書物復権2016

2016年の復刊投票リクエストは2月末日をもって締め切りました。2016年復刊書は、4月中旬頃にお知らせいたします。

哲学・思想・言語・宗教 | 社会 | 歴史・民俗 | 文学・芸術
法律・経済・政治 | 自然科学・医学

チェック No 書名 著者名 初版・版型・頁・予価 出版社
内 容
哲学・思想・言語・宗教
1イエスの時大貫隆初版2006・最終版2008年 ◆四六判 ◆280頁 ◆予価4212円(本体3900円)岩波書店
古代人イエスが抱いたイメージ・ネットワークの形成と破裂──終末と救済のヴィジョンを時間の宗教哲学として論じる、書下しイエス論。
2聖書を発見する本田哲郎初版2010・最終版2013年 ◆四六判 ◆294頁 ◆予価3672円(本体3400円)岩波書店
虐げられ、社会の片隅に追いやられている者たちをとおして、神は働く──聖書のテクストに寄り添いつつ、独自の「選びの神学」を展開する。
3文化としての他者ガヤトリ・C.スピヴァック/鈴木聡、大野雅子、鵜飼信光、片岡信訳初版1990・最終版2001年 ◆四六判 ◆440頁 ◆予価4104円(本体3800円)紀伊國屋書店
社会に潜在する権力構造を暴き出した刺激的な論文集。批評・思想家として確固たる地位を築き上げ、2012年に京都賞を受賞した著者の初の邦訳書。
4資本主義に徳はあるかアンドレ・コント=スポンヴィル/小須田健、C.カンタン訳初版2006・最終版2007年 ◆四六判 ◆312頁 ◆予価2700円(本体2500円)紀伊國屋書店
モラルまでもが金儲けの種になる資本主義社会――いったい、なにがどこまで許されるのか? 仏哲学の旗手が〈四つの秩序〉という視点から分析する。
5ワイマールからヒトラーへ 第二次大戦前のドイツの労働者とホワイトカラーエーリッヒ・フロム/佐野哲郎、佐野五郎訳初版1991・最終版1991年 ◆四六判 ◆450頁 ◆予価5940円(本体5500円)紀伊國屋書店
なぜヒトラーの台頭は許されたか――ナチス政権への移行前夜の市民アンケートを分析し、その生活と政治的志向をデータから明らかにした貴重な記録。
6構造意味論 方法の探究A.J.グレマス/田島宏、鳥居正文訳初版1988・最終版1988年 ◆A5判 ◆384頁 ◆予価6480円(本体6000円)紀伊國屋書店
意味の構造的把握という難題に取り組み、言語学関係者のみならず多くの知識人を魅了した、記号論の古典的著作。
7認知意味論 言語から見た人間の心ジョージ・レイコフ/池上嘉彦、河上誓作ほか訳初版1993・最終版2003年 ◆A5判 ◆800頁 ◆予価9720円(本体9000円)紀伊國屋書店
言語学にとどまらず人文科学のあり方そのものに大きな影響を与え、認知科学においても重要な書となった、認知言語学の創始者による記念碑的大著。
8詩と認知ジョージ・レイコフ、マーク・ターナー/大堀俊夫訳初版1994・最終版1994年 ◆A5判 ◆272頁 ◆予価4320円(本体4000円)紀伊國屋書店
認知言語学を確立した泰斗レイコフと文学理論家ターナーによる、詩作品分析の書。古今東西の詩から日常の諺まで、その隠喩の構造を解明する。
9クワイン 言語・経験・実在Ch.フックウェイ/浜野研三訳初版1998・最終版1998年 ◆四六判 ◆440頁 ◆予価4536円(本体4200円)勁草書房
戦後のアメリカで最も影響力のある哲学者クワインの仕事を紹介。言語哲学、心の哲学、形而上学などをめぐる論争を知りたい人の必読書。
10カント 新装版岩崎武雄初版1997・最終版2011年 ◆四六判 ◆312頁 ◆予価3564円(本体3300円)勁草書房
カント哲学はなぜ偉大な哲学であるのか。主著『純粋理性批判』を中心に、その思想を現代的意義においてとらえる。
11フーコーと教育 〈知=権力〉の解読S.J.ボール編著/稲垣恭子、喜名信之、山本雄二監訳初版1999・最終版2000年 ◆A5判 ◆288頁 ◆予価4860円(本体4500円)勁草書房
規律・訓練、試験を通して「知=権力」社会の出現を透視する。フーコーに拠る教育への系譜学的アプローチ。
12教育思想のフーコー 教育を支える関係性田中智志初版2009・最終版2009年 ◆四六判 ◆292頁 ◆予価3456円(本体3200円)勁草書房
規律化の論難ばかりとのフーコー評価に抗う。倫理的に自由な生に寄り添う自己創出の支援、新しい「道」をつくり歩むことを彼は問う。
13カバラ ユダヤ神秘思想の系譜箱崎総一初版2007・最終版2007年 ◆四六判 ◆462頁 ◆予価3024円(本体2800円)青土社
西欧思想の根底に横たわる「カバラ」を、聖典『ゾハル』 によって解き明かし、現代精神医学成立の根拠ともなったその内的宇宙を検証する。
14生きられた家 経験と象徴多木浩二初版1984・最終版2000年 ◆四六判 ◆242頁 ◆予価2376円(本体2200円)青土社
〈家〉を住むだけの〈容器〉としてではなく、複合する〈テキスト〉として捉え、投影された社会・文化の多義性と人間存在の混沌を見極める現象学。
15錬金術の世界ヨハンネス・ファブリキウス/大瀧啓裕訳初版1995・最終版1995年 ◆菊判 ◆701頁 ◆予価5033円(本体4660円)青土社
古代・中世を経て現代に至る、ヨーロッパ文明の地下水脈に、人類の秘められた、夢と象徴の元型をさぐる。錬金術研究の決定版。
16経験と言語黒田亘初版1975・最終版2001年 ◆A5判 ◆328頁 ◆予価6264円(本体5800円)東京大学出版会
ヴィトゲンシュタインの言語分析を媒介として、経験主義哲学の批判と再構成を試みる。
17知識と行為黒田亘初版1983・最終版2001年 ◆A5判 ◆378頁 ◆予価6912円(本体6400円)東京大学出版会
言語行為という概念を軸として、認識と行為の統一的な把握をめざす野心作。
18テクノコードの誕生 コミュニケーション学序説ヴィレム・フルッサー/村上淳一訳初版1997・最終版1997年 ◆四六判 ◆320頁 ◆予価4320円(本体4000円)東京大学出版会
文字文化終焉後のコミュニケ―ションを人間の側にとり戻すための思想の企て。
19意味に餓える社会ノルベルト・ボルツ/村上淳一訳初版1998・最終版2004年 ◆四六判 ◆312頁 ◆予価4320円(本体4000円)東京大学出版会
