内容説明
戦争に敗れ、アメリカ軍の占領下、日本国内では奇怪な事件が連発した。国鉄総裁が轢死体で発見された「下山事件」、民間飛行機「もく星」号の墜落後の隠蔽工作、昭電・造船汚職の二大疑獄事件、現職警部が札幌路上で射殺された「白鳥事件」、衝撃では「ゾルゲ事件」に劣らない「ラストヴォロフ事件」……こうした事件の捜査は、占領軍と日本側の権力筋の強権によって妨害された。多くの資料と小説家ならではの考察で真相解明しようとした金字塔的ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yasutaka Hori
2
上巻は旧版で。うーん、ちょっとピンとこないかなぁ。。。戦後の混乱期における不可解な事件を松本清張なりに追う形を取っているが、流石によく分からないことが多すぎる。そして、なんか松本清張の小説の時に見せる緻密さがあまりみられず、大胆な予測といえば聞こえがいいけど、主観すぎじゃない?と思わずにはいられない。けど、地道に下巻まで読んでみよう。2019/02/09
はるな
0
本の中に挙げられている事件そのものをリアルタイムで見てはいないため、清張の推理が妥当であるか、突拍子もないものであるかについては判断出来なかったが、戦前・戦後の日本の空気感が伝わってきて面白い。GHQの支配下であること、アメリカ軍内でも派閥があったこと、日本では共産党が台頭していた時代であったこと、、など当時の世相を映した読み物として楽しませてもらった。2019/10/05