内容説明
中学二年生の淑子は、市営斎場の真ん前に建つ祖父母の店の手伝いをつづけていた。ある日、父親の中学時代の同級生が急死、クラスで一番うるさい男子も暴走族の親戚が事故で亡くなり、通夜が行われることになった。やりきれない気持ちで暖簾をくぐる人たちがそっと伝えてくれる、あたたかくて大切なこと。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
305
「峠のうどん屋」というより、近年そこに隣接して建てられたという市営の斎場が舞台になっている。死と隣り合わせの人の生、人と人の結びつき。重松節を堪能。下巻も行きます。2018/02/27
takaC
116
暑さのせいか迂闊にも読み途中の本を持って行き忘れたため、緊急時に備えて鞄に入れていたこの本で凌がざるを得なかった。ハードカバーをこないだ読んだばかりなので良い復習になった。再び駒子さんの言葉に酔いしれながら上巻読了。2017/08/23
となりのトウシロウ
66
峠のてっぺん、市営斎場の前にある祖父母のうどん屋で手伝いをする中学生の叔子。うどん屋の暖簾をくぐるのは、悲しみよりも、悔しさや腹立たしさややるせなさの方が強い、そんなお葬式に参列して、出棺後も真っ直ぐに帰る気になれない人達。そんな人達をめぐる物語は、人の生き死にに関わる温かくて、そして大切なことを教えてくれる。上巻は5つのお話が収めれれている。霊柩車の運転手であるトクさんと別れた奥さんの話「トクさんの花道」、二人の恩師に贈る言葉を探す「おくる言葉」、そして叔子の母のお話「二丁目物語」が良くどれも感涙必至。2020/10/18
hitomi.s
64
重松さんの書く人の生き死には、「この私の人生でも、捨てたもんぢゃないな!」って思える。全然違った生き方でも。 なんか大人の年齢でも、幾つになっても、もやもやうまく向き合えきれない感情が、時間や誰かの言葉でほぐされていく。その様子がキレイ過ぎず「物語」過ぎないところで書かれている。 今日は休みで、お昼ごはんはうどん 食べました。 わたしも、ほぐしたいものが、あるのかもしれないなー。 さぁ、下巻だー2017/05/30
KAN
63
久しぶりの重松さん。斎場が目の前にできて、名前を変えざるを得なかった峠うどん。登場人物含め、設定がさすが。いろいろ気づきをもらいました。2017/01/19