内容説明
いま私たちがわが国の学校で目にするのは、迅速化、効率化、力の能力化など、個人の有用性伸長に傾斜した業績・成功指向の教育と、それに伴う不断の競争及び人間の序列化だ。デューイらアメリカ進歩主義教育の核心には、当時既に胚胎していたこうした状況の根本的転換を意図した思想的起爆剤が込められていた。通念的理解を超え、彼らの思想の中核として、協同性、互恵性、完全化への意志等、倫理感覚に貫かれた社会性概念を析出した画期的研究。
目次
序章 社会性概念を構築するもの―進歩主義教育思想再訪
第1章 ハイスクールとメリトクラシー―有用性の個人主義
第2章 ブランボーの進歩主義教育改革―魂の完全化論
第3章 カウンツの社会的再構築―完全化への信念
第4章 デューイの社会性概念―完全化とデモクラシー
終章 社会性概念の存立条件―敢然への意志、一命への畏敬
著者等紹介
田中智志[タナカサトシ]
博士(教育学)東京大学。現在、山梨学院大学大学院教授。教育学(教育思想史)専攻。1958年、山口県に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科教育学専攻博士後期課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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