内容説明
瞳は高級スポーツクラブに通うマダム。ある日支配人から、自分を中傷する内容の手紙を見せられる。犯人探しをはじめると…(表題作)。上京したきりの娘と会った父親が垣間見た、短気で派手好みな娘の意外な一面(「娘の部屋」)。地方都市の主婦、不倫中のOLなど、この短篇集の主人公たちは年齢も立場も様々。ときに傷つき、ときに閉塞した日常に戻ることになりながらも恋をする。その中で思わず発揮される女のしぶとさや逞しさ。切なくおかしい全6篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
26
女の人がメインの短編集でした。ちらほら少し濃い目ののラブシーン(岩井志摩子や大石圭ほどじゃないですが)のある作品もありましたが、さらっと読めました。ただ雰囲気が全体的に似ていたせいか、最後の方はちょっと飽きてきました。一番最初の『愛される女』が一番よかったかな。2013/08/07
まさきち
23
不倫や女性の嫉妬をテーマにした短編集で、一話毎に読み終わったときにふと遠くを見つめてしまうような雰囲気を漂わせる一冊でした。でも一話だけ毛色の違った「娘の部屋」が心に残ったかな。2013/10/12
アコ
6
アンソロジーで知った宇佐美さん。まずは短篇集を。『雪の夜のビターココア』はそのアンソロジーで既読。どの篇の女性たちも欲望に満ちた少し近寄りがたいひとたちばかり。そして官能的なシーンがやたら多くてそこは胸焼け。ただ不思議なことに文章に惹きつけられる。もう少し読んでみたい作家さん。(あまり官能的じゃないほうがいいなあ…)2012/11/21
彗
5
大人の女性の短編集。もう若くはない、でも大人の女としての熟れた魅力がある、そんな主人公達がそれぞれに抱えている日常での悩みや葛藤が女性ならではの視点でうまく書かれていると思う。2010/12/27
Yuki Endoh
3
女だなって思う本。2016/05/06