内容説明
「言葉は、常に余剰と余白をもって、そこに在る。」群像新人文学賞(評論部門)を受賞した「言語についての小説―リービ英雄論」他、金子光晴、多和田葉子、磯〓憲一郎、平野啓一郎、朝吹真理子、絲山秋子、李恢成―その作品と人を紡ぐ20篇。渾身の文芸評論集。
目次
第1章 作品と作家(擬態と仕掛けの向こう側―金子光晴『風流尸解記』;言語についての小説―リービ英雄論;内なる他者の言葉―磯〓憲一郎と平野啓一郎の交叉;日常と異邦―“故郷”の崩壊;ロゴスの極北―多和田葉子試論;内破の予兆―諏訪哲史論;静謐にして、永遠の…―朝吹真理子『流跡』・『家路』・『きことわ』論;空虚の密度を見つめて―林京子論)
第2章 本や人(存在の家としての物語―小川洋子『人質の朗読会』;死者の気配を記憶する者たち―絲山秋子『末裔』;語りの迷宮―多和田葉子『雪の練習生』;時代のふるまい―橋本治『リア家の人々』;永遠の手ざわり;失われた時を求める道具;窓の外からずっと ほか)
第3章 補遺・鏡のなかの他者
著者等紹介
永岡杜人[ナガオカモリト]
1958年、東京都生まれ。法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻博士課程単位取得退学。1984年から高等学校・中等教育学校社会科教員。2012年から法政大学非常勤講師を兼任。2009年、『言語についての小説―リービ英雄論』で第52回講談社群像新人文学賞評論部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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