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内容説明
いくら外見が若くても卵子の老化は止められない。そんな悩みを抱えている30代40代の女性たち。35歳の妊娠力は20代の半分に低下、卵子の老化は染色体異常や流産も増加させます。出産の現場を20年以上取材してきた著者と一緒に取材して驚いたのは、顔なじみの助産師や医師が率直に本音を話してくれること。これも著者の真摯な人柄ゆえでしょう。取材に費やした時間は3年超。「本当のところ何歳まで産めるの?」30代40代のみならず将来が不安な若い女性から娘さんや奥さんの体が心配な方まで幅広くお勧めします。
目次
第1章 何歳まで産めるのか(体外受精でも卵子の老化は救えない 日本の体外受精実施数は世界一、しかし妊娠率は50ヵ国中45位 ほか)
第2章 妊娠を待つ(実際に35歳以上で出産した人の妊娠方法は? 不妊治療の落とし穴 ほか)
第3章 高齢出産(流産や染色体異常は卵子の老化と共に上昇 「出生前診断」みんなはどうしている?どう思っている? ほか)
第4章 高齢母の育児(実家の老親に頼れない 平均値から外れた親は孤立しやすい ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
32
卵子の数は年齢とともに減って行き、新しく作られることはないそうです。あるお医者さんは、女性の卵巣をみかん箱に例えてお話されるそうで、曰く「買ってきたばかりのみかん箱は、開けると箱いっぱいにみかんが入っていてどれをとっても食べられますが、時間がたつとみかんが減っていき、一部傷んで食べれないものもある」ということだそうです。厳しい現実を知りつつ、それでも子供をほしがる高齢女性の健気な気持ちがいとおしく感じる、そんな本です。少子高齢化と言われて久しい今日、少しでも多くの命が誕生することを願ってやみません。2015/07/13
sas
24
老化が進んだ卵子は数も減り、質も低下してしまう。35歳以上になると自然妊娠できる力は20代の半分。晩婚化・少子化により、遅くまで妊娠する力が弱くなっている。30代後半の結婚では3割、40代前半の結婚では4割が妊娠できない。高齢だからといって体外受精がベストとは限らない。AMH検査は卵巣に残っている卵子の数が推測でき、体外受精の効果が推測できる。高齢出産はリスクが高いイメージがあるが、現在は技術革新により飛躍的に安全になっている。2017/08/12
佐藤一臣
20
高度経済成長期の20代出産は歴史的に見て特異なケースなんですね。また、昔は40代でも子どもを産んでいたそうですが、それは初産ではないようで、血流の良さが非常に重要なんだとか。卵子は精子と違って生まれたときから女性の中に存在しており、その後は新しい卵子は産生されないのは衝撃でした。しかも、高齢だから卵子がないのではなく卵子数は個人差があるとか。本書は高齢出産を薦めているわけではないですが、高齢でも出産することはできるけれども、若いときよりも難しいよということをデータを使って説明しています。2017/07/13
zoe
18
2013年の本。タイトルからして、卵子~妊娠の話かと思いきや、高齢出産と育児も書かれた全般的な本と感じました。著者の言う大事なことは、個々適切な対応方法があるのだということ。時間を失わないようにすること。40代後半に妊娠の可能性はあるけれど、30歳で閉経の可能性もあること。存在する選択肢について情報が提供されないのは、「患者の知る権利」の侵害だと考える米国と違い、日本の雰囲気は?医師と意志疎通が大事。帝王切開を薦める裏には、日中にスタッフがいる時間帯の方が、予定外の処置に対処し易いという意識あり。2018/09/02
小鈴
17
晩婚化は晩産化につながる。今や初産の平均年齢は30.1才、35才以上の高齢出産で産まれる割合は4人に1人の割合だ。正直言ってこんなに高い割合だとは知らなかった。そして、日本は体外受精数は世界一でありながら、妊娠率は50ヶ国中45位なのだ。なぜなら不妊治療の開始時期が遅く卵子が老化し、なかなか受精には至らないから。妊活なんて言葉が流行ってるが、知ってるようで知らない妊娠のこと。まずは知ることから始めるしかない。だって初産の晩産化は初めての現象なのだから。2013/05/05