《第226回新宿セミナー@Kinokuniya》 『ナマケモノ教授のぶらぶら人類学』出版記念お話会 ぶらぶら(ブラブリ)主義(ズム)でいこう! 出演:辻信一、松元ヒロ、鈴木重子(2012年10月15日) ※本講演会は終了しました。

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これまでに「スローライフ」や「GNH」という概念を世に示してきたナマケモノ教授こと文化人類学者の辻信一さんが、3・11後の日本社会に問う「下向きで後ろ向き」な本が、『ナマケモノ教授のぶらぶら人類学』だ。
現代社会は「ぶらぶらと無駄に過ごす」ことを許さない。「前を向く」という言葉がますます市民権を得て、皆、なにかの目標に向かって進むことを義務づけられているかのようだ。あらゆる現代人が忙しぶって生きている。でも、忙しそうな人々のなかに、幸せな姿を見たことがあっただろうか?
本書のなかで辻さんは「我々は誰もみな、ぶらぶらするために生まれてきた」と言う。実際には忙しく世界を飛び回ってるに違いない辻さんではあるが、そこに現代の日本人特有の疲弊した姿はない。世界中を"ぶらぶら"しながら、そこに住む人々とのおしゃべりや空気をゆっくりと味わっている様子がうかがえるのだ。この本には、生きていく楽しさや豊かさが、ところどころにちりばめられている。先の見えないこの世のなかで、幸せとはなにか、どのように生きるべきかを示唆してくれるかのように。
第226回新宿セミナーは、そんな辻さんの生き方に共感する素晴らしいゲストが加わり、あてのない"ぶらぶらトーク"が展開される。マイムやトーク、一人コントをフューチャーした"スタンダップ・コミック" で独自の世界を確立し、当紀伊國屋ホールでのソロライブでもおなじみの松元ヒロさん、NYの「ブルーノート」で日本人ヴォーカリストとして初のライブ公演を行い、数々のアルバムを発表するなど、いのちの響きをつむぐ歌い手として、分野を越えて活躍するヴォーカリストの鈴木重子さん、いずれもやさしさとあたたかさの溢れる、ホッとさせてくれる面々が集う一夜となる。
時には、忙しさを忘れて、ぶらぶらしてみてはどうだろう。
下向きに、後ろ向きに、ぶらぶら(ブラブリ)主義(ズム)でいこう!

◎イベント終演後に、辻信一さんのサイン会を開催します。
辻 信 一(つじしんいち)
文化人類学者、ナマケモノ倶楽部世話人。明治学院大学国際学部教授。 「100 万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表。数々のNGO やNPO に参加しながら、環境=文化運動を進める一方、社会的起業であるスロービジネスにも積極的にとりくむ。『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社)、『ゆっくりノートブック』シリーズ(全8巻、大月書店)など著書多数。

日  時|2012年10月15日(月)19:00開演(18:30開場)
会  場|新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4階)
料  金|1,500円(全席指定・税込)
前売取扱|キノチケットカウンター(紀伊國屋書店新宿本店5階10:00~18:30)
電話予約|紀伊國屋ホール 03-3354-0141(受付時間10:00~18:30)
《9月4日(火)より、チケット発売・電話予約受付開始》
※10歳未満のお子様はご入場いただけません。
主  催|紀伊國屋書店
協  力|素敬パプリッシング

※イベントの日時・時間については急な変更等ある場合がございます。詳細は各店にお問い合わせください。
※定員になり次第、チケットの発行を終了させていただきます。尚、当サイトでのチケット完売のご案内は遅れる場合があります。チケットの残数については上記へお問い合わせください。


書籍情報
書名:『ナマケモノ教授のぶらぶら人類学』
著者:辻信一
価格:1,575円(税込)
出版社:素敬パブリッシング
発売日:9月8日(土)発売

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ぼくはため息とともに思うのだ。ああ、スローダウンするだけで、人生はどんなに豊かになるだろう、と。実は、大人たちは急いでいるのではなく、急いでいると思いこんでいるだけかもしれない。その思いこみを取りはらっただけで、その人の人生ばかりか、周囲の世界は輝きをとり戻すだろうに。そしてこうも思う。ぼくたちがぶらぶらするだけで、地球はホッと息をつくことができるだろうに、と。(本書より)
ナマケモノ教授こと文化人類学者の辻信一が綴った5年間のフィールドノートを書籍化。ポスト3・11時代を生きる人々に、"ぶらぶら(ブラブリ)主義(ズム)"という生き方を問う一冊。「我々は誰もみな、ぶらぶらするために生まれてきたのだ」

2012.09.04 紀伊國屋ホール  くらし 人文 社会 東京 関東