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『メノン』
プラトン【著】、藤沢令夫【訳】 岩波書店(2002-10-04出版) ISBN:4003360168
教えることの可能性と不可能性。その最も原理的問題がソクラテスの対話において浮かび上がる。知識はどう教えられるか。徳を教えることはできるのか。
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『希望の教育学』
パウロ・フレイレ【著】、里見実【訳】 太郎次郎社(2001-11-20出版) ISBN:4811806638
戦後最高の教育者であり教育学者が、絶望に生きる人々への教育をとおして「希望の教育学」を語る。
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『風姿花伝』
世阿弥【著】、野上豊一郎・西尾実【校訂】 岩波書店(2003-01-15出版) ISBN:4003300114
わが国の古典において最高にして最良の学び論と芸術論。世阿弥の提示する学びの作法と芸の技法は、教師の技法を見直すうえで現在も新鮮で魅惑的である。
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『生きる思想―反=教育/技術/生命』
イバン・イリイチ【著】、桜井直文【監訳】 藤原書店(1999-04-30出版) ISBN:489434131X
「脱学校論」で知られる著者の学びの思想と生きる思想。中世の神学思想研究を基盤として、イリイチは近代社会が創り出した学校の神話を脱構築しつつ学びの原点を抽出している。
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『学校と社会・子どもとカリキュラム』
ジョン・デューイ【著】、市村尚久【訳】 講談社(1998-12-10出版) ISBN:4061593579
経験としての学びと学びの共同体としての学校のデザイン。デューイの実験は、今日の日本の教師の実践と時を越えて直結している。
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『教育者アラン』
ジョルジュ・パスカル【著】、橋田和道【訳】 吉夏社(2000-05-20出版) ISBN:4907758030
デカルト主義のモラリストでありレジスタンス運動の中心的知識人、アランの教育哲学は、リベラル・アーツの教育(教養教育)の伝統のエッセンスをかみ砕いた言葉と思索で伝えてくれる。子どもに媚びない教育を求める教師には必読の書。
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『ライフヒストリーの教育学―実践から方法論まで』
アイヴァー・グッドソン;パット・サイクス【著】、高井良健一・山田浩之・藤井泰・白松賢【訳】 昭和堂(2006-05-20出版) ISBN:4812206170
教師のライフヒストリー研究は教師の人生の語りをとおして教育の真実へと接近するアプローチである。本書はライフヒストリーの方法論の叙述をとおして教職生活の襞と機微を認識させてくれる。
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『チョムスキーの「教育論」』
ノーム・チョムスキー【著】、寺島隆吉・寺島美紀子【訳】 明石書店(2006-02-10出版) ISBN:4750322660
ベトナム反戦運動から9.11以後の闘いまで、わが国では言語学者として知られる著者はラディカルな政治学者である。グローバリズムのもとでの教育闘争の指標がここにある。
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『授業入門』
斎藤喜博【著】 国土社 ISBN:4337454055
戦後民主主義教育が生み出した授業論と教師論のエッセンス。今日の教師が推進する教育改革は戦後直後の高い志を継承し復権しなければならない。
入手不可 |
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『教育/家族をジェンダーで語れば』
木村涼子・小玉亮子【著】 現代書館(2005-08-10出版) ISBN:476847912X
学校教育の中で再生産されるジェンダーの差別。その具体的様相とジェンダー研究の到達点を教師にわかりやすく提示する好著である。
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『子どもをはぐくむ授業づくり―知の創造へ』
秋田喜代美 岩波書店(2000-10-25出版) ISBN:4000264494
最新の教育研究の成果を織り込み、今教師が探求すべき授業と学びの姿を生き生きと描き出している。学びの心理学とケアの倫理学と教師の認識論の三つを基盤とすることにより、授業の理論がより包括的、実践的に発展しているのも魅力的である。
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『教育という文化』
J.S.ブルーナー【著】、岡本夏木・池上貴美子・岡村佳子【訳】 岩波書店(2004-02-25出版) ISBN:4000225294
