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| (1970年生。政治哲学。著書に『国家とは何か』(以文社)) |
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『監獄の誕生』
ミシェル・フーコー【著】、田村俶【訳】 新潮社(1977-09出版) ISBN:4105067036
すでに現代思想の古典となっている書物ですが、「規律権力」の概念がひとり歩きしてしまったことで、この本の内容はおそろしく単純化されて受け取られてしまっています。実際にはフーコーはこの本のなかで、近代社会における統治の戦略をトータルに把握しようと試みています。現代社会の権力状況を考えるうえで、細部にわたってつねに立ち返るべき書物です。
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『やくざ戦後史』
猪野健治【著】 筑摩書房(2000-02-09出版) ISBN:4480035486
ヤクザというと普通はたんなる無法な暴力集団というイメージしかないかもしれません。しかしそれは、現代社会の権力構造を考えるうえで、あまりに皮相な見方といわざるをえません。国家はみずからの目的のためにいかに非合法暴力を活用してきたのか、近代社会における公式的な権力と非公式的な権力の関係はどうなっているのか。本書はこうした問題を考えるうえで必読の書であり、またフーコー『監獄の誕生』第四部の分析とも響きあいます。
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『民営化される戦争―21世紀の民族紛争と企業』
本山美彦【著】 ナカニシヤ出版(2004-10-30出版) ISBN:4888489130
イラク戦争では戦争の民営化ということが話題になりました。ただし戦争の民営化によって国家の権力が小さくなっていくと考えることはできません。反対にそこにあるのは、国家が私的な暴力との関係を市場をつうじて再構築することでみずからの権力を増大させていくという事態です。この本は、現代世界の政治状況を、とりわけ国家(戦争)と資本主義(市場)の関係という観点から考えるうえで非常に参考になります。
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| (1980年渡米。以降ニューヨーク在住。画商、グラフィック・デザイナー、翻訳業を勤める。都市文化と現代アクティヴィスムについて和英両語にて執筆中。) |
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『T.A.Z.―一時的自律ゾーン』
ハキム・ベイ【著】、箕輪裕【訳】 インパクト出版会(1997-10-15出版) ISBN:4755400597
ここにアナーキズム、イスラム教神秘主義、カウンター・カルチャーの経験が濃縮され、ポスト産業社会の考察によって再文脈化され、独自の存在論に結晶した。回帰/反復する強度の自律空間である。今日の新しい運動は、多かれ少なかれこの志向の影響下にあると言っていい。またあくまでも「詩」として書かれた言葉の霊妙には比類がない。
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『全―世界論』
エドゥアール・グリッサン【著】、恒川邦夫【訳】 みすず書房(2000-05-16出版) ISBN:4622030888
三角貿易(=奴隷売買)によって形成された世界史に継承すべき遺産はあるか?ただ一つーー大陸的全体性に対するカリブ的「群島世界」の非中心性である。当書は、国語、民族、国民など、諸々の同一性が、かかる統一原理なき「全体?世界」に向かって身を開いてきた「クレオール化」の経験と哲学的・詩的思考の濃密な断片集である。
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『錯乱のニューヨーク』
レム・コールハース【著】、鈴木圭介【訳】 筑摩書房(1999-12-09出版) ISBN:4480085262
このヨーロッパ人建築家にとって、マンハッタンは、秩序なき資本主義の欲動に突き動かされた傍若無人でアナーキーな運動であった。当地に生きる民衆が生産する空間という視点を全く削除した上で、その諸相をあくまでもアイロニカルな芸術作品として描いている。この大きな問題性を含めた上でなお、ニューヨーク論として圧巻である。
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| (1965年生。社会思想。著書に『自由論』(青土社)、『暴力の哲学』(河出書房新社)他。) |
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『不和あるいは了解なき了解』
ジャック・ランシエール【著】、松葉祥一【訳】 インスクリプト(2005-04出版) ISBN:4900997099
現在、もっとも注目すべき政治思想・美学思想家であり、その政治思想的作業の系列における主著である。
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『一市民の反抗―良心の声に従う自由と権利』
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー【著】、山口晃【訳】 文遊社(2005-06-20出版) ISBN:4892570451
アメリカ合衆国には陰鬱で恐るべき暴力的側面と、どこまでも晴れやかで解放的な側面がある。おそらくソローが代表しているこの後者の要素を規定しているのが、世界構想としてのというよりも、エートスとしてのアナーキズムだろう。そしてそれは、アメリカのデモクラシーの核をなすものだが、しばしば見失われてしまうようにみえるものである。
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『プロレタリア文学とその時代』
栗原幸夫【著】 インパクト出版会(2004-01-25出版) ISBN:4755401364
日本の現状は1920年代から30年代、つまり戦争とファシズムの時代の直前に酷似している。共謀罪が制定されたとき、それは誇張ぬきに「ポストモダン」な治安維持法として機能するだろう。民衆とはなにか? 芸術と政治とはなにか? 戦争とファシズムへの予感のなかで、潰えてしまったもの、それと気づかれずに手渡されていったものとはなにか?
