内容説明
高嵐のさなか、アレスカルの名将ダリナルは、やがて人類を襲う恐るべき死の嵐がやってくることを幻視した。同時に何者かに「団結せよ!」と告げられた彼は、パルシェンディとの戦いを終わらせ、嵐の襲来に備えるべく、奔走する。一方、破砕平原で味方の軍勢を通すために敵の矢面に立って谷間に橋を渡すブリッジ隊の隊長となったカラディンは、あるときハイプリンス・サデアスの逆鱗に触れ、罰として高嵐が襲来する夜に宿舎の外に吊るされる。恐るべき嵐に半死半生になりながらも、カラディンもまた人類に死をもたらす嵐の到来を幻視したのだ!傑作ファンタジイ巨篇、待望の第2弾、登場
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
神太郎
25
1巻目が本当に人物の紹介だったのだなという位にここから加速度的に面白い。カラディンの目覚ましい活躍ぶりと過去。主人公然としてきた。ダリナル、シャランにも動きが出始めてきてこの戦い、きっと何かあるに違いないと思わせてくれる。3巻目でどう完結し、どう次へもっていくのか楽しみである。2019/02/15
詩歌
18
断片を繋ぎ、物語を予測し、歪められた謎を追い求める歴史家の焦燥を体感できる。特撮怪獣と戦闘する〈スリル〉、物語の先を読めない戦慄。無知の代償は、本人より子孫の負債として積み上げられていくのだ。大きな決断を迫られる人物が最良の決断を選べないまでも、今よりマシな未来を選べるのだろうか。自らの命だけなら軽く、庇護者を抱えるからこそ責任の重圧に怯む。実践哲学のテキストがかなり体当たりだったり、体制に抗う人生を懸けた教育に身の置き所がなくなる程だ。2015/03/05
りー
14
少しずつこの世界の秘密が明かされてきた第2巻。亀裂だらけの大地で希望なき日々を生き延びるカラディン、家族のために尊敬すべき師を裏切るシャラン、彼らの選択が、果たして何に結び付くのか、最終巻に注目。ただし。ファンタジーの魅力である、細かな設定や世界観を味わうにはとても良いのですが…何だろう?若干、大味というか…作者にとって必要な物語なのか?と、感じるところがあります。エラントリスが好きすぎたのかもしれませんが。圧倒的弱者が社会界層上位者に対して立ち上がる話なのが、ミストシリーズに似すぎていて…。2021/04/25
tom
14
絡まり合った糸が少しづつ解きほぐされていく第二巻。さあさあ、どうなる、どんな結末につながるのかと心は躍る。ファンタジーの王道を行くような展開に満足満足とつぶやきながら最終巻に。それにしても、いろいろなファンタジーがあるものだ。この類の面白本というのは、他にもたくさんありそうなのだけど、どうやったら探し出すことができるのかしら。2015/07/27
わたなべよしお
14
中盤に差し掛かったが、まだまだ不明な点、謎は多い。ただ、登場人物は一層、魅力的になり、ここに書かれていることがどうなっていくのか、どんな風につながるのか、「3」を読むのが待ち遠しい。2015/06/15