文春文庫<br> 青が散る 〈下〉

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文春文庫
青が散る 〈下〉

  • 著者名:宮本輝
  • 価格 ¥600(本体¥546)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167348236
  • NDC分類:913.6

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内容説明

退部を賭けたポンクと燎平の試合は、3時間40分の死闘となった。勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながらも、自らの道を懸命に切り開いていこうとする男女たち。「青春」という一度だけの時間の崇高さと残酷さを描き切った永遠の名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

98
友達の一人は歌うたいになりレコードデビューした。友達の一人は大学を辞め、結婚して海を渡った。友達の一人は起業し危うい世界に身を投じた。友達の一人は心を病み辛い日々を送った。愛する彼女は道ならぬ恋に落ち、周りを怒らせたり悲しませたりした。〈ぼく〉はひたすらにテニスコートを走り回った。〈一流〉には届かなかったけど、それがぼくにとっての〈王道〉だった。友達の一人は「女の心は、渓谷を流れる水のよう」という。あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。手を伸ばせば触れられそうでも、掴むことはできない。別れの時。旅立ちの時。2015/04/28

うりぼう

89
ガリバー、安西、金子、祐子、夏子、貝谷とそれぞれの青が散り、何かを喪う。何も喪っていない遼平は、数多くのかけがえのないものを喪ったと誤解。自己の青春を省みるとき、影ばかりを想う。青の王道を行った貝谷は、最後には結ばれ、自己嫌悪の塊の金子は黙したまま去る。安西は自己と引き換えに皆の心に永遠に残り、祐子に引き金を引かせる。祐子は、強し、遼平はなすすべなく、夏子をも手放す。嫉妬は、暴力を産んでも、潔癖は、邪魔になるだけ。下巻のペールは、辰巳教授だが、潔癖を求めすぎ。自分の命が一番大事。ゆかりが、元気でよかった。2010/07/01

drago @暖冬少雪ありがたし。

85
30年ぶり。 ◆燎平の夏子への想いは、4年もの歳月を経てあまりに強くなりすぎて、中途半端な気持ちで手を出せない。と同時に、夏子を神聖化してしまったがため、また燎平が「潔癖」であるが故に、最後の最後に彼女からのアプローチに応えられなくなってしまう。 ◆その心理はとても理解できる。30年前のウブな僕なら燎平と同じ行動をとったかもしれない。でも、今の自分なら嬉々として夏子の気持ちを受け入れるだろう。なんせ、4年も待ったんだもん。(^^;  ◆いずれにしても、30年前と変わらぬ感動をいただきました。 ☆☆☆☆☆2012/10/12

BlueBerry

68
自分自身のリアル青春時代の感じが良いですね。「自由と潔癖こそ、青春の特権ではないか」このフレーズは忘れていませんでした。ドラマの主題歌の松田聖子の青いフォトグラフは今でも好きな局の一つです。youtubeのドラマの動画→http://www.youtube.com/watch?v=glJcL3eaCW0#t=832014/07/19

ばりぼー

64
「テニスに一流も二流も関係ない。あきらめるやつが下で、あきらめんやつが上や。そやから二流の上は、一流の下よりも強いんや。」という貝谷の言葉は、王道ではなく覇道(正確には邪道?)をめざす自分の背中を押してくれます。私も学生時代に「超二流をめざせ!」と言われました。「自由と潔癖こそ青春の特権ではないか。」とかっこよく言いつつ、他の学生の色紙には「火の用心」と書く老教授のユーモアセンスにも脱帽(笑)。虚栄や悔恨、不安や焦燥にまみれた情けない青春物語は、まるで鏡で自分を見るようで、読了後しばらく呆然としました。2015/06/11

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