内容説明
メガバンクの頭取・藤山には誰にも言えない秘密があった。かつて部長時代に関係した女子行員・裕子。そして後始末にあたったのが左遷寸前の部下・西前だった。以後、ふたりは〈鉄の主従関係〉で激烈な権力闘争を勝ち抜いていくのだが――。輝かしいはずの〈あのころの未来〉こんな混迷だったとは――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
toshi
10
この著者のお得意の現実を下敷きにした銀行を巡る企業小説。そもそもの最初の設定として、一行員が不祥事(殺人事件)を起こしたことに対し、銀行の代表が記者会見したり辞任したりすることは無いと思うけどどうなんでしょう。 構成は私が嫌いな、現在の話と過去の話が交互に現れる方式。話が細切れ状態で非常に読みにくいし分かりにくい。 過去の話は一人称、現在の話は三人称(最後は一人称)で書き分けられているので、どっちの話なのかは分かるけれど、混乱してしまう。時系列の書いて欲しかったな。(→続く)2019/09/01
ゆきのくに
3
銀行ってこんな感じなのかなって思いました。2017/02/01
mie
2
バブル前後あの時代を思い出しながら読みました。やっぱり異常だったとしか思えませんね。日本中踊らされて踊って。小説ですが人間の欲の深さは恐ろしいです。舵をとる人間はどうあるべきか考えさせられました。会社のために、会社を守る為に不正を隠匿するそれが狂った方向にいっそう向かわせる。ふと稲盛さんの人の為にという言葉を思い出しました。生き方って本当に大事です。それにしてもプライベートの下りは現実味がなくて要らないなと思いながら読みつつ結末も何と無く残念でしたがこの話があったので面白味も加わったのかなとも。2014/04/19
mach55
1
バブル期の銀行の姿、バブル崩壊後の銀行の大編成の内幕など、当時実際に起こった事件が少し脚色されながら描かれ、とても興味深かった。 当時の価値観って、すべてではないにしろ、本当に狂っているとしか言えないものだったのかな。そして、その最もたる場所がもしかすると銀行なのかも、と思えた。 表紙のラファエロの絵は、なぜ『小椅子の聖母』じゃないのかな、と軽く疑問。2012/03/07
川越読書旅団
0
★★★★☆2012/03/26