内容説明
敗者の美学、ここに極まれり! 『信長の棺』『秀吉の枷』につづく「本能寺3部作」ついに完結!
「愛宕山に詣でて、戦勝祈願のために一夜参籠(さんろう)する」。朝廷との密会を重ねる光秀の暴走を止められない左馬助。そして本能寺の変――。大ベストセラーとなった本格歴史ミステリー長篇は、すべての謎を解き明かしながら、明智家の壮絶な「死の門出」で終局を迎える。宴を彩る「落城の譜(ふ)」の調べ、そして左馬助と綸(りん)が貫いた真実の愛とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムトモ
108
〜来春大河ドラマ対策強化月間〜ここの時代の武将ドラマは司馬大先生の「国盗り物語」に勝るものないなぁ〜が感想です…主役左馬助はまだ謎多い武将らしいですが、左馬助は魅力ある武将で来年の大河はこの左馬助の視点の光秀伝を映像化して欲しいものだ…(ノ-_-)ノ~┻━┻それにしても来年一月から無事📺放送されるのか⁉︎されないのだろうなぁ🙇♂️2019/11/21
ともとも
37
明智光秀の信長への疑心から、本能寺の変~山崎の戦いへと。 主君や、時代に振り回されながらも、早すぎると言っていいほどの物語の 展開の速度。 それだけにテーマが、あるいは時代が、そして自分を信じ、けしてブレずに生きた、 不器用で人間らしく生きた男たちの物語だからなのかもしれない。 どこか、潔くて綺麗である一方で、哀れさも感じてしまいながらも、明智や信長サイドから見た戦国史の勉強になりながらも、不器用でも、理不尽でも人間として一生懸命に生きていくことの大切さを痛感させられる1冊で良かったです 2016/09/10
エドワード
34
小学生の頃から信長と秀吉が好きだったが、多分に描かれた物語やイメージに因っている。明智光秀は優れた武将であり、古典、故実、歌に秀で、人脈豊かで、愚直な努力家である。彼のような秀英が悲劇に終わるのは、信長と秀吉という全く異なる処世術を持つ者と組したためだ。私たちの多くは秀吉ではなく光秀に近い存在だ。<上役は言葉足らずか、一言多いか、で知らぬ間に部下の心を傷つけ、それが上役の運命まで変える>との言葉が光る。新解釈で本能寺の変を描く三部作。光秀の行方は杳として知れず、左馬助が坂本城と運命を共にして幕を閉じる。2016/10/26
gonta19
33
2010/11/7 Amazonより届く。 2013/8/28〜8/31 本能寺の変に対する非常に説得力のある解釈。実際のところはどうだったのかは、永遠の闇の中。恐るべきは、公家というところか。現在の官僚も同じだな。2013/08/31
sayan
32
光秀を義父とする左馬助の視点で、下巻は一気にストーリーが展開する。特に、本能寺の変にいたる直前・後のやりとりや葛藤は生々しかった。特に、朝廷に対する思いは自身の家系が背負ってきたトラウマとの戦いでもあるように感じた。直前に、吉村昭の「桜田門外の変」を読んだ影響か、どうも「大儀」だけでは、こちら都合で周りを巻き込んだつもりで、巻き込めていない。大儀だけにたよった動き方に若干のもどかしさを感じた。その反動から司馬遼太郎の「関ヶ原」に登場する剥き出しの現実主義者たちの荒々しい動きに改めて興味を覚えた。2017/12/29