内容説明
激動の20世紀を生き抜いた知識人・思想家の人、思想、学問を考察。
目次
1 生涯(戦前編;戦後編)
2 著作(『日本政治思想史研究』を読む;『現代政治の思想と行動』を読む;『戦中と戦後の間』を読む;『日本の思想』を読む;『忠誠と反逆』を読む;『「文明論之概略」を読む』について)
3 現代的意義(近代日本の評価について;日本の戦争責任について;日本社会の根本的変革について;日本文化の型について;学問をする喜びについて)
著者等紹介
都築勉[ツズキツトム]
信州大学経済学部教授。1952年東京生まれ。1978年東京大学法学部卒業。1985年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。信州大学教養部専任講師。1988年同助教授。1995年同経済学部助教授。1997年同教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tuppo
1
注目すべきはそうした結論に至るために必要ないわば精神の柔軟体操である。丸山眞男が言うのはイデオロギーから天降りに現実を見るなと言うことである。「イデオロギーの対立は直ちに戦争を意味しない」し「問題提出の仕方によってその処理の方向が変化する」。あくまでも具体的な人間関係や行動様式をみるべきである。政治的現実は決して一枚岩的ではなくて多次元的でありそれのどこを伸長させるのかという意欲や主体的立場と無関係な「客観的認識」などはないというのがこの時期の丸山眞男が繰り返し説いたところであった。2016/11/23
norashiso
0
丸山真男の生涯と著作について、当人の問題意識や研究課題の面から総合的に解説を加える一冊であるように読める。 今日的な評価や、当時の学生や政治家たちにその思想・主張がどのように扱われたかということを解そうとする際には非常に役立ちそう。 苅部さんのリベラリストの肖像と合わせて読みたい。