内容説明
信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」。訪れた劇団「暗色天幕」の一行を迎える怪しい住人たち。邸内で発生する不可思議な現象の数々…。閉ざされた“吹雪の山荘”でやがて、美しき連続殺人劇の幕が上がる!
※本書は一九九五年二月刊行の新潮文庫版を全面的に改訂した〈完全改訂版〉が底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
155
綾辻さん2作目は読友さん絶賛オススメを選んだ…雪に閉ざされた山中の豪邸~そこにいる怪しげな住人たち~曲者揃いの劇団の面々~彼らの名前と一致する邸宅内の品々~そして起こる童謡に見立てた殺人!…正に王道の本格ミステリだ。30年近くも前に書かれた作品なのに古臭さが殆どなく、現在に置き換えて簡単にドラマ化できそうな感じで、(邸宅内のセット費が大変だが)あっと言う間に上巻を読み終えた。欲を言えば、もう少し事件が進んでも良かったと思うが、連続殺人が加速し、どんな謎解きがなされるのか楽しみな下巻へトットと進まなくては♪2018/03/12
おかむー
104
ステレオタイプな本格ミステリにそこはかとなく非現実的な要素を匂わせて、ひとまず上巻では第一の殺人と解決に至るパズルのピースを提示するところまで。『もうすこしです』。『雪に閉じ込められた洋館』とか『白秋の詩に見立てた殺人』とか、あえて教科書どおりの組み立てにすることで、下巻でひっくり返すぞという挑戦なのだろうかね?とはいえ槍中の軽くメタの入った薀蓄の羅列は「あれ?これ京極だっけ?」と混乱というより不自然が過ぎる感。あとプロローグから序盤の情景描写がちょっと盛り過ぎて読みづらかったのは気になったところ2014/04/29
ちーたん
99
前々から読みたかった作品✨やっと着手!【吹雪+閉ざされた館+見立て殺人✕綾辻行人】このキーワードだけでワクワクする私🐶に読まない選択肢はない😁雪山で遭難した劇団『暗色天幕』の一行は山中で霧越湖の前に建つ洋館を発見し、難を逃れた。吹雪は一向におさまらず、電話線も切れ…劇団員含めた9名の招かれざる客は館に閉じ込められる。館を飾る調度品の数々と彼らの名前の奇妙な一致。それは偶然?はたまた必然?不吉な兆候と共にとうとう第一の殺人が!◆薀蓄多めの上巻。広げた風呂敷をどう畳むのか下巻へ!2020/05/23
まりも
96
1986年の吹雪の山荘で起きた殺人事件を描いたミステリー作品。うん、やっぱり綾辻行人作品にハズレなしですな。今回は殺人事件の前半部分だけなのでミステリー要素もまだまだですが、この物語から漂う不穏で不気味な感じが何とも言えない味を出していて、あっという間に読み終えてしまいました。これこそ本格派ミステリーに必要な最高のスパイスですよね。王道でありながら、飽きさせない作り方は流石としか言いようがありませんわ。キャラの把握は完了したし、解決編となる次巻がとても楽しみです。犯人は一体誰なんだろうか。2016/08/02
えにくす
95
読友さんの積読本や読みたい本に触発されて、購入した。読メを知らなかったら、読まなかったかも知れない。そう意味でも感謝しかない。信州の山奥の霧越邸という館に、東京の劇団員を始め9人が迷い込み、吹雪のため宿を借りる。そして殺人事件が起こる。電話は壊れていて、大雪のため下山出来ない。携帯もネットもない時代で、外界と隔絶された館内で連続殺人が起こる、クローズドサークルだ。かつてゲームでやった「かまいたちの夜」を思い出す。ここまでで、事件を推理した。犯人は今この画面を見ている、読友さんの「アナタ」だ!下巻に続く。2020/05/22