〈生きる意味〉〈自分らしさ〉──私たちはなぜ〈意味〉を冷笑しながら欲しつづけるのか? ボルツが近代以降の社会の基底音をきく。
20世界コミュニケーションノルベルト・ボルツ/村上淳一訳初版2002・最終版2003年 ◆四六判 ◆320頁 ◆予価4320円(本体4000円)東京大学出版会
ネット、ケータイ、実体のない情報のネットワークが「世界」を僭称する──ボルツが自身の思索を語りながらこの時代を描出し、生きる知を体現する。
21社会学 社会化の諸形式についての研究(上)ゲオルク・ジンメル/居安正訳初版1994・最終版2006年 ◆A5判 ◆417頁 ◆予価5940円(本体5500円)白水社
上下関係・闘争・社交・秘密結社など、多様な歴史的・社会的過程から抽出された「社会化の形式」の微視的な分析、「形式社会学」を確立した名著の完訳。
21-2社会学 社会化の諸形式についての研究(下)ゲオルク・ジンメル/居安正訳初版1994・最終版2005年 ◆A5判 ◆412頁 ◆予価5940円(本体5500円)白水社
上下関係・闘争・社交・秘密結社など、多様な歴史的・社会的過程から抽出された「社会化の形式」の微視的な分析、「形式社会学」を確立した名著の完訳。
22貨幣の哲学(新訳版)ゲオルク・ジンメル/居安正訳初版1999・最終版2008年 ◆A5判 ◆592頁 ◆予価10800円(本体10000円)白水社
貨幣論の哲学的基礎づけに終始することなく、貨幣を手がかりとして近代社会の構造と文化の核心に迫る。ジンメルの多面的思索が縦横に展開された畢生の大作。
23橋と扉ゲオルク・ジンメル/酒田健一、熊沢義宣、杉野正、居安正訳初版1976・最終版1998年 ◆四六判 ◆328頁 ◆予価3888円(本体3600円)白水社
「生と哲学」「歴史と文化」「宗教」「美と芸術」「歴史的人物像」「社会」の6部からなる、最盛期ジンメルの思索活動の結実ともいえるエッセイ集。
24時代おくれの人間 第二次産業革命時代における人間の魂(上)ギュンター・アンダース/青木隆嘉訳初版1994・最終版1994年 ◆四六判 ◆432頁 ◆予価4860円(本体4500円)法政大学出版局
環境破壊、核の脅威、マスメディアの大衆支配など、危機的状況にさらされた人類を覆うニヒリズムの根源に迫り、黙示録的破滅を免れるための方法的エチカを探る。
24-2時代おくれの人間 第三次産業革命時代における人間の魂(下)ギュンター・アンダース/青木隆嘉訳初版1994・最終版1994年 ◆四六判 ◆546頁 ◆予価5832円(本体5400円)法政大学出版局
第三次産業革命後の労働と消費生活における人間疎外の状況を洞察し、技術の専制支配による新たな全体主義の形而上学的根拠を暴いて変革のための指針を提示する。
25見えないものを見る カンディンスキー論ミシェル・アンリ/青木研二訳初版1999・最終版1999年 ◆四六判 ◆248頁 ◆予価3240円(本体3000円)法政大学出版局
〈生の現象学〉の立場からカンディンスキーの絵画作品とその抽象絵画論を入念に考察し、人間の形而上学的認識能力に絵画の本質を探りつつ、芸術創造の秘密に迫る。
26身体の哲学と現象学 ビラン存在論についての試論ミシェル・アンリ/中敬夫訳初版2000・最終版2000年 ◆四六判 ◆406頁 ◆予価5184円(本体4800円)法政大学出版局
意識の根本に〈身体〉を据えたメーヌ・ド・ビランとの対話を通して生の哲学を基礎づける。主観性が身体と不可分のものであることを示してビラン哲学を蘇らせる。
27ヘーゲル哲学の根源 『精神現象学』の問いの解明山口誠一初版1989・最終版1989年 ◆A5判 ◆317頁 ◆予価7020円(本体6500円)法政大学出版局
『精神現象学』を、ヘーゲル哲学の根源的な問いを中核に据えた書として解釈して、その哲学のもっとも単純な原型に迫ることを課題とする。
28内的時間意識の現象学エドムント・フッサール/立松弘孝訳初版1967・最終版2000年 ◆A5判 ◆248頁 ◆予価4860円(本体4500円)みすず書房
現象学の創始者が時間について初めて本格的に考察する。同時性と継続という問題の解決のため、主観的な時間意識や内在的な意識体験の時間性を分析。
29テクストの快楽ロラン・バルト/沢崎浩平訳初版1977・最終版2004年 ◆四六判 ◆168頁 ◆予価3888円(本体3600円)みすず書房
批評家バルトの精神の冒険。「快楽」という捉えがたい対象について、様々な断章から構成。意味に執着する「批評」から、「読書」のエロティスムへ。
30S/Zロラン・バルト/沢崎浩平訳初版1973・最終版2004年 ◆A5判 ◆330頁 ◆予価8100円(本体7500円)みすず書房
バルザック『サラジーヌ』の主人公二人のイニシャル、SとZ。テキストを意味作用をもたらす最小単位に分断し、機能の記述からその多義性を論じる。
31モードの体系ロラン・バルト/佐藤信夫訳初版1972・最終版2004年 ◆A5判 ◆464頁 ◆予価9180円(本体8500円)みすず書房
ファッション・ジャーナリズムによる記述を通じて、モードのなかに存在する体系を明るみへ出す。人間は衣服と言葉からどのように意味を作るのか。
32中国の伝統思想島田虔次初版2001・最終版2001年 ◆四六判 ◆472頁 ◆予価5184円(本体4800円)みすず書房
「儒教における生けるもの」を追求し、「未来を紡ぐ」思想と考えた思想史家の著作。中国像の全体、再発見した思想史の黄金時代「明末清初」論など。
33破られた契約R.N.ベラー/松本滋、中川徹子訳初版1983・最終版1998年 ◆四六判 ◆300頁 ◆予価3456円(本体3200円)未來社
建国の宗教的アイデンティティをなした神との契約を見すえ、現代アメリカ社会の苦難の原因を聖なる契約の破棄にあるとする市民宗教論。
34カントと永遠平和J.ボーマン、M.ルッツ-バッハマン編/紺野茂樹、田辺俊明、舟場保之訳初版2006・最終版2006年 ◆A5判 ◆262頁 ◆予価3456円(本体3200円)未來社
アメリカ、ヨーロッパの第一線の思想家たちが寄稿したカント論集。マーサ・ヌースバウム、ユルゲン・ハーバーマス、トーマス・マッカーシー他。
35アンチ・ソシュールレイモンド・タリス/村山淳彦訳初版1990・最終版1995年 ◆四六判 ◆488頁 ◆予価5184円(本体4800円)未來社
