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『吉本隆明 五十度の講演』ギネス認定&DVD『吉本隆明 語る』発売記念
「紀伊國屋書店スタッフによる『五十度の講演』徹底解剖!」インタビュー

【その6. 吉本さんを知る、おすすめ最初の3冊】


――ではここからは『声と言葉。』で吉本さんに初めて触れた方、吉本さんの本を少し読んでみたいという方におすすめの本をご案内していきたいと思います。
ではまずは小笠原さん、『声と言葉。』に関連したおすすめの本はありますか。

<『吉本隆明の声と言葉。』と併せて読みたいおすすめ3冊>


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小笠原
『声と言葉。』と一緒におすすめしたい本として、三木成夫さんの『胎児の世界』と『内臓のはたらきと子どものこころ (増補新装版)』、それから『最後の親鸞』を選んでみました。

まず、『最後の親鸞』。この本は『声と言葉。』が出てからずっと、ロングランで売れているんです。昨年年末からは、糸井さんが書いたメッセージを寄せたオビも付きましたし、『声と言葉。』を聞いて、吉本さんの本も読んでみたい、という方にはおすすめできると思います。
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小笠原
実は『声と言葉。』、私は音だけではちょっとよく分からなかったので、糸井さんが解説をしているブックレットをざっと読んでから聞いていきました。そうしたら、三木成夫さんについての「お母さんのおなかの中で、赤ちゃんが生き物の進化を遂げている」という話がとても面白かったんです。

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小笠原
『胎児の世界』は人間の身体の成り立ちについて、とても考えさせられる本。
『内臓のはたらきと子どものこころ (増補新装版)』は、特にお子さんのいる方におすすめで、糸井事務所さんでは子供が生まれると必ず、糸井さんからこの本がプレゼントされるそうです。この2冊は五階でも定番でずっと売れている本なのですが、ここから吉本さん以外の方にも興味が広がっていくんじゃないかな、と思います。


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書籍 最後の親鸞』(吉本隆明、筑摩書房、税込1,050円)
ISBN:9784480087096
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書籍 胎児の世界』(三木成夫、中央公論新社、税込735円)
ISBN:9784121006912
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書籍 内臓のはたらきと子どものこころ (増補新装版)
(三木成夫、築地書館、税込1,470円)
ISBN:9784806745662
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<「吉本さんの本、どこから読もう」という方におすすめ。小笠原の選ぶ三冊>


――『声と言葉。』や「ほぼ日」さんのコンテンツに触れて、「吉本さん、面白そうだけど、本は難しそうでどこから読めばいいか分からない」と思ってらっしゃる方、多いと思います。そういう方におすすめできる本はありますか?


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小笠原
私自身が吉本さん初心者だったので、今日は、「吉本さんてどういう方だろう?」という方におすすめの本を持ってきました。
この三冊、昨年フェアをやっていたときもよく売れていましたし、私自身、フェアの本を選ぶときはずいぶん参考にした本です。

インタビュー写真
小笠原
まず、『吉本隆明 自著を語る』です。タイトルの通り吉本さんが自著について語っていらっしゃっるので、吉本さんがどこでどんなことを書いているのか、というガイドブックとして読むことができます。吉本さん、『五十度の講演』では非常にいろいろな話をされているのですが、なんでこんなに色々な話をしているのかというのが、これを読むとなんとなく分かってくるんです。
それからこの本、ロッキング・オン渋谷陽一さんが、人生の師匠と仰ぐ吉本さんにインタビューしたもので、そのインタビューもおすすめのポイントの一つですね。

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小笠原
次は『Kawade夢ムック 吉本隆明 』。吉本さんへのインタヴューあり、鶴見俊輔さん、芹沢俊介さんといった方たちが吉本さんについて書いた文章あり、とても充実したムックです。皆さんが書かれている文章から、「吉本さんてこういう人なんだ」というのが見えてくると思います。

大籔
このムック、個人的には遠藤ミチロウさんの文章が入っているのがポイントです(笑)。


小笠原
最後は『吉本隆明に関する12章』です。この本では、色々な方が吉本さんをさまざまなテーマとセットで語っていきます。
たとえば「吉本さんとマンガ」、「吉本さんとファッション」という感じなのですが、身近なテーマが多いので自分の興味のある部分を入口にして、吉本さんの考え方に触れていくことができます。新書で手に取りやすいのも魅力ですね。

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書籍 吉本隆明 自著を語る』(吉本隆明、ロッキング・オン、税込1,680円)
ISBN: 9784860520663
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書籍 Kawade夢ムック 吉本隆明 ― 詩人思想家の新たな全貌』(河出書房新社、税込1,200円)
ISBN: 9784309976730
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書籍 吉本隆明に関する12章』(齋藤愼爾【編】、洋泉社、税込861円)
ISBN: 9784862481450
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<吉本さんのエッセンスがぎっしり詰まった、大籔さんおすすめ最初の三冊>


――では、次は大籔さんの選ぶ吉本さんセレクション。大籔さんには『五十度の講演』レビューでもそれぞれの講演と一緒に読みたい本、連想が広がっていく本をたくさんお勧めしていただいていますが、今日はあえて初心者の方向けに厳選して三冊、絞りに絞ってお願いします!


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大籔
分かりました(笑)。では、今日はこの三冊で行きましょう!

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大籔
まず最初の『ひきこもれ』。ここでは吉本さん、「一人であるととか孤独とかってことは、別に悪いことじゃないんだよ」ということを言ってらっしゃいます。「他人とのつながり方は人それぞれ」というくだりがあったりして「別に良いんじゃないの、自分なりにやってれば」と、気持ちをふっと楽にしてくれる本ですね。

昨年の講演で、今度DVDにもなる「芸術言語論」は冒頭「1945年8月15日……」と終戦の日の話から始まるのですが、この本にも小さい頃のご自身のお話や、戦争の話が結構入っていまして、吉本さんという人はやっぱりずっとあの戦争のことを考えているんだなぁ、と感じました。

とても読みやすくて、吉本さんの考え方、人となりがとてもよくわかる本です。「吉本さんて難しそう」と思っている方には、ぜひ読んでみてほしいですね。

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大籔
二つ目は『日本近代文学の名作』。
『五十度の講演』や『芸術言語論』に収められている吉本さんのお話にはたくさんの作家さんや詩人さんが出てきます。ですが、この本ではそう長くなく、10ページぐらいで一人の作家、一つの作品について論じられています。文学作品のブックガイドでもありますが、「文芸評論家 吉本隆明」のエッセンスが詰まった本です。
名作と言われる文学作品への吉本さんの評論は、「あぁ、そこに目をつけるのですね、吉本さん」という発見があって、非常に面白いです。

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大籔
最後は『今に生きる親鸞』。
これは、いわば「思想家 吉本隆明」の入門になりうる本だと思います。
『最後の親鸞』が若い頃に書かれた本であるのに対して、吉本さんがずっと付き合ってきた親鸞について、今、改めて何を言えるだろうかと書き下ろされた本です。
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大籔
この本では、親鸞を通じて、吉本さん自身の倫理観、「正しいこと」、「悪いこと」といった考え方に触れることができます。
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書籍 ひきこもれ』(吉本隆明、大和書房、税込599円)
ISBN:9784479300663
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書籍 日本近代文学の名作』(吉本隆明、毎日新聞社、税込1,575円)
ISBN: 9784620315157
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書籍 今に生きる親鸞』(吉本隆明、講談社、税込777円)
ISBN: 9784062720892
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2009/07/22

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インタビューは【その7.「芸術言語論」DVD化!『吉本隆明 語る』】に続きます。


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