内容説明
ポルトガル・リスボン。ミュンヘン五輪で4つの金メダルを獲得した稀代の女性スウィマーがピストル自殺を遂げた。ほぼ同時刻、2キロ離れた自宅でリスボン大学名誉教授リカルド・コスタが射殺され、2つの命を奪ったのは同じピストルから発射された銃弾だと判明した!? 精神外科手術の恐怖を描いた表題作ほか、ナチの非人道的実験やモンゴル帝国の盛衰が現代にもたらした不思議など、最新科学の成果を盛り込んだ、“21世紀本格”へのプレリュードともいうべき短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
129
2011/2/15 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。 2023/8/31〜9/2 12年ものの積読本で2年ぶりの島田作品。 「溺れる人魚」、「人魚兵器」、「耳の光る児」、「海と毒薬」の4篇。一番ミステリっぽいのは表題作か。耳の光る児はかなり強引。まあ、島田さんらしいと言えばらしいが。2023/09/02
中原れい
57
人魚しばりの短編集、ですね。主に北欧にいるミタライの見聞話、最後の1話が石岡君の手紙で嬉しかったです^^ 過去に流行った精神外科の悲劇、いまだ全容は明かされない戦争の狂気…が2本柱かな、恐ろしく、悲しかったです。そのもの自体は有名でも、そこからこんな話が作れるなんてすごい!2020/01/26
yumiDON
43
一応御手洗さんは登場するのだが、本格ミステリーというよりはノンフィクション風社会派ミステリー?かな。個人的には、扱っている題材や時代は好みなので、面白く読ませてもらった。うまくできた話やエンターテイメント性、ドキドキハラハラはないのだけど、読み始めたら手が頁に吸い付いて離れない吸引力。物語のトーンが自分にあっていたようです。4篇の連作、ではないけどどこか関わりのうっすらありそうな短編集。「人魚兵器」「耳の光る児」が好きです。2016/01/13
いっくん
34
『溺れる人魚』トリックはそんなに、そんなに。実際にあった事件がモチーフとなってるとの事。恐ろしい事件でした。『人魚兵器』悍ましい。ポルシェにこんな歴史的背景があったのか。『耳の光る児』これはもう“生物”の勉強をしているような。ミトコンドリアとか、懐かしい。大モンゴル帝国のロマン。『海と毒薬』“異邦の騎士”賛歌。全体としてミステリ色は薄め。人魚にまつわる短編集。色々と知らないことが多く勉強になりました(^_^*)2018/08/18
coco夏ko10角
31
御手洗潔シリーズ、短編集。どれも御手洗が外国に行ってしばらくしてからのお話。『人魚兵器』がよかった。2017/04/01