バルト、ラカン、デリダをフランス・ポスト構造主義の急先鋒と見たて、そのアメリカ現代思想・文学理論シーンへの浸透を過激に批判する大著。
36ジェイムスン、アルチュセール、マルクスウィリアム・C.ダウリング/辻麻子訳初版1993・最終版1993年 ◆四六判 ◆208頁 ◆予価3024円(本体2800円)未來社
フレドリック・ジェイムスンの記念碑的名著『政治的無意識』の難解な思想構造を、アルチュセール、マルクスの思想に遡及しながら平明に解説・解読する。
37虚構の音楽フィリップ・ラクー=ラバルト/谷口博史訳初版1996・最終版1996年 ◆四六判 ◆294頁 ◆予価3780円(本体3500円)未來社
ワーグナーに魅了されつつも抵抗したボードレール、マラルメ、ハイデガー、アドルノの言説から、ナチズムにも通じる全体芸術作品を脱構築する。
38批判と危機ラインハルト・コゼレック/村上隆夫訳初版1989・最終版1989年 ◆四六判 ◆340頁 ◆予価4104円(本体3800円)未來社
米ソ対立の国家の時代を背景に生み出された市民社会が世界の危機をもたらす啓蒙の必然性を歴史哲学的に批判した市民社会論の古典的名著。
39パーリアとしてのユダヤ人ハンナ・アレント/寺島俊穂、藤原隆裕宜訳初版1989・最終版2002年 ◆四六判 ◆256頁 ◆予価3024円(本体2800円)未來社
自らのユダヤ人性を賭けて論じた迫真のユダヤ人論。パーリアとは追放者、被抑圧者の意であり、ユダヤ人の苦難の歴史を内側の目から見直す。
40社会変革と宗教倫理R.N.ベラー/河合秀和訳初版1973・最終版1985年 ◆A5判 ◆400頁 ◆予価5184円(本体4800円)未來社
宗教と近代化の関係を諸宗教・諸地域それぞれにおいて論じ、宗教社会学的方法を確立する。『信条を超えて』から11論文を収める。
41日本キリシタン史の研究五野井隆史初版2002・最終版2002年 ◆A5判 ◆408頁 ◆予価9720 円(本体9000円)吉川弘文館
中世末期、短期間に多くの日本人が新しい宗教を受け入れたのは何故か。布教の実態を克明に追究し、キリシタンの光と影の歴史を解明。
社会
42性と文化の革命W.ライヒ/中尾ハジメ訳初版1969・最終版1993年 ◆四六判 ◆336頁 ◆予価4320円(本体4000円)勁草書房
性の置かれた普遍的な状態と、長年にわたる性経済の医学的経験から生まれたライヒの性社会学。フロムやマルクーゼの先駆をなす人間解放の理論。
43アジア宗教の基本的性格M.ウェーバー/池田昭、山折哲雄、日隈威徳訳初版1970・最終版1988年 ◆四六判 ◆288頁 ◆予価4320円(本体4000円)勁草書房
難解で知られるウェーバーの宗教社会学論集第二巻『ヒンドゥー教と仏教』第三章の邦訳。アジア諸地域に形成された諸宗派の特質を分析する。
44接近遭遇上野千鶴子初版1988・最終版1988年 ◆四六判 ◆330頁 ◆予価4104円(本体3800円)勁草書房
上野千鶴子対談集。異性と話すのが好き、という著者が、九人の男たちと乗り出す冒険の航海。これは異文化との幸福なニアミスの記述である。
45福祉国家への歩み イギリスの辿った途モーリス・ブルース/秋田成就訳初版1984・最終版1991年 ◆四六判 ◆582頁 ◆予価6480円(本体6000円)法政大学出版局
奉仕と慈善から国家の責任へ――16世紀以来の「救貧法」の時代を経て「福祉国家」とよばれるに至ったイギリスの歩みを、人びとの意識、政策、行政の変遷に辿る。
46近代日本交通史 明治維新から第二次大戦まで廣岡治哉編初版1987・最終版1992年 ◆四六判 ◆308頁 ◆予価4104円(本体3800円)法政大学出版局
近代化と交通、国鉄の分割・民営化、21世紀の交通、を考えるための、初の総合的通史。
47医とからだの文化誌中川米造初版1993・最終版1993年 ◆四六判 ◆320頁 ◆予価4104円(本体3800円)法政大学出版局
東西の風俗の世界を渉猟し、医療と身体にまつわる古人のさまざまな試行錯誤の過程に人間観・文明観の変遷をたどり、広範な視野から医の原点を問いなおす。
48イングランド18世紀の社会ロイ・ポーター/目羅公和訳初版1996・最終版1996年 ◆四六判 ◆630頁 ◆予価7560円(本体7000円)法政大学出版局
ジョージ王朝の世紀の特異性と多様性、社会の秩序、権力と政治と法律、人々の生活、産業革命への変貌など、社会構造と社会活動、社会と政治の相互作用を分析する。
49新装版 世論と群集ガブリエル・タルド/稲葉三千男訳初版1964・最終版2006年 ◆四六判 ◆268頁 ◆予価3024円(本体2800円)未來社
「公衆と群集」「世論と会話」「犯罪群集と犯罪結社」の三篇を収録。集団論やコミュニケーション論の必読文献。フーコーなど現代思想の源流に位置する古典。
50サブカルチャーディック・ヘブディジ/山口淑子訳初版1999・最終版2003年 ◆四六判 ◆252頁 ◆予価3024円(本体2800円)未來社
本来低劣、浮薄とされてきたサブカルチャーに文化の活力を見出し、パンク、レゲエ、ビート族といった流行の尖端的な現象に記号論的分析を加える。
歴史・民俗
51ハーバート・ノーマン 人と業績加藤周一編初版2002・最終版2002年 ◆四六判 ◆280頁 ◆予価3240円(本体3000円)岩波書店
日本の近世近代史研究に偉大な足跡を残した悲劇の歴史家=外交官の全体像を再構成すべく、主要な人物論・業績論を収める基本図書。
52江戸にフランス革命を!橋本治初版1990・最終版1992年 ◆四六判 ◆458頁 ◆予価2376円(本体2200円)青土社
「江戸がなんだか分からないのは、結局、江戸が“江戸している”という様式の中にあるからでしょうね」江戸と現代を繋ぐ画期的論考。
53中世禅宗史の研究今枝愛真初版1970・最終版2001年 ◆A5判 ◆558頁 ◆予価8100円(本体7500円)東京大学出版会
平安末、覚阿によりもたらされた南宗禅は、以来綿々とその法脈を絶やすことなく栄えていく。史・資料を駆使し禅宗史の未開拓分野に光を当てる。
54明治憲法体制の確立 富国強兵と民力休養坂野潤治初版1971・最終版2004年 ◆A5判 ◆260頁 ◆予価6264円(本体5800円)東京大学出版会
藩閥政府の富国強兵政策は1889年の憲法発布と90年の議会開設を契機に転換を迫られた。帝国憲法下の議会の存在は無力なものだったのか。