ピアジェ、ヴィゴツキーという二人の偉大な発達心理学者の影に隠れているが、ブルーナーによる学びと認識の心理学も20世紀を代表する教育心理学の一つである。その集大成が「文化の心理学」を記した本書。ブルーナーは高齢になればなるほど冴えているところが凄い。
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『競争社会をこえて―ノー・コンテストの時代』
アルフィ・コーン【著】、山本啓・真水康樹【訳】 法政大学出版会(1994-06-15出版) ISBN:4588004360
学びにとって競争的環境と協力的環境のどちらが有効か。この問いをめぐって、アメリカの心理学者たちは100を越える実験的研究を蓄積してきた。それらの研究の要点を概説しつつ、学校教育の日常に浸透した「競争社会」の現実とそれを克服する教育実践の契機を叙述する。
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『記号としての文化―発達心理学と芸術心理学』
レフ・セミョーノヴィチ・ヴィゴツキイ【著】、柳町裕子・高柳聡子【訳】 水声社(2006-02-28出版) ISBN:4891765747
ヴィゴツキーの心理学は、授業と学びが文化的・社会的実践であることを基礎づけてくれる。協同的学びの心理学的基礎でもある。本書は彼の発達心理学と芸術心理学のエッセンスを提示する好著。ヴィゴツキーの代表作『思考と言語』(柴田義松訳 新読書社)との併読を奨める。
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『ヴィゴツキー入門』
柴田義松【著】 子どもの未来社(2006-03-30出版) ISBN:4901330608
若くして世を去った天才的心理学者ヴィゴツキーは「心理学のモーツァルト」と呼ばれている。その心理学の形成過程をコンパクトに概説した本書は、彼の発達心理学が文学、社会、芸術、政治の結節点において成立した模様を伝えてくれる。
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『個に応じた学習集団の編成』
J.アイルソン;S.ハラム【著】、杉江修治・石田裕久・関田一彦・安永悟【訳】 ナカニシヤ出版(2006-04-20出版) ISBN:4779500214
この数年、「習熟度別指導」が一挙に学校に浸透しているが、「習熟度別指導」は学力低下を招き、学力格差を拡大する危険性がある。本書は、イギリスにおける多角的な研究にもとづいて能力別指導の問題点と危険性について詳細に論じている。
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『ハーバート・リードの美学―形なきものと形』
デーヴィッド・シスルウッド【著】、上野浩道・西村拓生・池亀直子【訳】 玉川大学出版部(2006-03-31出版) ISBN:4472302918
ハーバート・リードの美学はこれまで、美術教育に多大な貢献をしてきた。本書はリードの芸術哲学を論じた好著であり、芸術教育への示唆が随所に溢れている。
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『テクノロジーと教育のゆくえ』
吉川弘之【著】 岩波書店(2001-10-30出版) ISBN:4000264532
科学技術立国を掲げ、世界に向かって「サステナブル(持続可能)な地球社会」を呼びかけている日本。その中心的指導者による科学教育論。「理科離れ」が叫ばれる今日、科学者と協同で教育のあり方を根元から問い直す必要に応えてくれる。
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『「わかり方」の探究―思索と行動の原点』
佐伯胖【著】 小学館(2004-08-01出版) ISBN:4098373602
学びを「納得」によって定義する著者は、子どもと教師の「わかり方」を豊富な知見と多くの実例によって説得的に論じている。著者の学びの認知心理学は学びの哲学でもある。
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『いま、教育基本法を読む―歴史・争点・再発見』
堀尾輝久【著】 岩波書店(2002-12-18出版) ISBN:4000221264
教育基本法の改正案が、先月、突如として閣議決定された。なぜ、教育基本法の改正が政治課題に浮上したのか。本書は、戦後教育改革における教育基本法成立の意義を再確認し、教育基本法を現在の教育改革に活かす指針を示しながら、改正論議の政治イデオロギーを批判している。
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『授業研究の歩み
1960-1995年』
稲垣忠彦【著】 評論社(1995-06-30出版) ISBN:4566051277
著者の30年間の「授業研究の歩み」は、全国各地の教師たちによる授業改革の歴史でもある。授業研究を核として学校改革を推進し教師の専門性を育む方略は、現在、ますます重要性を帯びている。著者の『教師教育の創造―信濃教育会教育研究所5年間の歩み』(近刊 評論社)も併せてお読み頂きたい。
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『義務教育を問いなおす』