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| (1966年生。社会学。著書に『魂の労働 ネオリベラリズムの権力論』(青土社)。)
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『要塞都市LA』
マイク・デイヴィス【著】、村山敏勝・日比野啓【訳】 青土社(2001-04-21出版) ISBN:4791758781
ポストモダンの負の側面が全開となったロスアンジェルスでは、善と悪が不分明となり、社会福祉と警察機構が渾然一体となる。ストリートギャングとミッキーと怪しげなデヴェロッパーの同居が淡々とした筆致でつづられ、きわめてノワール。では、この東京は?
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『ブランドなんか、いらない―搾取で巨大化する大企業の非情』
ナオミ・クライン【著】、松島聖子【訳】 はまの出版(2001-05-31出版) ISBN:4893613251
ネオリベ的グローバル化とは、政治的なものがマーケティングの論理に切り詰められることを意味する。心地よいブランド空間を支える強烈な理不尽さを言語化できるかどうかこそが、グローバル化への抵抗に賭けられているのだということを教えてくれる。
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『マルチチュードの文法―現代的な生活形式を分析するために』
パオロ・ヴィルノ【著】、広瀬純【訳】 月曜社(2004-01-25出版) ISBN:4901477099
アレントやハーバーマスが前提とする<労働>と<活動>の伝統的二分法は、ポストフォーディズムにおいては無効となり、労働とコミュニケーションは一体化する。労働と非労働の区別は消滅し、まじめな労働とくだらない世間話との区別はなくなる。ポストフォーディズムにおける<人間の条件>を考えるために。
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| (1960年生。美学/政治思想。著書に『ジェンダー/セクシュアリティ』(岩波書店)他。)
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『政治から記号まで―思想の発生現場から』
フェリックス・ガタリ、粉川哲夫、杉村昌昭【著】 インパクト出版会(2000-05-02出版) ISBN:4755400988
運動(動く)と思想(考える)との稀有な関係を作り出しえた著者たちによる贅沢な一冊。また、80年代における運動=思考の世界同時代性(プロトオルタグローバリゼーション?)を考えるためにも重要。
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『カフカの恋人 ミレナ』
マルガレーテ・ブーバー・ノイマン【著】、田中昌子【訳】 平凡社(1993-11-15出版) ISBN:4582760252
著者の夫はコミンテルン幹部のドイツ共産党員だったが粛清され、彼女自身も強制収容所に入れられた。独ソ不可侵条約の後はドイツに引き渡され、やはり収容所に入れられる。そこで、カフカの元恋人ミレナと出会い、「収容所の時代としての20世紀」という構想を語り合う。アーレント『全体主義の起源』に着想を与えた一冊。
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『生物多様性の保護か、生命の収奪か―グローバリズムと知的財産権』
ヴァンダナ・シヴァ【著】、奥田暁子【訳】 明石書店(2005-11-30出版) ISBN:4750322342
インドのエコフェミニストによる、「知的所有権」の名のもとに行われるバイオパイラシー(生命資源の収奪)告発の書。生政治の現段階を知るために。
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| (1975年生。映画研究。共著に『映画/革命』(河出書房新社)他。)
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『ゴダール全評論・全発言<2> 1967-1985』
ジャン=リュック・ゴダール【著】、奥村昭夫【訳】 筑摩書房(1998-10-25出版) ISBN:4480873120
ゴダールのジガ・ヴェルトフ集団時代の発言を中心にまとめられた著作集の第二弾。世界同時性という時代状況のなかで提示された、映画と運動、映画と革命をめぐる刺激的な諸理論は、あまりに重要である。
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『ADIEU
A X(新装版)』
中平卓馬【著】 河出書房新社(2006-02-28出版) ISBN:4309268730
1960年代から現在に到るまで、最もラディカルに実践と理論、思想を突き詰める写真家・中平卓馬が、冷戦が崩壊する1989年に出した作品集。中平が様々に苦闘する軌跡は、世界のそれとイコールなのだ。
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『山谷(やま) やられたらやりかえせ』
山岡強一【著】 現代企画室(1996-01-13出版) ISBN:4773895179
寄せ場労働者の闘いから日本帝国主義を告発した映画『山谷』(85)撮影後に、右翼によって殺害された山岡強一の遺稿集。新自由主義下で、不安定階級が増え続ける現在、その闘いは何一つ終わっていないのだ。
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| (1974年生。フランス文学。共著に『ドゥルーズ 生成変化のサブマリン』(白水社)。) |