55薄闇のローマ世界 嬰児遺棄と奴隷制本村凌二初版1993・最終版1994年 ◆A5判 ◆224頁 ◆予価5184円(本体4800円)東京大学出版会
パピルス文書、碑文史料等を人口動態理論にもとづき分析することで、ローマ世界における嬰児遺棄の実態を解明する。サントリー学芸賞受賞
56明恵 遍歴と夢奥田勲初版1978・最終版1998年 ◆四六判 ◆330頁 ◆予価4320円(本体4000円)東京大学出版会
高山寺の創建者、明恵自筆の夢記を含む、おびただしい高山寺所蔵文書を丹念にたどって、明恵の生涯、その人と思想を描出する。
57アメリカの奴隷制と自由主義辻内鏡人初版1997・最終版2001年 ◆A5判 ◆368頁 ◆予価7344円(本体6800円)東京大学出版会
19世紀アメリカにおける奴隷制廃止運動の歴史を、自由主義思想の変転との関わりのなかでとらえ、一次史料の分析を通して描き出す。
58民営化の政治過程 臨調型改革の成果と限界飯尾潤初版1993・最終版1993年 ◆A5判 ◆336頁 ◆予価5832円(本体5400円)東京大学出版会
80年代日本政治の焦点であった行政改革、特に国鉄・電電民営化を分析し、その成果と限界を明らかにする。
59古代ギリシア・ローマの飢饉と食糧供給ピーター・ガーンジィ/松本宣郎、阪本浩訳初版1998・最終版1998年 ◆A5判 ◆420頁 ◆予価7992円(本体7400円)白水社
人類にとって最も切実な食糧問題、古代の人々はこれにいかに対処したか。多くの史料をもとに、古代の飢饉の実態と食糧供給のメカニズムを解明する。
60ローマの愛ピエール・グリマル/沓掛良彦、土屋良二訳初版1994・最終版1994年 ◆四六判 ◆416頁 ◆予価4644円(本体4300円)白水社
古典学者、ラティニストとして令名ある著者が、恋愛観から政治との複雑な絡み合いまで、様々な側面からローマ人の愛の諸相をみごとに描きだした代表的名著。
61ジャンヌ・ダルク復権裁判レジーヌ・ペルヌー/高山一彦訳初版2002・最終版2004年 ◆四六判 ◆370頁 ◆予価4104円(本体3800円)白水社
英雄か異端か。少女を火刑に処して25年、その正当性を問い直す裁判の中で、幼年期や最期の姿、前判決を破棄するに至った様子を描く第一級資料。
62守護領国支配機構の研究今谷明初版1986・最終版1997年 ◆A5判 ◆518頁 ◆予価9720円(本体9000円)法政大学出版局
南北朝・室町期の畿内近国における管国組織の復原を企て、守護所・郡代役所等の配置、守護・守護代・郡代らの補任沿革を精細に考証し、守護領国制概念の復権を説く。
63チャーチル ロバート・ペイン/佐藤亮一訳初版1993・最終版1993年 ◆四六判 ◆424頁 ◆予価4860円(本体4500円)法政大学出版局
現代史の巨人・チャーチル90年の生涯を跡づけ、政治家としての勝利と敗北、栄光と悲哀を、人間としての正と負を余すところなく描いて〈偉大さ〉とは何かを問う。
64歴史・レトリック・立証カルロ・ギンズブルグ/上村忠男訳初版2001・最終版2004年 ◆四六判 ◆224頁 ◆予価4104円(本体3800円)みすず書房
歴史(ヒストリー)は虚構(フィクション)なのか。過去の出来事は、復元できないのか。ニーチェからフローベールまで、表象と真実をめぐる論集。
65十二世紀ルネサンスC.H.ハスキンズ/別宮貞徳、朝倉文市訳初版1989・最終版2007年 ◆四六判 ◆408頁 ◆予価3780円(本体3500円)みすず書房
ラテン中世に花開いたルネサンス。修道院や大学でギリシア、アラビアの哲学、科学を探究する精神生活から、遊歴書生の世界まで、その諸相を描く。
66明治新聞雑誌関係者略伝 明治大正言論資料20宮武外骨、西田長壽初版1985・最終版1985年 ◆菊判 ◆330頁 ◆予価13608円(本体12600円)みすず書房
宮武外骨による『日本古書通信』への10年に及ぶ連載を元に改稿。活字メディアの黎明期、明治のジャーナリズム研究の基礎となる約2500人の略伝。
67中江丑吉書簡集鈴江言一、伊藤武雄、加藤惟孝編初版1964・最終版1984年 ◆四六判 ◆476頁 ◆予価14256円(本体13200円)みすず書房
中江兆民の子であり1915年から1942年死去間際まで北京に居住した、中国思想研究者の書簡集。西園寺公望や阪谷芳直他に宛てた近代史の重要資料。
68宗教改革から産業革命へクリストファ・ヒル/浜林正夫訳初版1970・最終版1992年 ◆A5判 ◆380頁 ◆予価6264円(本体5800円)未來社
イギリス革命史研究の第一人者が30年余の研究成果を総括し、近代社会成立史に新鮮な問題提起を行なう。訳者のヒル論を付戴する。
69陰陽師と貴族社会繁田信一初版2004・最終版2004年 ◆A5判 ◆352頁 ◆予価9720円(本体9000円)吉川弘文館
平安貴族は、陰陽師や呪術をどのように認識していたのか。安倍晴明ら官人陰陽師や法師陰陽師の実像、医療・呪詛などの職能を解明。
70平安王朝の子どもたち 王権と家・童服藤早苗初版2004・最終版2004年 ◆A5判 ◆336頁 ◆予価8208円(本体7600円)吉川弘文館
父親が子を認知する歴史的成立過程を考察し、家や親権の問題を解明。さらに童舞の意義などを探り、家格や身分秩序との関わりを分析する。
71足利一門守護発展史の研究小川信初版1980・最終版1998年 ◆A5判 ◆832頁 ◆予価11880円(本体11000円)吉川弘文館
細川・斯波・畠山3氏の発展、管領制の形成等を厖大な史料を駆使して解明し、南北朝・室町時代史の進展に大きく寄与した画期的労作。
72一向一揆と戦国社会神田千里初版1998・最終版1998年 ◆A5判 ◆364頁 ◆予価8208円(本体7600円)吉川弘文館
「百姓の持ちたる国」をめざして戦国時代に光芒を放った一向一揆。その紐帯となった信仰の実態、本願寺教団との関わりなどを総体的に解明する。
73戦国大名尼子氏の研究長谷川博史初版2000・最終版2009年 ◆A5判 ◆304頁 ◆予価8640円(本体8000円)吉川弘文館
中国地方など11カ国に君臨したと言われる戦国大名尼子氏。地元に残された史料を丹念に収集し、初めてその実像を描き出す。
74明治国家と近代美術 美の政治学佐藤道信初版1999・最終版2007年 ◆A5判 ◆352頁 ◆予価8100円(本体7500円)吉川弘文館
