内容説明
日本人拉致、潜水艦侵入事件、テポドン発射など、北朝鮮が企てる対日浸透・有害工作を阻止するため、日夜闘い続けている外事警察。世間に知られることのない彼らの活動とはいかなるものか? KGBはじめ練達のスパイとわたりあい、ときに煮え湯を飲まされ、ときに人間的なおかしみを表出させるドラマの数々は興趣つきず、テロが頻発する国際社会への警鐘ともとれる。「あさま山荘」はじめ、未曾有の事件で現場を指揮した著者が綴った緊迫のルポルタージュ。実録危機管理。
目次
第1部 北朝鮮編(不気味な独裁者・金正日―テポドン発射、テロリスト支援国家から軍事的脅威へ;深夜の諜報無線―知られざる北朝鮮のスパイ狩り;金日成閣下の無線機―山形温海事件の屈辱 ほか)
第2部 KGB編(落ちた偶像・KGB―宮永事件・コズロフ大佐の空しい昇進;「剣」と「盾」のKGB―過去のカゲ引く対日諜報活動;スパイ・キャッチャーの悲哀―「鋼鉄の剣」対「ブリキの盾」 ほか)
第3部 余話(シュタージ(東独秘密警察)の悲劇―トラの檻に放りこまれたキツネ
一級建築士・田中角栄閣下―中国の情報活動は“上忍”
ネグシ・ハベシ国大使の犯罪―ジーグラス事件の奇妙キテレツ ほか)