内容説明
急速に男女間教育格差を解消させつつあるマレーシア―異例とさえ言われるその成功の要因は何か?多民族国家である同国が最優先課題とする国民統合と経済開発に取り組む中、なお問題点を抱えつつ民族間男女間教育機会の均等へ向かう過程を、多数者であるマレー系及び少数者である華人・インド人それぞれの女性が直面する進路形成・生涯設計の受容・葛藤に関し、文献精査と綿密な実地調査に基づき、複合的に分析・考察した、特に途上国の教育格差是正への展望をひらく労作。
目次
序章 比較教育学におけるジェンダー研究の諸問題
第1章 マレーシア教育研究の現状と課題
第2章 マレーシアにおける女性の教育機会拡大―その光と陰
第3章 ペラ州における後期中等学校生徒の進路分化―質問紙調査の量的分析
第4章 ペラ州における後期中等学校女子生徒の性役割観と進路形成―面接調査の質的分析
第5章 ペラ州における青年期女性の進路形成と自己同定―追跡面接調査の質的分析
終章 結論
著者等紹介
鴨川明子[カモガワアキコ]
1974年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科助教。早稲田大学大学院教育学研究科にて博士(教育学)取得。早稲田大学教育・総合科学学術院助手、日本学術振興会特別研究員を経て、現職。専門分野は、比較教育学、ジェンダー論、キャリア形成論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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