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『知覚の現象学』<第1巻><第2巻>
モリス・メルロー・ポンティ【著】、竹内芳郎【訳】
みすず書房
(第1巻:1980-07出版)
(第2巻:1981-02出版)
ISBN:
9784622019336、9784622019343
知覚世界の記述から対自存在と世界内存在、そして自由の考察へ。経験主義と主知主義を批判しつつ世界の意味を開示し、戦後思想に多大な影響を与えた著者の主著。
(みすず書房・野登健記) |
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『世界の散文』
モリス・メルロー・ポンティ【著】、滝浦静雄【訳】
みすず書房(1979-05出版)
ISBN:9784622019381
哲学の思考は、痛い思い出にも、甘い恋愛にも、科学にも、政治的行動にも、見る・聴くという行為にも、こんなにも風通しよく開かれているものなのか、ということを実感させる戦後フランス現象学の大仕事。身体性、間主観性、構造、真理の歴史といった哲学の戦後的主題は、ここから世界へ地響きを立てて伝播していった。 |
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『野生の思考』
クロード・レヴィ・ストロース【著】、大橋保夫
みすず書房(1976-03出版)
ISBN:9784622019725
関係、交換、変換、構造といった操作概念とともに分析されるフィールド調査は、そのままわたしたち現代人をも突き動かしている「野生の思考」を、希望とともに再生させる。現在も疼きつづけるわたしたちの精神の古層としてのこの「野生の思考」は、フロイトの精神分析とともに、二十世紀最大の発見のひとつに数えてよい。
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『ボードレール―他五篇』
ヴァルター・ベンヤミン【著】、野村 修【編訳】
岩波書店(1994-03-16出版)
ISBN:9784003246320
ミクロロジー、生来の資質でもあったこのひとの小さきものへの愛と憂いを帯びた視線が、商品、玩具、博覧会、娼婦、モード、ポスター、証明、写真などに向かう。抽象的思考を具象に仮託する、あるいは具体的なもののただなかで抽象的なものを析出する、そういう思考法の見本である。フェテッシュとしての商品のなかに、夢幻と犯行現場(あるいは屍体置場)とを見る眼差しは、メランコリックなマルクスとでも呼びたくなる。 |
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『エロティシズムの歴史』
ジョルジュ・バタイユ【著】、湯浅博雄、中地義和【訳】
哲学書房(2001-06-01出版)
ISBN:9784886791016
自然とその侵犯、エロティシズムと秩序、禁止と破壊、その融和しがたい同盟関係を抉ったこの書をはじめて読み通したとき、頭が破裂しそうになり、考えるということに怯えて身を引きそうになった。
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『空間の詩学』
ガストン・バシュラール【著】、岩村行雄【訳】
筑摩書房(2002-10-09出版)
ISBN:9784480087249 |
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『五感―混合体の哲学』
ミッシェル・セール【著】、米山親能【訳】
法政大学出版局(1991-06-01出版)
ISBN:9784588003233
セールは「魂」を「接触」という問題につないだ。重ねられた唇と唇のあいだ、閉じられた瞼、収縮した括約筋、拳をにぎりしめたときの掌、組み合わされた腿と腿のあいだ……そう、皮膚がみずからの上に折り畳まれるところに「魂」が生まれるという。「意識は感覚のひだのなかに身を潜めている」。この思想にふれると、巷に溢れる心身関係論が急に色褪せて見えるようになる。 |
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『彼自身による
ロラン・バルト』
ロラン・バルト【著】、佐藤信夫【訳】
みすず書房(1997-06-05出版)
ISBN:9784622049067
「分析者がつねに分析対象でなければならぬ」というバルトが、自分自身について分析を行い注をつける。日記のような、詩のような、…つぶやきなのかもしれない。
(みすず書房・野登健記) |
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『テクストの快楽』
ロラン・バルト【著】、沢崎浩平【訳】
みすず書房(1977-04出版)
ISBN:9784622004714
アフォリズムのような断章で編まれた「テクスト論」だが、読む者は結論を期待してはいけない。この書を読む行為そのものが感覚をなであげるのであるから。
(みすず書房・野登健記) |
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『第三の意味―映像と演劇と音楽と』
ロラン・バルト【著】、沢崎浩平【訳】
みすず書房(1998-10-20出版)
ISBN:9784622049562
こんなにもひりひりとしていて、こんなにも気持ちのいい……。言葉の肌理(きめ)がときに流れ星のようにさっとよぎり、ときに泡立つ、どこまでも醒めた現代の快楽主義者の、とらわれのない、しかし目のつまった文章群。
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『皮膚―自我』
ディディエ・アンジュー【著】、福田素子【訳】
言叢社(1993-11-25出版)
ISBN:9784905913474
〈わたし〉という存在は、たえず、ほどけたり、壊れたり、散乱したり、膠着したり、凝り固まったりしている。そのなかでかろうじてみずからをとりつくろい、奇蹟のようにバランスをとっているのがわたしたちだ。その〈わたし〉をその生誕の原風景のなかに探るのがこの本だ。密着、しがみつき、剥がれ、震え、呻き……そんなぎりぎりくるような痛みが充満している。
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『衣服の精神分析』
E・ルモワーヌ・ルッチオーニ【著】、鷲田清一、柏木 治【訳】
産業図書(1993-05-27出版)