藤田英典【著】 筑摩書房(2005-08-10出版) ISBN:4480062432
この数年、義務教育費国庫負担制度の改廃が、教育制度の中心的論題として政治的に議論されてきた。なぜ、国は教育財政の責任を負おうとしないのか。なぜ、文部科学省はこの制度の存続に生命線をかけているのか。本書は、これらの議論を整理し義務教育制度のあり方を提示した好著である。
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『日本の教育と基礎学力―危機の構図と改革への展望』
21世紀COEプログラム東京大学大学院教育学研究科基礎学力研究開発センター【編】 明石書店(2006-02-15出版) ISBN:4750322733
「学力低下」の実態をどう認識すればいいのか、「学力低下」に対して、教師と教育行政の関係者はどのように対応しているのか。また対応すべきなのか。本書は、錯綜する議論を実証的研究にもとづいて整理し、教師と教育行政関係者が取り組むべき課題を提示する。
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『教育基本法「改正」―私たちは何を選択するのか』
西原博史【著】 岩波書店(2004-02-05出版) ISBN:4000093150
教育基本法「改正」の危機が迫っている。平和と民主主義と平等という戦後教育の三つの大原則が否定され、国家中心の「公共性」と「国を愛する心」の教育への転換がはかられようとしている。本書は、法哲学の立場から教育基本法の意義を再評価し、現代の教育に生かす道を呼びかけている。
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『民主教育論―民主主義社会における教育と政治』
エイミー・ガットマン【著】、神山正弘【訳】 同時代社(2004-07-31出版) ISBN:4886835279
学校教育は民主的市民をどう形成できるのか。学校の民主主義はどのようにして形成され、どのように機能しているのか。学校改革に携わる研究者、教師、教育行政関係者にとって、「審議民主主義(deliberative
democracy)」を提唱する政治学者である著者の考察は鋭く有益である。 |
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『教育改革の社会学―市場、公教育、シティズンシップ』
ジェフ・ウィッティー【著】、堀尾輝久・久冨善之【監訳】 東京大学出版会(2004-01-20出版) ISBN:4130513079
グローバリゼーションによって日本を含む世界各国の教育改革は、地方分権化と規制緩和を推進し21世紀の学校への脱皮をはかろうとしている。本書はイギリスにおける保守的政治家たちが「新自由主義のイデオロギー」によって推進する改革を批判的に検討し、社会民主主義の思想による教育行政と学校改革の可能性を詳細に論じている。
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『フィンランドに学ぶ教育と学力』
庄井良信・中嶋博【編著】 明石書店(2005-08-15出版) ISBN:4750321648
OECD(経済開発協力機構)のPISA調査(国際学力調査)においてフィンランドは圧倒的優位を獲得しているが、その教育の優秀性は「平等(equality)」と「質(quality)」の同時追求にあると言われている。その具体的様相を本書は示している。
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『公共哲学とは何か』
山脇直司【著】 筑摩書房(2004-05-10出版) ISBN:448006169X
一連の新自由主義の政策により教育の公共性が危機に瀕している。著者は「公(国家を中心とする公共性)」と「公共(人々を中心とする公共性)」を区別し、「私」を活かすことを基礎とする新たな公共世界を形成する哲学を提示している。
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『教育の分配論―公正な能力開発とは何か』
宮寺晃夫【著】 勁草書房(2006-03-20出版) ISBN:4326250534
経済格差の拡大とともに教育格差の拡大が危惧されている。なぜ、教育の自由が教育の平等を破壊する結果を招くのだろうか。教育の自由が教育の平等を促進する方途はないのだろうか。本書は、リベラリズムの立場からネオ・リベラリズム(新自由主義)を批判的に考察し、教育の不平等を克服する政策哲学の所在を探索している。
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『保育者の地平―私的体験から普遍に向けて』
津守真【著】 ミネルヴァ書房(1997-05-15出版) ISBN:4623027422
教師(保育者)の実践の中核にあるのが、子どもの日々の活動の事実として学びと発達を省察するいとなみである。第一線の発達心理学者であると同時に優れた保育者でもある著者が子どもとの日々の関わりを書き留めた記録は、教師の「省察」の最も優れた典型の一つである。
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