内容説明
雪の原っぱに“窓”が浮いている。なんの変哲もない窓がはるか高空から急降下して宙に浮いているのだ。「空飛ぶ円盤」なら知っているが「空飛ぶ窓」なんて!? しかも観音開きにひらいた窓のむこうに珊瑚礁の海と積乱雲が見えるのだ。奇想天外なプロローグであなたをSF空間にいざなう表題作。タヒチのホテルで出あった日本人女性と主人公のと意外な縁を描く「旅する女」ほか、「黄色い泉」「秋の女」「歌う女」と、“小松ワールド”の魅力に満ちたSF傑作短篇を五篇収録した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まえすとろ
46
1976年文春文庫から刊行された小松左京による女性をテーマにした短編集。当時「SFなどという物書きに女性を描くことは無理」と揶揄されたいた事に奮起して70年代の原風景と慈愛あふれる幻想的なストーリー構成で展開される日本女性の美の姿を描いた小松文学“女シリーズ”の代表作『秋の女』『旅の女』『歌う女』の三作品に、女性向けに描かれたミステリー調のSFストーリーは「週刊小説」で女性読者から好評を得た表題作『空飛ぶ窓』。「週刊新潮」発表の短編『黄色い泉』は古事記と比婆山のUMAを掛け合わせたアダルト風味な奇談。 2015/11/09
いづみ
0
SFほか5編。女シリーズは、SF作家としての氏とは別の顔が見えるという印象。表題作は、展開はある程度予想がつきますが、ちゃんと理由付けをきっちり書いているところが流石という印象。「それっぽさ」は大事ですよね。2012/04/09
けいちゃっぷ
0
短編集。女シリーズはあんまり好きじゃないんだよな。
nukuteomika
0
整合性よりもイメージ優先な作品集。とはいえ旅行先の描写とかどれを取っても神業である。2010/01/23