出版社内容情報
セイラムの魔女裁判についてはたくさんの書物があるが、話題のクレオール文学を代表する女性作家コンデは、リアリズムを超えた魅力あふれるティテューバ像を描いている。 【フランス女性文学大賞受賞作】
内容説明
セイラムの魔女裁判についてはたくさんの研究書があるが、ティチューバに関しては、はっきりした記録は残っていない。コンデの創造するティチューバは、魔法を使う力をもちながら魔女に徹することもできず、奴隷反乱に加担してカリブ海の伝説的な女性闘士ナニー像にかぎりなく近づくが裏切にあうあたり、「等身大」の女を感じさせ、「読み物」としての魅力も十分である。フランス女性文学大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
97
何て力強い物語だろう。 カリブ海の島の黒人奴隷、女性、過酷な運命とクレオール的魔術の世界。 1692年の悪名高きセイラムの魔女事件、そのきっかけになった女性がティチューバ。 ビリーホリデイの”奇妙な果実”思い出す。19の時に好きだった(ちなみに一番好きだったアルバムは”サテンドール”ーひねくれた10代だなあ)2021/01/21
どんぐり
85
17世紀末、ボストンの北にあるセイラム村で起きた魔女裁判。200名近い村人が魔女として告発され、19名が処刑された。本書は、この歴史的史実をもとにしたフィクションである。主人公は、黒人奴隷として、カリブ海に浮かぶ島バルバドスからアメリカのセイラムへ移住し、魔女として収監されたティチューバ。三人の重要な死者とつながり、自然を操る不思議な力をもち、苦しませることより苦しみを癒す魔術をみせてくれる。物語は、奴隷船がカリブ海の島々で積み荷をおろし、白人の男に強姦され生まれて来たティチューバ、白人の男のために2021/01/17
松本直哉
21
アーサー・ミラーの『るつぼ』で「バルバドスには地獄はない。悪魔は陽気なお方で歌ったり踊ったり」と呟いた影の薄い奴隷ティチュバが、ここでは大胆に雄弁に語る。奴隷船の上で白人に強姦された奴隷から生まれ、南の島でその豊かな自然に囲まれて、動植物や死者との交わりの中で育った彼女が、清教徒の厳しい道徳と黒人や女性への過酷な差別の支配する極寒の北米に連れて行かれたときの疎外と孤独が息苦しい。傷を癒したり死者と話したり、良いことにしか使わない魔術なのにここでは断罪され、互いに他責的な社会で悪名高い魔女裁判を引き起こす。2026/03/31
みか
3
2019年1月26日読書会課題図書2019/01/26
ケイコ
2
現代のモラルで生きている私には魔女裁判も奴隷制度も愚かしいとしか思えない。人間は残酷な生き物だ。2012/11/28