近代日本にとって“美”とは何か― 近代の美術行政・制度や美術と美術史をめぐる言説などを論じ、構築された美術の意味と認識の構造を問う。
75「故郷」という物語(ニューヒストリー近代日本2)成田龍一初版1998・最終版2005年 ◆四六判 ◆284頁 ◆予価2808円(本体2600円)吉川弘文館
ひとは故郷を想い、そして故郷によって傷つけられる。19世紀後半、故郷をあとにした青年たちの都市体験からつむぎ出される、記憶と空間の文化史。
76近代日本と戦争違法化体制伊香俊哉初版2002・最終版2002年 ◆A5判 ◆352頁 ◆予価9720円(本体9000円)吉川弘文館
第一次大戦後、国際連盟により戦争は違法とされた。常任理事国日本はいつ連盟規約に違反し、その違法性にいかなる認識をもったのかを検証。
77戦前期日本と東南アジア 資源獲得の視点から安達宏昭初版2002・最終版2002年 ◆A5判 ◆268頁 ◆予価8100円(本体7500円)吉川弘文館
1930年代、経済的には脆弱で英米に依存しながらも、自立した総力戦体制を形成しようとするジレンマを持つ日本帝国主義の特質を解明。
78陸軍幼年学校体制の研究野邑理栄子初版2006・最終版2006年 ◆A5判 ◆304頁 ◆予価9180円(本体8500円)吉川弘文館
なぜ陸軍は閉鎖的なエリート養成制度を作り出したのか。教育界の反発に対抗しつつ特権化を図る過程を、新発見の史料を駆使して解明。
79日本食生活史(歴史文化セレクション)渡辺実初版1964・最終版2006年 ◆四六判 ◆352頁 ◆予価2916円(本体2700円)吉川弘文館
日本人は、何を食べてきたのか。原始の狩猟から現代の給食まで、食材の種類や生産法、調理法・調味料・食器など食生活のすべてを詳説!
80死者たちの中世勝田至初版2003・最終版2004年 ◆四六判 ◆288頁 ◆予価3024円(本体2800円)吉川弘文館
死体が路傍や河原に普通に放置されていた〈死骸都市〉平安京。死体遺棄、風葬など謎に包まれた中世の死者のあつかいを解き明かす。
81二・二六事件須崎愼一初版2003・最終版2005年 ◆四六判 ◆368頁 ◆予価3024円(本体2800円)吉川弘文館
ねじまげられた歴史の真実! 秘められた手記・証言が語る青年将校たちの実像とは。彼らが求めた「昭和維新」から事件の真相に迫る。
82吾妻鏡必携関幸彦、野口実編初版2008・最終版2009年 ◆四六判 ◆344頁 ◆予価3888円(本体3600円)吉川弘文館
鎌倉時代の基本史料を読み解く上で不可欠な訓読法、用字や歴史用語などの基礎知識を満載。座右必備の『吾妻鏡』百科の決定版。
心理・教育
83ギブソン心理学の核心境敦史、曾我重司、小松英海初版2002・最終版2003年 ◆四六判 ◆210頁 ◆予価2700円(本体2500円)勁草書房
ギブソン理論の誕生に立ち合う。学説史と実験的研究の成果などを再構成し、若き心理学者の思索に迫る。
84環境に拡がる心 生態学的哲学の展望河野哲也初版2005・最終版2005年 ◆四六判 ◆272頁 ◆予価3240円(本体3000円)勁草書房
心は身体である――内的な意識ではない。ギブソンの存在論に依拠し、デカルト以来の個体主義的な心の概念を乗り越える。
85転移の心理学C.G.ユング/林道義、磯上恵子訳初版1994・最終版2011年 ◆四六判 ◆320頁 ◆予価3132円(本体2900円)みすず書房
メルクリウスの泉/王と王女/裸の真実/浴槽の水に漬かること/結合/死/魂の上昇/浄化/魂の帰還…錬金術の絵10枚で語る転移=個性化過程。
文学・芸術
86現代SFのレトリック巽孝之初版1992・最終版1992年 ◆四六判 ◆276頁 ◆予価3996円(本体3700円)岩波書店
ハイテク化が加速する現在、「SF」は遍在する。来たるべき時代のセンス・オヴ・ワンダーに迫る現代文学論。
87物と眼 明治文学論集ジャン=ジャック・オリガス初版2003・最終版2003年 ◆四六判 ◆248頁 ◆予価3456円(本体3200円)岩波書店
漱石、?外、子規らの作品は西欧の文学に比してどのように際立っているのか。日本の草創期の文学を論じて伝説的な評論を編集した遺稿集。
88玉砕/Gyokusai小田実、ティナ・ペプラー、ドナルド・キーン初版2006・最終版2007年 ◆四六判 ◆286頁 ◆予価3888円(本体3600円)岩波書店
自爆テロ事件の出現とともに、いま世界的に注目される「玉砕」。日米英の作家・文学者の作品・発言を収録し、「玉砕」の意味を問う。
89化学の結婚 付・薔薇十字基本文書〈普及版〉ヨーハン・V.アンドレーエ/種村季弘訳・解説初版2002・最終版2002年 ◆四六判 ◆356頁 ◆予価3888円(本体3600円)紀伊國屋書店
17世紀初頭にドイツで発行され、後の思想と文学に大きな影響を及ぼした謎の寓意小説と三篇の薔薇十字基本文書を、碩学・種村季弘による名訳で紹介。
90歴史とユートピアE.M.シオラン/出口裕弘訳初版1967・最終版1994年 ◆四六判 ◆200頁 ◆予価2592円(本体2400円)紀伊國屋書店
自称「狼狂」の思想家が、世界に蔓延する楽園願望への強烈な皮肉と呪詛をこめて資本主義と社会主義双方の陥穽を衝く。著者初の邦訳書にして代表作。
91絶望のきわみでE.M.シオラン/金井裕訳初版1991・最終版1995年 ◆四六判 ◆200頁 ◆予価2376円(本体2200円)紀伊國屋書店
「もしこの本を書かなかったら、私は私の夜に終止符を打っていたにちがいない」。弱冠22歳のシオランが狂気すれすれの危機的状況で綴った処女作。
92涙と聖者E.M.シオラン/金井裕訳初版1990・最終版1990年 ◆四六判 ◆168頁 ◆予価1944円(本体1800円)紀伊國屋書店
1937年、祖国ルーマニアからパリに移住したばかりの若きシオランが〈失われたもの〉〈無垢なるもの〉へ寄せた、抒情的断章。
93思想の黄昏シオラン/金井裕訳初版1993・最終版1993年 ◆四六判 ◆280頁 ◆予価2700円(本体2500円)紀伊國屋書店
祖国ルーマニアを去り、パリに移り住んで三年。のちに仏語による著作で「暗黒のエッセイスト」の名を馳せる著者が、母国語で書いた最後の一冊。
94小説のテクストジャン・リカルドゥー/野村英夫訳初版1974・最終版1974年 ◆四六判 ◆392頁 ◆予価4320円(本体4000円)紀伊國屋書店
