内容説明
現場から考える高齢者の生・死・看取り。知の新しい道しるべ。家庭や地域における高齢者医療の現状と課題を捉え直し、新たな実践の場として「ナラティブホーム」をドキュメントする。日本学術振興会人社プロジェクトの成果。
目次
1 家庭と医療現場をつなぐ(人生の終末期における医療と介護―意思決定プロセスをめぐって;予め決めておく―事前指示をどう考えるか;食べられなくなったとき―胃瘻という選択肢の意味)
2 地域社会における生と死(「看取りの文化」の再構築へむけて―「間」へのまなざし;「看取り」を支える市民活動―ホスピスボランティアの現場から)
3 高齢化医療システムの現状と課題(さまよえる高齢者の現実―療養病床を持つ病院の個人データからみえてくるもの;高齢者をめぐる医療システムのこれから―お金は大事だがすべてではない?;医師が目指す「ナラティブホーム」)
著者等紹介
清水哲郎[シミズテツロウ]
1947年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科次世代人文学開発センター・上廣死生学講座・教授。研究テーマは医療現場に臨み、患者・家族および医療従事者たちと共に、意思決定の進め方(臨床倫理学)や、死生をめぐる価値の問題(臨床死生学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コッツ
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高齢者がキーワードとなる諸処の問題について書かれている本。論文に近い記述方法で読みやすかった。2015/05/01
きぬりん
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編者の清水哲郎氏と縁深い東北大や東大死生学関係者を主な執筆陣とする論文集。全体は3部構成で、第1部は終末期医療の倫理、第2部は今後の望ましい「看取り」のあり方を構想する哲学的・社会学的考察、第3部は高齢者医療システム・政策をめぐる社会科学的考察。取り扱われているトピックや方法論は各人各様であり、全体としての統一感は希薄であるものの、示唆に富んだ洞察が現わされている論考が多く、有益。2021/11/01