内容説明
世紀末ニッポンに出現した、前代未聞の女子中・高生──ポケベル、携帯、伝言ダイヤルを駆使して「援助交際」という名の売春で欲望を解き放った彼女たち。親から小遣いも貰い、家庭も崩壊していないのに、「ウリ」や下着を売ってお金を稼ぎ、それをブランド物や夜遊び、クスリに消費する。制服の少女たちを駆り立てるものは何なのか? 伝言ダイヤルやデートクラブで出会った女の子たちの話をひたすら聞くことで見えてきた彼女たち、そして現在に到る日本社会の闇とは。
目次
中学三年生ユミちゃんとの出会い
ユミちゃんたちが「ウリ」をやる理由
伝言ダイヤルに潜入!
下着を売る少女
「抱き心地は悪くないと思います」
デートクラブに棲息する少女たち
援助交際の至近距離に漂う少女たち
いわゆるふつうの女の子の日常
ユミちゃんからの緊急コール
お嬢様たちのとんでもない放課後〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シノウ
3
ポケベルや伝言ダイヤルなど、時代を感じるが、親世代も、今の女子高生にも是非読んで考えて欲しい本。援助交際をする少女たちへの聞き取りから、おぞましい実態が浮かび上がる。おじさんたちは、未成熟な彼女たちの体に欲情し、彼女たちはお金に欲情している。持ちつ持たれつの関係というが、それにヤクザやドラッグなどのリスクが付き纏う。果たして彼女たちは本当にリスクを理解して援助交際をしていたのだろうか…。 ネットが簡単に人やモノと繋がる現代では、どんなに若くとも自分自身でリスク管理をするしかない。2019/11/21
きなこ棒
1
90年代当時の売春の仕組みがよくわかる本だった。自分らの性的価値を"わかってる"JK達はあらゆる危険と隣り合わせでもウリをする。しかし彼女らを「より高い性的価値があるもの」としたのは大人。そして彼女らが金に欲情するように煽ったり上手く操ったりしたのも大人。しかし彼女らの悪事が表に出れば叩くのは大人…。 因みに現在では「援交」とは呼ぶことは少なくなったものの「パパ活」が盛んになり、テレクラなどわざわざ使わなくともネット上で簡単に会えてしまうので、欲にまみれた子供と大人の距離はこの頃よりも短そうです。2020/04/03