者が同地へと急ぎ、PTSDという概念を広めています。

 こうしたアメリカ製の精神疾患観の流入により、それぞれの文化は大きな衝撃を受け、のちに各国で発症率が急増し、民族固有の多様な症候群や治療法が失われていくことになります。その背景を、4つの国を舞台に描いた、類のないノンフィクション、ぜひご注目ください。

2013.06.27 出版