岩波文庫<br> ハックルベリー・フィンの冒険 上

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岩波文庫
ハックルベリー・フィンの冒険 上

  • ISBN:9784003231159

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内容説明

洋々たるミシシッピーの流れに乗って筏の旅を続ける浮浪児ハックと逃亡奴隷ジム.流域の町や村で二人が出会う冒険の数々.辺境時代のアメリカで,何ものにも捉われずに生きようとする少年と,必死に自由の境涯を求める黒人の姿に作者のヒューマニズムが脈打つ.「現代アメリカ文学の源泉」と言われた傑作.初版挿絵を収録.

目次

目  次
   はしがき
   ハックルベリー・フィンの冒険 (上)

 第一章 ハックの教育──ミス・ワトソン──トム・ソーヤーの呼ぶ声

 第二章 ジムをかつぐ──トム・ソーヤーの一味──周到な計画

 第三章 こってりしぼられる──お祈りの効きめ──「トム・ソーヤーのうそっぱち」

 第四章 ハックと判事──迷信

 第五章 ハックの父親──やさしい親──改心

 第六章 サッチャー判事に訴える──ハック脱出を決意──おやじの政治論──大あばれ

 第七章 待ち伏せ──閉じ込められて──死体を沈める──ひと休み

 第八章 森の一夜──死体を浮き上がらす──島の探検──ジムに出会う──ジムの脱走──前兆──バラム

 第九章 ほら穴──流れてきた家

 第十章 獲物──ハンク・バンカーじいさん──変装

 第十一章 ハックとおかみさん──捜索──言いのがれ──ゴーシェンへ

 第十二章 ゆっくり下る──品物の借り方──難破船に乗りこむ──悪人のたくらみ──ボートを探す

 第十三章 難破船を脱出──見張り人──沈没

 第十四章 のんきな暮らし──ハーレム──フランス語

 第十五章 ハック筏を見失う──霧の中で──ハック筏を見つける──ごみくず

 第十六章 期待──うそも方便──ぬれ手であわ──ケーロを通りすぎる──泳いで岸に上がる

 第十七章 夜の訪問──アーカンソーの農場──室内装飾──スティーヴン・ダウリング・ボッツ──あふれ出る詩行

 第十八章 グレンジャーフォード大佐──上流階級──怨恨──聖書──筏を取り返す──薪の山──ブタ肉とキャベツ

 第十九章 昼間はかくれて──星の誕生──禁酒集会を開く──ブリッジウォーター公爵──王様の苦労

 第二十章 ハックの説明──作戦を練る──野外集会でひと仕事──野外集会の海賊──公爵の印刷屋

 第二十一章 剣劇の練習──ハムレットの独白──町をうろつく──だらけた町──ボッグズおやじ──死

 第二十二章 シャーバン──サーカス見物──リングの興奮──戦慄の悲劇

 第二十三章 一杯くわされて──王様くらべ──ジムのホームシック
   訳  注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

87
初読。2015年1159冊め。【82-1/G1000】『トム・ソーヤーの冒険』でお金持ちになったハックが、お金目当てで戻ってきたアルコール中毒の父親から逃げ出して冒険の旅へ…というお話。父親から逃げるハックと逃げ出した黒人奴隷ジムの対比により、作中時代の1830~40年代の人種問題が浮かび上がってくる。少年の目を通して語られる家族問題、人種、宗教のことは、発表当時(1885年)は今よりももっと衝撃的だっただろう。2015/11/26

ケイ

72
出だしのハックの語りからすでにグッとくる。トム・ソーヤよりハックの物語の方がワクワクすると言う男子が多いのもうなずける。トムの方が確かに頭が回るし、想像力もあるが、トムの冒険は、身の回りの冒険だからだ。ハックは深く考えないし、危なっかしいから、どんどんと奥へと行ってしまう。そして、身構えすることを知らないので、誰の所にでも飛び込んでしまい、子供の冒険が本物の冒険となるのだ。宿根とは本当に恐いなあ。当時は本当にあったんだろうか。2013/11/08

ちゅんさん

39
ハックとジムのやり取りが面白い。ハックはなんて賢い子なんだろう。真の自由人って感じですね。偽の王様や公爵を受け入れる器量の大きさもあるし。でもバイオレンスな父親からは逃げて正解!どこまでも逃げて自由に生きてほしいが、果たして。2023/11/02

ビイーン

34
個人的にはトムソーヤの冒険よりこちらの方が面白いと思えた。陸は危険に満ちたところで、筏の上は自由で安心できるところって発想が思いつかないし。人種差別、銃社会、詐欺ペテン、自由、孤独など、善し悪し関係なく、アメリカを丸ごと表現しているようだ。2018/07/04

不二子

33
非常に面白い!九九は6×7=37まで言える様になった。学校が嫌でさぼると鞭で打たれたけど、打たれるとすっきりして元気がでたと言うハックルベリーのクールなことこの上ない。寂しくなったら土手に腰を下ろし、川の波が岸にぶつかる音を聞いたり、星や流れてくる筏の数をかぞえたりして寂しさを凌ぐ。風情のあることをさらりとやってしまってカッコいい。全てのアメリカ文学はこの作品に由来し、この作品以降これに匹敵する作品は存在しないとヘミングウェーは言っているのに納得。 2015/12/07

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