内容説明
幼馴染で兄弟のように育ったカンタと耀司。発達障害をかかえるカンタは、自分のたった一人の理解者である耀司のために生きることを決意しています。成長したふたりは力をあわせ、無料ゲーム運営会社を興しますが、そこで思わぬ罠にはまり、命を狙われるようになってしまいます。すべてを引き受け、死を決意したカンタの運命は……? 青春小説の名手、石田衣良さんが“友情”をテーマに、鋭い現代社会批判を内包させつつ書き上げた、現代版「走れメロス」ともいうべき傑作です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さおり
63
時事をうまく小説に溶け込ませるのが、石田さんの得意技かな。ITバブルも発達障害も、石田さんにとっては同列の時事ネタかなと思うといい気はしないけど。参考文献はひとつも書かれてなかったけど、発達障害をもってる人の特性として、大きく間違ってるとこはなかったと思う。みんなが数字や記憶に強いわけじゃないけど、確かにこういう人もいますし。1クラスに1、2人いると言われてるカンタのような子たちみんなが、それぞれの耀司と出会えますように。途中から頭ん中をホリエモンがちらつきまくってたので、解説がホリエモンでビビりました。2014/07/16
アポロ
54
同年代だし、懐かしさ満載だったけど、物足りなかったな!なんだかんだ、ヨウジとカンタの2人のお母さんが素敵だ!スマホって恐ろしい限りだな!2017/08/08
ユカ
51
第一章からびーびー泣いてしまい、どうなることかと思いました。発達障害について、知識ではなく、知ることができました。途中で現実的な訴訟事件や株取引のお話になり、自分には難解な方向へ。石田さん、自分のこと大好きだなー(笑)。主人公が自分と同世代ということもあり、共感しやすかったと思います。男の子どうしの幼なじみって、たしかに遊びも仕事もお互いを尊重しつつ力を合わせてできそうで、うらやましい。ライブドア事件のもう一つのシナリオ、みたいなお話です。解説者にびっくり。2014/06/18
ナミのママ
40
下町の団地で育った父親のいない二人、発達障害のカンタと秀才の耀司。バブル期を駆け抜け携帯ゲーム会社を設立し時代の寵児となる。マネーゲームに翻弄される耀司、命がけで守るカンタ。…前半の幼稚園で出会ってから高校までの少年二人の成長と友情。後半のライブドア社がモデルのマネーゲーム、2つの話を楽しめました。発達障害、友情、サクセスストーリー、いろいろな要素が詰まっているので、物足りないと思うかは読者によると思うのですが、私はどの部分も好きで楽しく読めました。久々の石田衣良さん、良かったです。2014/10/15
きょーこ
27
前半長く感じた。二人が仕事を始めたところから面白く。ビジネスって何なんだろうね。2017/02/11