第二次世界大戦後のフランスに出現したヌーヴォー・ロマンについて、伝統的小説との関係をテクストの精読によって明らかにし、理論化を試みた一冊。
95美と芸術の論理 美学入門木幡順三初版1986・最終版2007年 ◆四六判 ◆266頁 ◆予価3456円(本体3200円)勁草書房
美とは芸術とは何か、美学とはどんな対象をどんな方法で探求するのか。感性の学、美的直観に基づく美意識の学はどのように可能となるのか。
96女性状無意識 女性SF論序説小谷真理初版1994・最終版2007年 ◆四六判 ◆296頁 ◆予価3456円(本体3200円)勁草書房
〈ハイテク時代の女性状無意識〉というキー概念で、母‐娘関係、両性具有、ハイテク時代の女性性を考察。1994年度日本SF大賞受賞。
97アリスの服が着たい ヴィクトリア朝児童文学と子供服の誕生坂井妙子初版2007・最終版2009年 ◆四六判 ◆256頁 ◆予価3240円(本体3000円)勁草書房
『不思議の国のアリス』や『小公子』から子供服は誕生した。その誕生と普及に絵本が果たした役割と、服に投影された人々の欲望を描く。
98映画理論講義 映像の理解と探求のためにJ.オーモン、A.ベルガラほか/武田潔訳初版2000・最終版2007年 ◆A5判 ◆420頁 ◆予価6480円(本体6000円)勁草書房
現代フランスの代表的な映画理論家たちによる本格的映画理論概説書の完訳。映画および映像メディアを深く理解するために必携の入門書。
99風狂 虎の巻由良君美初版1983・最終版1983年 ◆四六判 ◆310頁 ◆予価1944円(本体1800円)青土社
風狂は、にんげんの深層にひそむ、〈逸脱〉への情熱である。この〈根源的旅情〉に殉じた、憑かれた夢の系譜をたどる、待望の一巻。
100ディアロゴス演戯由良君美初版1988・最終版1988年 ◆A5判 ◆345頁 ◆予価3024円(本体2800円)青土社
ロセッティ、ヒュースリ、ホガース、ターナー、ブレイク……日本を代表する英文学者で博識を誇る知の巨人による美術エッセイ。
101林望が能を読む林 望初版1994・最終版1996年 ◆四六判 ◆320頁 ◆予価2516円(本体2330円)青土社
本来の強烈な魅力を今に甦らせ、たいくつな入門書から遠く離れて、国文学者林望が典雅に、そして愉快に描き出す能の世界。
102虚構まみれ奥泉光初版1998・最終版1998年 ◆四六判 ◆342頁 ◆予価2052円(本体1900円)青土社
小説家の虚々実々の日々。虚実皮膜のあわいを突いて、神韻縹渺たる奥泉ワールド創造の秘密がいま明かされる。待望の第一エッセイ集。
103ジャズ・アヴァンギャルド クロニクル1967‐1989清水俊彦初版1990・最終版1997年 ◆四六判 ◆436頁 ◆予価3024円(本体2800円)青土社
20世紀を駆けぬける芸術のラディカリズムとして、ジャズの先端に孕まれたアヴァンギャルド。その地平にジャズの新しい動向を予見する。
104ジャズ・オルタナティヴ清水俊彦初版1996・最終版1996年 ◆四六判 ◆376頁 ◆予価3024円(本体2800円)青土社
不断にうみだされる最新の動向に耳をそばだて、そして投げ返された、43組/71本におよぶクリティック・ノーツ集成。
105美の思索家たち高階秀爾初版1993・最終版1993年 ◆四六判 ◆381頁 ◆予価2935円(本体2718円)青土社
現代の美術論に決定的な影響を与えた美の思索家18人の名著を系統的に紹介し、美術と美術批評の今日の地平を浮彫りにする。
106少女浮遊本田和子初版1986・最終版1990年 ◆四六判 ◆262頁 ◆予価1888円(本体1748円)青土社
〈斎宮〉から「風の谷のナウシカ」まで、〈女・子どもの文化〉に光をあて、斬新な読み取りを続ける著者の初の論集。
107廃墟論クリストファー・ウッドワード/森夏樹訳初版2003・最終版2004年 ◆四六判 ◆396頁 ◆予価3456円(本体3200円)青土社
荒れはてたローマのコロセウムから核がもたらす廃墟まで。古今の芸術家・文学者は、廃墟からいかに多くのインスピレーションをさずかってきたか。
108薔薇のイコノロジー若桑みどり初版2003・最終版2008年 ◆菊判 ◆384頁 ◆予価3888円(本体3600円)青土社
一輪の薔薇に封印されたイメージは時代を超えて人類に共有される。愛と生命の寓意・象徴として咲き誇る薔薇の花園で紡がれた、意想外の精神史。
109ゴッホの眼高階秀爾初版2005・最終版2005年 ◆四六判 ◆326頁 ◆予価2592円(本体2400円)青土社
イコノロジー的な作品の分析や、書簡の解読によって、ゴッホの孤独で苛烈な生の内部に光をあて、《事件》 の真相を解きほぐす。
110エリック・サティ覚え書秋山邦晴初版2005・最終版2005年 ◆A5判 ◆574頁 ◆予価5616円(本体5200円)青土社
二十世紀音楽の先駆者であるエリック・サティのおかしみに彩られた生涯とその時代を、多角的な視点から捉える鋭意の評論――。
111美の位相と藝術 増補版今道友信初版1971・最終版2004年 ◆A5判 ◆520頁 ◆予価8100円(本体7500円)東京大学出版会
美の位相の現象学的な析出による諸位相の構造および機能を、芸術とのかかわりのなかで読み解く。
112事の次第サミュエル・ベケット/片山昇訳初版1972年 ◆四六判 ◆284頁 ◆予価5184円(本体4800円)白水社
小説の解体を極限まで推し進めながら、しかも渾然たる詩的宇宙を完成させ、もっとも音楽に近づいた最後の小説、小説の終わり。ベケット文学の総決算。
113ジェイン・オースティン伝クレア・トマリン/矢倉尚子訳初版1999・最終版1999年 ◆四六判 ◆410頁 ◆予価6264円(本体5800円)白水社
モーム、フォースター、漱石を感嘆させ、今も時代を超えた愛読者を生み続けるジェイン・オースティン。偉大な作家の実人生を描く第一級の伝記文学。
114アーサー・ランサム自伝アーサー・ランサム/神宮輝夫訳初版1984・最終版1999年 ◆四六判 ◆536頁 ◆予価7344円(本体6800円)白水社
「ツバメ号とアマゾン号」をはじめとする12冊の冒険物語で多くの読者をとりこにしたランサムの自伝。作品に通ずるユーモアで綴られたもうひとつの物語。
