内容説明
学力向上と教育の質保証、個性化と考える力、さらに学校格差、不登校、学級崩壊等、学校教育が孕む問題群の複雑化・高度化に対する鍵として、教員養成改革は今や世界的課題だ。この課題に関する初の日独共同研究であり、両国改革の状況を、養成カリキュラム、実習教育、現職継続教育等全システムの再編・構造化をはじめ、試補教員研修所、二段階養成教職大学院に至るまで詳説・考察した本書の特徴は、一般・抽象論に流れぬ個々の具体性にあり、その点の有用性は極めて高い。
目次
第1部 ドイツと日本の教員養成制度の歴史的展開と今日的課題(ドイツにおける教員養成制度の展開;日本における教員養成制度の展開)
第2部 ドイツにおける教師教育改革(ドイツの学士‐修士制度における教員養成―ブラウンシュヴァイク工科大学を例に;ドイツの教員養成における学校実践的学修 ほか)
第3部 日本における教師教育改革(日本の学部での教員養成の新しい動向―兵庫教育大学を事例に;日本の学部での教員養成の新しい動向―上越教育大学を事例に ほか)
第4部 教師教育におけるスタンダード―国際的な展開と日独調査の結果(「良い」教師‐「コンピテンスのある」教師―教職の専門性に関するドイツならびに国際的な議論について;教員養成スタンダード導入の国際的動向 ほか)
資料編(教師教育と教職のキャリア(日本とドイツの比較)
ドイツ各州文部大臣会議「教員養成のためのスタンダード」 ほか)
著者等紹介
渡邉満[ワタナベミチル]
兵庫教育大学大学院教授。1950(昭和25)年、広島県に生まれる。1979(昭和54)年広島大学大学院教育学研究科博士課程後期単位取得退学。博士(教育学)。広島大学教育学部助手、光陵女子短期大学・愛知大学教養部・兵庫教育大学学校教育学部の各助教授、兵庫教育大学学校教育学部教授を経て、2005(平成17)年4月から現職。これまで兵庫教育大学第1部主事、学校教育研究センター長、兵庫教育大学連合大学院学校教育学研究科副研究科長、起訴教育学系長、教職大学院心の教育実践コース長、学長特別補佐(学生指導担当)を歴任
ノイマン,カール[ノイマン,カール][Neumann,Karl]
1939年、ドイツ生まれ。ゲッティンゲン、ベルリン、ウィーン大学で哲学、ドイツ学、歴史学、教育学を修学。1972年、ボン大学で哲学博士号を取得。1973年、ゲッティンゲン大学教育科学部助手、のち教授、教育科学部長、1995年、ブラウンシュヴァイク工科大学学校教育学及び一般教育学教授。同年、大学教授学センター長。2001年、ニーダーザクセン州産学共同センター長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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