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『魔法使いの弟子―批評的エッセイ』
鈴木創士【編】 現代思潮新社(2006-04-25出版) ISBN:4329010178
歴史の流れに従うためにではなく、抵抗するためのジャーナリズム言語の使用法というものがあって、その稀有な実践が本書には収められている。それが鈴木氏の言う〈超越論的ジャーナリズム〉であり、それはかつて、使徒による福音の言説と呼ばれていたのだった。
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『暴力の考古学―未開社会における戦争』
ピエール・クラストル【著】、毬藻充【訳】 現代企画室(2003-08-25出版) ISBN:477380307X
戦争は交換にも贈与にも還元されない。それは一者を斜めに切り裂く暴力の対角線であり、切り裂かれた一者の斜面に抗して走り抜ける思考の絶対速度である。南米の森に潜むゲリラたちによる反権力としての暴力の使用に、私たちが学ぶところは未だ多い。
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『戦争と映画―知覚の兵站術』
ポール・ヴィリリオ【著】、石井直志・千葉文夫【訳】 平凡社(1999-07-15出版) ISBN:4582762956
日本語訳が待ち望まれるドゥルーズ『シネマ』と並走して読まれるべき一冊。スクリーンは戦場であり、客席は操縦席であり、私たちは航空兵である。戦争機械のバロック化・戦争的知覚の非物質性を消費・監視体制社会と同じ拡がりにおいて捉える本書を、今や非物質的労働論の先駆として読みなおす必要がある。
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| (1967年生。ジェンダー論。論文に「女性労働力の動員と動員の翌朝」(『現代思想 2005年1月号)他。) |
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『怒れる女たち―ANGRY
WOMEN』
アンドレア・ジュノー、V.ヴェイル【編】、越智道雄【訳】 第三書館(1995-07-25出版) ISBN:4807495259
スマイルとやらが0円で売買される昨今。ならば怒りに値段はつけられるだろうか。まして化物のような女たちのそれであれば。ブラック・フェミニスト、ベル・フックスやセックス・ワーカー&パフォーマーのアニー・スプリンクル、リィディア・ランチなどのインタビュー集。安く叩き売られたくなければ怒りを押し殺すべからず。
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『愛の労働』
ジョバンナ・フランカ・ダラ・コスタ【著】 インパクト出版会(1997-08出版) ISBN:4755400236
著者はVOL1号、粉川哲夫氏のインタビュー中に登場する、『家事労働に賃金を』の著者マリア・ローザ・ダラコスタの妹である。性と恋愛、この厄介かつ魅力的なしろものを、ネオリベラリズムが蔓延する今だからこそ、「労働である」と言い切ってみてはどうだろうか。
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『バカなヤツらは皆殺し』
ヴィルジニ・デパント【著】、稲松三千野【訳】 原書房(2000-05-11出版) ISBN:4562033053
映画、ベーゼ・モア(Baise-Moi)の原作。映画はその過激さゆえフランス国内で封切後、即上映禁止になった。セックス・ワーカーの女の子のピカレスク小説。女の子が暴力を手にすることの幸福と不幸、あるいは女の子にとっての暴動とは何かを考えさせる。暴力にも暴動にも性差が刻印されていることを想起せよ。
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| (1971年生。運動家。共著に、『無産大衆神髄』(河出書房新社)、『愛と暴力の現代思想』(青土社)。) |
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『象徴の貧困<1>ハイパーインダストリアル時代』
ベルナール・スティグレール【著】、ガブリエル・メランベルジェ;メランベルジェ眞紀【訳】 新評論(2006-04-25出版) ISBN:4794806914
「われわれ」あるいは「わたしたち」と、口にして言ってみる。おもいきって書いてみる。それはもっとも困難でありつつ、もっとも重要な実践である。ドゥルーズ/ガタリが言い放ったように、「われわれは一人でもわれわれだ」と言おう。きもちいい。
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『医学の暴力にさらされる女たち―イタリアにおける子宮摘出』
マリアローザ・ダラ・コスタ【編著】、勝田由美・金丸美南子【訳】 インパクト出版会(2002-11-30出版) ISBN:4755401259
資本主義の開発と「外部効果」は、人体に向かう。女性の子宮摘出手術に焦点を当てながら、人体に向けられた新自由主義の暴力を、怒りとともに告発する。痩身・豊胸・美容整形技術を想起しながら読むのがおすすめ。
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『スペクタクルの社会についての注解』
ギー・ドゥボール【著】、木下誠【訳】 現代思潮新社(2000-06-05出版) ISBN:4329010097
陰謀は、ある。しかし、自らの闘争を回避して訳知り顔になるための「陰謀論」は、いらない。闘いに赴くための積極的な陰謀論が、いま必要なのだ。対テロ戦争時代の戦闘バイブル。必携。
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