115ノート・反ノート 演劇論集ウージェーヌ・イヨネスコ/大久保輝臣訳初版1970年 ◆四六判 ◆331頁 ◆予価6156円(本体5700円)白水社
世界の演劇をリードしたイヨネスコがドラマの概念、現代演劇、さらには芸術と芸術家について論じた重要な文章を収録。文明論としても興味深いエッセイ集。
116エリック・サティ文集エリック・サティ/オルネラ・ヴォルタ編 岩崎力訳初版1996・最終版1996年 ◆A5変 ◆502頁 ◆予価8424円(本体7800円)白水社
現代芸術のための、ユーモアあふれる福音書。「家具の音楽」で知られるエリック・サティが書き遺した数多くの文章とデッサンを詳細な注釈つきで網羅。
117戦後日本映画小史瓜生忠夫初版1981・最終版1981年 ◆四六判 ◆408頁 ◆予価5400円(本体5000円)法政大学出版局
戦後日本映画の主要作品を主題別に構成し、時代・社会とのかかわりにおいて、その意味と役割を明らかにする。序論「原爆記録映画をめぐる怪」は貴重な歴史的証言。
118マゼラン ツヴァイク伝記文学コレクション1シュテファン・ツヴァイク/関楠生、河原忠彦訳初版1972・最終版1998年 ◆四六判 ◆376頁 ◆予価3888円(本体3600円)みすず書房
伝記作家によるマゼラン伝。世界周航に一身を捧げ、非業の死を遂げた人物の栄光と悲惨。アメリカの名付親となる平凡な一市民、アメリゴの伝記を付す。
119ジョゼフ・フーシェ ツヴァイク伝記文学コレクション2シュテファン・ツヴァイク/吉田正己、小野寺和夫、飯塚信雄訳初版1974・最終版1998年 ◆四六判 ◆376頁 ◆予価3888円(本体3600円)みすず書房
僧院教師から教会破壊者へ、共産主義者から資産家へ、フランス革命を生き抜いたマキャベリストの肖像を伝える。伝記作家が歴史観を語る講演も収録。
120この私、クラウディウスロバート・グレーヴズ/多田智満子、赤井敏夫訳初版2001・最終版2001年 ◆四六判 ◆480頁 ◆予価4320円(本体4000円)みすず書房
病弱で吃音症、足をひきずり歴史書に埋もれ、帝位など夢みたこともなかったはずの、この私が… 謎の第四代ローマ皇帝〈自伝〉? 傑作歴史小説。
121ウンベルト・サバ詩集須賀敦子訳初版1998・最終版2011年 ◆四六判 ◆272頁 ◆予価3564円(本体3300円)みすず書房
モンターレやウンガレッティと並び称されるイタリア詩人・サバ。原著とイタリア文学者である訳者との類まれな出会いによる豊かな文学世界、68篇。
122ディートリッヒ自伝マレーネ・ディートリッヒ/石井栄子、伊藤容子、中島弘子訳初版1990・最終版1995年 ◆四六判 ◆350頁 ◆予価3456円(本体3200円)未來社
『嘆きの天使』『モロッコ』など不朽の名作を残し、世界中の映画ファンを魅了しつづけてきた「世紀の女優」の反骨的で知性あふるる本格的な自伝。
123ドイツ・ロマン派H.ハイネ/山崎章甫訳初版1965・最終版1994年 ◆四六判 ◆258頁 ◆予価3024円(本体2800円)未來社
ドイツの市民的解放の障害となった後退的・中世的・カトリック的なドイツ・ロマン派に対する論駁の書。ハイネの名高い文明・社会批評の書。
法律・経済・政治
124国際社会論 アナーキカル・ソサイエティヘドリー・ブル/臼杵英一訳初版2000・最終版2009年 ◆A5判 ◆428頁 ◆予価4860円(本体4500円)岩波書店
E.H.カーの流れをくむ「イギリス学派」のブルの遺著、待望の完訳。冷戦後のいまこそ精読されるべき「現代の古典」といえる。
125岩波テキストブックス 二十世紀の政治思想小野紀明初版1996・最終版1996年 ◆A5判 ◆222頁 ◆予価3024円(本体2800円)岩波書店
政治思想のポスト・モダーンとは何か。ポストモダニズムの革新性とその前史を「現われ」の観念を視座に据え概説する画期的試み。
126地球的問題の政治学中村研一初版2010・最終版2011年 ◆四六判 ◆544頁 ◆予価4968円(本体4600円)岩波書店
環境破壊、資源枯渇、感染症、飢饉、第二の核の時代……。地球規模で起こっている深刻な問題群に対処するための枠組みを模索する。
127バーリン選集(1)思想と思想家I.バーリン/福田歓一、河合秀和編訳初版1983・最終版1992年 ◆B6判 ◆452頁 ◆予価8424円(本体7800円)岩波書店
「二つの自由概念」で著名なイギリスの政治哲学者バーリンの業績は、政治哲学のみならず、思想史、同時代史、ロシア知識人論と多彩である。その功績を4つのテーマに分けて考察する。
127-2バーリン選集(2)時代と回想I.バーリン/福田歓一、河合秀和編訳初版1983・最終版1992年 ◆B6判 ◆372頁 ◆予価7560円(本体7000円)岩波書店
「二つの自由概念」で著名なイギリスの政治哲学者バーリンの業績は、政治哲学のみならず、思想史、同時代史、ロシア知識人論と多彩である。その功績を4つのテーマに分けて考察する。
127-3バーリン選集(3)ロマン主義と政治I.バーリン/福田歓一、河合秀和編訳初版1984・最終版1992年 ◆B6判 ◆418頁 ◆予価8100円(本体7500円)岩波書店
「二つの自由概念」で著名なイギリスの政治哲学者バーリンの業績は、政治哲学のみならず、思想史、同時代史、ロシア知識人論と多彩である。その功績を4つのテーマに分けて考察する。
127-4バーリン選集(4)理想の追求I.バーリン/福田歓一、河合秀和、田中治男、松本礼二訳初版1992・最終版1993年 ◆B6判 ◆352頁 ◆予価7236円(本体6700円)岩波書店
「二つの自由概念」で著名なイギリスの政治哲学者バーリンの業績は、政治哲学のみならず、思想史、同時代史、ロシア知識人論と多彩である。その功績を4つのテーマに分けて考察する。
128社会科学の人間学 自由主義のプロジェクト橋本努初版1999・最終版1999年 ◆A5判 ◆450頁 ◆予価5940円(本体5500円)勁草書房
自由主義社会の新たな秩序構想を支える人格を探求する。ウェーバーの主題を発展的に継承し、社会を多元的に豊穰化する人間像を彫琢。
129ノージック 所有・正義・最小国家J.ウルフ/森村進ほか訳初版1994・最終版2003年 ◆四六判 ◆360頁 ◆予価4104円(本体3800円)勁草書房
