内容説明
大ヒット作『ゲゲゲの鬼太郎』を描いた漫画家。ラバウル島の戦闘で負傷し、隻腕となった水木上等兵。意外にも別荘評論家の水木さん。アシスタントや一族を養う経営者。世界中の妖怪を研究したいと情熱を迸らせる大正生まれ。「水木しげるという人はいつどこにいても自分の心を楽しませるものを即座に見つけだすことができる、だから幸せ」。アメリカへ、故郷・境港へ、パプアニューギニアへ、二年間の密着取材で、手塚治虫と並ぶ巨匠の実像を描く傑作ノンフィクション!
目次
第1章 正体不明の人
第2章 妻と娘と別荘と
第3章 アメリカの霊文化を訪ねる旅
第4章 戦争体験の夏
第5章 交錯する群像
第6章 さらなる探索
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ntahima
48
好きな作家だ。初読は「日本海のイカ」。華やかさには欠けるが丹念な取材の積み重ねによりイカを通して日本を語ってみせた。一方好き嫌いはあれど知らぬ者はいない妖怪漫画家・水木しげる。名もなき市井の人々を描き続けて来た著者が果たしてこの超有名人をどう料理するのか?一見取材に協力的な水木であるが頁が進めど一向に素顔が見えてこない。失敗作か?やがて食い違う二人の会話を読みながら題名がふと浮かぶ。これは著者の計算づくの構成か!いずれにしろ著者と歩いたのは確かに妖怪だ。背中を向けてペロリと舌を出す水木の顔が見えるようだ。2010/12/01
chikabanokitaro
2
この本で、水木大先生の理解が深まり、ますます好きになった。
夏みかん
1
水木しげるさん自身の妖怪のような底知れない姿にわくわくしながら読みすすめました。とりあえずゲーテを読んでみようと思いました。2016/06/28
月光密造者
1
「水木しげる」としかカテゴライズできない個性。今はなき宝塚ファミリーランドで開催された「鬼太郎のお化け屋敷」を巡る挿話が面白い。手塚治虫が「故郷に合わぬ下品さ」と水木に対面で言い放ったとか。漫画の神様に臆するどころか、「失礼」と今だに根に持つ水木。京極夏彦の「時代は変わろうが、水木しげるは変わらない」という発言を思い出した。 2010/09/10
SKH
0
ファインダー越しだと、水木さんの目は恐い。2016/04/30