出版社内容情報
ボリース・パステルナークは浪費の作家である。尽きぬ愛を惜しみなく流出する。パステルナークは画家である父と音楽家である母との間に生れ、幼少時からトルストイ、リルケ等多数の芸術家に囲まれる環境に育った。1922年、第三詩集であり恋愛詩集でもある本書『わが妹人生』で著名詩人となる。1958年ノーベル文学賞拝受。「いとおしい存在にむかって呼びかけられている気がする」というのは吉増剛造氏だが、パステルナークの詩は音楽であって、その韻律はロシア語ロシア人の心身にとって自然そのものと言われる。日本で言えば絶妙な短歌的世界の韻律とでも言うべきか。ロマン『ドクトル・ジバゴ』で描いたように、人間とは何か、自然とは何か、そういう根源を、これまでにない詩的スタイルで創造しなおしてみせた。『わが妹人生』は「いとおしい存在」=人間の根源・自然の根源への無限接近だが、二十世紀を代表する抒情詩の白眉といえよう。