ロールズの福祉主義的な正義論を批判し、自己所有権の絶対性を政治哲学の主題にのせたノージック理論の紹介とともに、公平な批判をめざす。
130現存した社会主義 リヴァイアサンの素顔塩川伸明初版1999・最終版1999年 ◆A5判 ◆690頁 ◆予価8100円(本体7500円)勁草書房
「組織化による近代化」はいかに挫折したか。現存した社会主義の歴史的位置づけを鮮やかに示し、20世紀を総括する。
131近代立憲主義と現代国家樋口陽一初版1973・最終版2004年 ◆A5判 ◆350頁 ◆予価4860円(本体4500円)勁草書房
フランス憲法学に即し憲法学の方法を検討し、憲法学の基礎的な諸観念をイデオロギー批判の観点で再検討する。
132法解釈の言語哲学 クリプキから根源的規約主義へ大屋雄裕初版2006・最終版2007年 ◆A5判 ◆240頁 ◆予価3456円(本体3200円)勁草書房
規則に従う・意味を知る・解釈する――法解釈にまつわる行為の性質について、後期ウィトゲンシュタインを手がかりに根本的に考える。
133権威としての法 法理学論集J.ラズ/深田三徳訳初版1994・最終版2004年 ◆四六判 ◆350頁 ◆予価3780円(本体3500円)勁草書房
ベンサム、オースティン、ケルゼン、ハートの理論を批判的に吟味し、分析的法実証主義の新局面を切り拓く一冊。
134入門リスク分析 基礎から実践D.ヴォース/長谷川専、堤盛人訳初版2003・最終版2008年 ◆A5判 ◆584頁 ◆予価7344円(本体6800円)勁草書房
ビジネスやプロジェクトのマネジメントにおいて、効率的なリスク管理を実現し、合理的かつ円滑な意思決定を図るために最適の書。
135新装版 政治理論史南原繁初版1962・最終版2007年 ◆A5判 ◆468頁 ◆予価9504円(本体8800円)東京大学出版会
ギリシア以来の世界の時代思潮を、その相互関連のなかで把握し、未来の展開を示唆した名著。
136憲法と議会政芦部信喜初版1971・最終版2002年 ◆A5判 ◆558頁 ◆予価8100円(本体7500円)東京大学出版会
現代憲法の支柱ともいうべき議会制度について、その中心的課題である国会と選挙制度に焦点をあて精緻に検討した著者の第一論文集。
137なぜ「表現の自由」か奥平康弘初版1988・最終版2006年 ◆A5判 ◆368頁 ◆予価7776円(本体7200円)東京大学出版会
なぜ表現の自由は、他の自由と比べて、特別に厚く保護されるべきなのか? 原理論をふまえて、追究する。
138日本の政治京極純一初版1983・最終版1998年 ◆A5判 ◆404頁 ◆予価3672円(本体3400円)東京大学出版会
独自の概念とシステム構成で、政治の多様なプロセスに踏み込み、その構造を把握する筋道を明らかにする。
139戦時期航空機工業と生産技術形成 三菱航空エンジンと深尾淳二前田裕子初版2001・最終版2001年 ◆A5判 ◆272頁 ◆予価7344円(本体6800円)東京大学出版会
戦時期における三菱航空エンジン生産の実態を通して、日本の生産技術史の一側面を明らかにする。
140持続可能な発展の経済学ハーマン・E.デイリー/新田功、藏本忍、大森正之訳初版2005・最終版2009年 ◆A5判 ◆384頁 ◆予価7884円(本体7300円)みすず書房
現行の経済体系のどこに持続不可能な論理が働いているのか? 自由貿易とグローバリゼーションの死角、GNPの代替案… 解決への具体策を提示。
141組織行動の原理ピーター・フォレット/米田清貴・三戸公訳初版1972・最終版1997年 ◆A5判 ◆444頁 ◆予価6264円(本体5800円)未來社
本書は政治学、経営学心理学等多岐にわたる人間行動の古典として定評を得、現代にも通ずる組織行動のあらゆる原理を包含した名著。
142天皇制国家の支配原理(第2版)藤田省三初版1974・最終版1994年 ◆A5判 ◆206頁 ◆予価3024円(本体2800円)未來社
近代日本の国家像構築の基底をなす「天皇制」の支配構造を対象自体の論理に内在し、批判した古典的名著第2版。
143富と徳I.ホント、M.イグナティエフ編著/水田洋、杉山忠平監訳初版1990・最終版1990年 ◆A5判 ◆646頁 ◆予価10584円(本体9800円)未來社
旧時代の秩序=徳とそれを打破していく力=富の対立を軸にスコットランド啓蒙思想のなかから経済学が成立してくる過程を解明する。
144反対党の研究G.ヨネスク、I.デ・マダリアーガ/宮沢健訳初版1983・最終版1983年 ◆四六判 ◆254頁 ◆予価3024円(本体2800円)未來社
政治的反対=オポジションの問題を初めてテーマとしてとり上げ、歴史的にたどりながらあるべきデモクラシーの姿を問う、比較政治学の成果。
自然科学・医学
145内なる目 意識の進化論ニコラス・ハンフリー/垂水雄二訳初版1993・最終版1996年 ◆四六判 ◆228頁 ◆予価2376円(本体2200円)紀伊國屋書店
人はなぜ意識をもつようになったのか――意識のルーツをめぐって、進化論的観点から壮大かつ魅力的な仮説が展開される。ドーキンス絶賛!
146分子進化の中立説木村資生/向井輝美、日下部真一訳初版1986・最終版2001年 ◆A5判 ◆400頁 ◆予価4860円(本体4500円)紀伊國屋書店
発表当初批判を浴びた〈中立説〉は、のちに多くの証拠が集まり、現在ではほぼ認められている。提唱者自身が論争の経緯を含めて同理論をまとめた書。
147虫の宇宙誌奥本大三郎初版1989・最終版1993年 ◆四六判 ◆350頁 ◆予価1993円(本体1845円)青土社
大自然の中で展開される昆虫たちの生のドラマを観察し、虫の見方を通しての東西文明論など、創見に満ちたナチュラリストの昆虫博物誌。
148オオカミ その行動・生態・神話エリック・ツィーメン/今泉みね子訳初版1995・最終版2007年 ◆四六判 ◆504頁 ◆予価7344円(本体6800円)白水社
オオカミの繁殖行動、成長、社会行動、コミュニケーションなどを綿密に報告するとともに、オオカミと人間の関わりの歴史をドラマティックに描く。
 

2016年の復刊投票リクエストは2月末日をもって締め切りました。2016年復刊書は、4月中旬頃にお知らせいたします。
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