内容説明
私たちが生きている世界は、退屈なわかりきった世界ではない。見慣れたいつもの景色、何の変哲もなくみえるこの世界を、いつもとはちょっと違う見方で観察してみると、別の変貌や思いもかけない不思議な光景があらわになる。知っていたつもりの「未知の世界」へ誘う人類学者の観察記。
目次
第1章 水と土のバラード
第2章 どの材料で何を作るか
第3章 道具というモノ
第4章 いろいろな体
第5章 触ると触れる
第6章 見える世界・見えない世界
第7章 千変万化・生生流転
著者等紹介
古谷嘉章[フルヤヨシアキ]
東京生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(学術)。九州大学大学院比較社会文化研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
49
福岡県の地方出版社の本。大型書店での見つけもの。普段見慣れている何の変哲もない世界も、ちょっと視点を変えれば、全く違って見えてくる。一人類学者による、世界各地でのフィールドワークや書物による探求、身の回りの事物の考察から見えてきた、思いもしない世界の様々を記す。著者曰く、私たちが当然視している「この世界」は、普段とは違った見方で観察してみると、突然別の容貌を露わにしたり、驚嘆すべき光景を開示したりする。退屈している暇はない。私たちの生きている世界そのものが奇跡なのだ。確かに、人類学に退屈はなさそうである。2022/03/27
tamami
47
著者は文化人類学が専門の大学の先生。「はじめに」、で二次元世界の住民の話やユクスキュルの「環世界」を取り上げ、人間が客観的に存在している世界と生きている世界が違うことを述べるとともに、私たちの固定した「世界の見方」を次々と破壊していく。著者の探索と共に、巻末の参考文献の中から拾われた、新たな世界の見方に虚を突かれる思いがする。以前一度読了したものであるが、今回再読し、各項目ごとに取り上げられた事柄の関連性や、話題の広がり、記述の巧みさに大いに感心させられた。人生に文化人類学的な見方の必要性を改めて感じる。2022/07/18
みず
1
普段当然だと思って生きている世界の様々なことを過去や文学や他の文化からの視点で見ることで、底知れぬ不思議さに気付こう、という本。73個の観点について述べられていて、面白かったが、欲を言えば一つ一つの事例をもう少し詳しく読んでみたいなと思った。2021/03/26
ふるかわ
0
二週目。身内びいきではなく良い本だと思います。2022/02/18
dm
0
良い頭のストレッチになった。2021/11/10