内容説明
中国現代教育の重層的把握。量的普及と質的向上を共にめざし、精力的な改革努力のもと劇的な変貌を遂げつつある中国現代教育。その実態をトータルに把握するため、省の南北に著しい経済格差のある江蘇省を焦点に、行政機関、研究所、学校への訪問をはじめ、子ども及び保護者への質問紙調査を交え、初等・中等教育から成人教育にわたりその特徴ある動態を、特に具体的な教育実践や子ども・保護者の意識レベルにポイントを置き検証・考察した、日中共同研究の成果。
目次
第1部 教育普及政策の展開と課題―1990年代後半期江蘇省の教育状況(教育普及における「蘇南」と「蘇北」;基礎教育の質的充実と改善;成人教育の状況)
第2部 学習社会のなかの子どもと大人―アンケート調査の分析結果(変動する社会における子どもの学習と生活;「改革・開放」下における成人教育への志向)
第3部 調査後における中国教育の動向―21世紀への展開と課題(義務教育の新たな課題―農民工子女の就学保障問題を中心に;中国「素質教育」の行方―その「改革・開放」政策における位置づけをめぐって;民営学校の再興と展開―南京市の事例 ほか)
著者等紹介
阿部洋[アベヒロシ]
1931年福岡生まれ、九州大学大学院卒、教育学博士。国立教育政策研究所名誉所員、福岡県立大学および南京師範大学名誉教授、近代アジア教育史・比較教育学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。