ISBN:9784782800799
〈無〉を包む衣として衣服をとらえるルモワーヌ=ルッチオーニは、衣服は切断とともにはじまるという。女性器の「縫い留め」から衣服まで、着たり脱いだりされる皮膚は、裁断しふたたび縫合され、開かれまた閉じられるなかで、ひとの〈魂〉をなしてゆく。
【絶版】 |
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『精神と情熱とに関する八十一章』
アラン【著】、「小林秀雄全作品〈8〉」所収(小林秀雄【訳】)
新潮社(2003-05-10出版)
ISBN:9784106435485
粋で、ウィットに富んで、曲折のある、しかしどこまでも折り目正しい文章が綴られる。感覚、秩序、推理、情熱、道徳、儀式などを主題としながら、「痛い」とこをついてくる、真理についての苦いおとなの論理。
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『学問の方法』
ジャンバッティスタ・ヴィーコ【著】、上村忠男、佐々木 力【訳】
岩波書店(1987-07-16出版)
ISBN:9784003367216
理性と自己意識にもとづくデカルトの体系的な学問方法に異議をとなえ、(知性ではなく)記憶と想像力を、(知識ではなく)知恵と共通感覚を、(機械的思考ではなく)賢慮を対置したもうひとつの学問の宣言書。 |
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『文学ノート』
テーオドール・ヴィーゼングルント・アドル【著】、三光長治【訳】
イザラ書房(1978-08出版)
割り切れない論理、噛み切れない論理の緻密さ、現実の破れ目を取り繕うのではなくそれを突き抜けることをめざすこのエッセイ論は、破片の思考、非同一性の思考の側に立って、「通常の理性につきものの度しだたい幼稚さ」を撃つ。「方法的に非方法的」であろうとするこのエッセイ(試行)的思考は、近代的学問のオブセッションともいうべき方法主義と体系思考とにとり憑かれた精神を逆撫でする。
【絶版】 |
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『眼と耳―見えるものと聞こえるものの現象学』
ミケル・デュフレンヌ【著】、桟 優【訳】
みすず書房(1995-08-10出版)
ISBN:9784622030751
ブーレーズ、カンディンスキーなど現代芸術を主題に、耳(聴覚)の特性を軸に展開する美的経験の現象学。
(みすず書房・野登健記) |
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『イメージの奥底で』
ジャン=リュック・ナンシー【著】、西山達也、大道寺玲央【訳】
以文社(2006-04-15出版)
ISBN:9784753102464 |
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『イメージの哲学』
フランソワ・ダゴニェ、水野浩二【訳】
法政大学出版局(1996-10-12出版)
ISBN:9784588005435 |
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『生態学的視覚論―ヒトの知覚世界を探る』
ジェイムズ・ジェローム・ギブソン【著】、古崎 敬【訳】
サイエンス社(1985-04出版)
ISBN:9784781903934 |
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『「いき」の構造
他二篇』
九鬼周造【著】
岩波書店(2003-04-15出版)
ISBN:9784003314616
多くの哲学徒が「絶対無の自己限定」「絶対矛盾的自己同一」といった京都学派の概念にかぶれていた時代に、この男はもっとも権威的な学術雑誌「思想」で、柳腰や流し目、おくれ髪や抜き衣紋、左褄といった廓の風情を、幾何学的ともいえる強靱な形而上学の論理で分析した。「垢抜けして、張のある、色っぽさ」という感受性を。
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『胎児の世界―人類の生命記憶』
三木成夫【著】
中央公論新社(1983-05出版)
ISBN:9784121006912
椰子の実、妻のお乳、そして玄米の、いわば味以前の味にふれるところから始まり、母胎のなかで生命進化の全家庭をたどる胎児のその「おもかげ」をたどりながら、生命の深層に奥深く秘められた〈いのち〉の記憶に迫る。内臓の波動から岬の波打ち際まで、「食と性のけじめが消えるという異常事態」をもふくめて、ひとの生命をこんなに大きなスケールのなかで見つめた書物を、わたしは他に知らない。
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『人間の限界』
霜山徳爾【著】
岩波書店(1998-02出版)
ISBN:9784004120797
「『意味』が見出せなければ『限界』は哀しい姿をとる」と言う霜山が、享けること、吟味すること、賭けること、認められること、奪われること、立つこと、行き詰まること、誘われること、否むこと、祈ることといった、それを欠いたら〈たましい〉がもはや〈たましい〉としては倒れてしまうそういう境涯を、しみじみと語る。
【絶版】 |
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『分裂病と人類』
中井久夫【著】
東京大学出版会(1982-02出版)
ISBN:9784130020213
「人類はいくつかの本質的倒錯をへて人間となったのであり……この大木なる倒錯に比すればあるいは分裂病の『倒錯』など問題にならぬかも知れない」と言い切る精神科医、中井のその微分的思考は、予感・不安・願望に震える産業社会のなかの魂を、そのはるか〈外〉に設定された発光点から照らしだす。
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『ハイ・イメージ論』<第1巻><第2巻><第3巻>
吉本隆明【著】
筑摩書房
(第1巻:2003-10-08出版)
(第2巻:2003-11-10出版)
(第3巻:2003-12-10出版)
ISBN:
9784480088116、9784480088123、9784480088130 |
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